リボ払いは毎月の支払額を抑えられる一方、利用を重ねると残高が増え、手数料の負担によって「返済しているのになかなか減らない」と悩むことがあります。そのような場合、返済負担を見直す方法の一つが任意整理です。
この記事では、リボ払いを任意整理できるケースや手続きによるメリット・デメリット、生活への影響、専門家へ相談するタイミングについて解説します。
ご自身の状況に合った解決方法を検討するためにも、参考にしてください。
リボ払いの元金が減りにくい仕組みと返済が長期化する理由
毎月きちんと支払っているのに、リボ払いの残高がなかなか減らないと感じる方は少なくありません。その理由は、利用残高に応じて発生するリボ手数料と、毎月の支払額を抑えやすいという仕組みにあります。
毎月の負担を一定程度に抑えられる一方、支払額が少ない状態や追加利用が続くと、完済までに長い時間がかかることになるからです。まずはリボ払いの仕組みを理解し、現在の返済状況を確認してみましょう。
手数料の負担が返済期間を長期化させる理由
リボ払いは毎月の支払額を一定または一定の基準に抑えやすい支払方法ですが、利用残高に応じて手数料が発生します。
手数料率はカード会社やカードの種類、契約条件によって異なります。実質年率15%程度の商品もありますが、15%を超える設定もあるため、実際の契約内容を確認することが重要です。例えば楽天カードでは、ショッピングリボの手数料率として実質年率15.00%〜17.64%としています。
また、リボ払いには複数の支払方式があります。毎月の一定額に元金と手数料を含める「元利定額方式」では、残高が多い時期ほど一定額のうち手数料が占める割合が大きくなり、元金の減少が遅くなることがあります。一方、「元金定額方式」では、一定額の元金に手数料を加えて支払うため、毎月の支払総額が一定とは限りません。
返済が長期化しやすい主な要因は、次のとおりです。
・毎月の支払額を低く設定すると、元金が減るまでに時間がかかる
・残高が多いほど、負担する手数料も大きくなりやすい
・返済途中で新たにリボ払いを利用すると、残高が増えて完済が遠のく
まずは利用明細や会員ページを確認し、手数料率、毎月の元金返済額、手数料額、現在の残高を把握することが大切です。
50万円をリボ払いで支払う場合のシミュレーション
リボ払いでは、同じ50万円を利用した場合でも、毎月どの程度の元金を返済するかによって完済までの期間や手数料総額が大きく変わります。
リボ払いには元利定額方式や元金定額方式、残高スライド方式などがあり、カード会社ごとに計算方法も異なります。そのため、単純に「毎月1万円支払う」と設定しただけでは、すべてのカードに共通する返済期間や手数料総額を示すことはできません。
例えば、実質年率15%、追加利用なしという条件でも、次のように支払方式によって結果が変わります。
| 毎月の設定 | 支払方式の例 | 返済への影響 |
| 元金1万円+手数料 | 元金定額方式 | 元金は毎月1万円ずつ減るため、約50回で元金を完済。ただし別途手数料が加算される |
| 支払総額1万円 | 元利定額方式 | 1万円の中から手数料も支払うため、元金の減少が遅くなり、返済期間が50回を大きく超える場合がある |
| 元金3万円+手数料 | 元金定額方式 | 元金を早く減らせるため、返済期間と手数料総額を抑えやすい |
つまり、「毎月いくら支払っているか」だけではなく、その金額のうち、いくらが元金に充てられているかを見ることが重要です。
月々の元金返済額を増やせば、一般的には完済までの期間や手数料総額を抑えやすくなります。ただし、無理に返済額を増やして生活費が不足しては意味がありません。実際の返済期間や総支払額は、カード会社が提供するシミュレーターや利用明細を確認し、家計に無理のない返済計画を検討しましょう。
任意整理でリボ払いの返済負担を軽減する仕組み
リボ払いの返済が苦しくなった場合、解決方法の一つとして「任意整理」があります。任意整理とは、裁判所を利用せず、弁護士や認定司法書士などが債権者と交渉し、支払額や返済方法の見直しを目指す手続きです。
返済を続けることが前提となるため、現在の収入や家計状況から、和解後も無理なく支払いを継続できるかを確認する必要があります。
将来利息のカットで返済負担が変わる仕組み
任意整理では、今後発生する利息や手数料などの負担を減らし、返済しやすい条件で和解することを目指して交渉します。
交渉によって将来利息がカットされれば、その後は和解で決めた金額を分割して返済することになり、利息を払い続ける状態よりも完済までの見通しを立てやすくなります。
ただし、将来利息が必ず全額カットされるわけではありません。債権者には任意整理の交渉に応じる義務がなく、取引状況や債権者の方針などによって和解条件は異なります。
一方で、「任意整理では元金が絶対に減らない」とも一概にはいえません。過去に利息制限法の上限を超える利息を支払っていた取引では、引き直し計算によって残元金が減少したり、過払い金が発生したりする可能性があります。
そのため、実際にいくらまで負担を軽減できるかは、取引履歴を確認したうえで判断することが重要です。
100万円を任意整理した場合の返済シミュレーション
では、100万円の残債について将来利息が全額カットされ、元金100万円を分割返済する内容で和解できたと仮定した場合の例を見てみましょう。
※以下はあくまで単純計算による目安であり、実際の和解条件を保証するものではありません。
| 分割返済の回数 | 毎月の返済額の目安 | 特徴 |
| 36回払い(3年) | 約27,800円 | 毎月の負担は大きめですが、比較的早く完済できる |
| 60回払い(5年) | 約16,700円 | 毎月の返済額を抑えやすい一方、返済期間は長くなる |
法テラスでは、利息制限法に基づいて計算した残元金について、3〜5年程度で分割返済する内容で合意する事例が多いとしています。
ただし、「このカード会社なら必ず36回」「別の会社なら60回以上」と決まっているわけではありません。返済回数や毎月の金額は、債権者との交渉や債務額、本人の返済能力などを踏まえて決まります。
また、和解後に返済を滞納すると、和解契約の内容によっては残額の一括請求などにつながる可能性があります。そのため、単に毎月の金額を低くすることだけを重視せず、継続して支払える返済計画を立てることが大切です。
ショッピング枠とキャッシング枠における任意整理の取り扱いの違い
クレジットカードには「ショッピング枠」と「キャッシング枠」があり、それぞれ取引の法的性質が異なります。
ショッピングはカード会社が商品・サービスの代金を立て替える取引で、主に割賦販売法などの規制を受けます。一方、キャッシングは現金の借入れであり、貸金業法や利息制限法などが関係します。法テラスも、クレジットカードによる買い物とキャッシングでは法的な扱いが異なることを解説しています。
過去に利息制限法の上限を超える金利でキャッシングを利用していた場合には、取引履歴を引き直して計算することで、借金が減ったり過払い金が発生したりする可能性があります。
一方、通常のショッピングリボの手数料は、貸付金の「利息」とは性質が異なるため、一般に過払い金請求の対象にはなりません。
また、同じクレジットカード会社でショッピング枠とキャッシング枠の両方を利用している場合、どちらか一方だけを自由に任意整理できるとは限らない点にも注意が必要です。同一会社に対する債務としてまとめて交渉することが一般的ですが、具体的な取扱いは契約内容やカード会社の対応によって異なります。
ショッピングとキャッシングの両方に残高がある場合は、利用明細や取引履歴を専門家に確認してもらい、どの範囲を任意整理するのが適切か判断するとよいでしょう。
任意整理のメリットと生活への影響
任意整理をすると、具体的にどのようなメリットがあり、生活にはどのような影響が生じるのでしょうか。裁判所を利用せず、債権者との交渉によって返済条件の見直しを目指す手続きだからこその特徴があります。ここでは、督促への影響や家族・職場に知られる可能性、過払い金が発生するケースについて解説します。
受任通知後は本人への直接の督促が原則として制限される
任意整理を専門家へ依頼するメリットの一つが、本人への直接の督促を減らせることです。
弁護士や司法書士へ債務整理を依頼すると、一般的には債権者へ「受任通知」が送付されます。貸金業者がこの通知を受け取った後は、正当な理由なく債務者本人へ直接返済を求める行為が貸金業法によって原則として制限されます。
そのため、貸金業者からの電話や郵送による督促が続いている場合でも、受任通知の到達後は本人への直接連絡が止まることが一般的です。精神的な負担が軽くなり、落ち着いて今後の返済計画を考えやすくなるでしょう。
ただし、専門家へ依頼した瞬間にすべての連絡が停止するわけではありません。また、銀行や個人債権者など、貸金業法による直接取立て規制の対象外となる債権者もあります。もっとも、専門家が介入した後は、その専門家を窓口として対応するケースが一般的です。
任意整理の交渉中は、対象となる債権者への返済をいったん停止することがあります。自己判断で一部の債権者だけへ返済したり、新たな借入れをしたりせず、専門家の指示に従うことが大切です。
任意整理が家族や職場に知られる可能性と対策
任意整理は、自己破産や個人再生とは異なり、原則として裁判所を利用しません。官報にも掲載されないため、家族や職場に知られにくい債務整理の方法といえます。
それでも、「絶対に誰にも知られない」とは限りません。例えば、次のような場面から家族に気づかれる可能性があります。
・対象となったクレジットカードや家族カードが利用できなくなる
・公共料金やスマートフォン料金などの支払方法を変更する
・専門家からの郵送物や電話連絡を家族が目にする
家族に知られずに手続きを進めたい場合は、初回相談の段階でその希望を専門家へ伝えておくとよいでしょう。事務所によっては、本人の携帯電話やメールを中心に連絡したり、郵送方法に配慮したりする対応が可能です。
また、仕事で個人名義のクレジットカードを使用している場合などは、カード利用停止をきっかけに勤務先へ知られることも考えられます。日常生活や仕事で利用しているカード・口座を整理し、どのような影響が出る可能性があるか事前に確認しておくことが重要です。
キャッシング利用時における過払い金発生の可能性
キャッシングを長期間利用している場合、取引内容によっては、任意整理の過程で残元金が減ったり、「過払い金」が発生していることが判明したりする可能性があります。
過払い金とは、利息制限法の上限を超えて支払った利息について、引き直し計算をした結果、元金をすでに完済した後も支払い過ぎていた金銭のことです。利息制限法では、元本額に応じて年15〜20%の上限金利が定められています。
特に、2010年6月18日にグレーゾーン金利が撤廃される以前からキャッシング取引を続けていた場合には、過去に利息制限法の上限を超える金利で返済していた可能性があります。ただし、2010年以前から利用しているというだけで、必ず過払い金が発生するわけではありません。実際の金利や取引期間、返済履歴を確認する必要があります。
一方、通常のショッピングリボの手数料は、金銭の貸付けに対する利息とは法的性質が異なるため、一般に過払い金請求の対象にはなりません。
キャッシングを長く利用している場合は、取引履歴を取り寄せたうえで専門家に確認してもらうとよいでしょう。過払い金の有無だけでなく、現在の残高がどの程度減る可能性があるのかも判断しやすくなります。
任意整理のデメリットと信用情報への影響
任意整理を検討するうえで、いわゆる「ブラックリスト」への登録を心配する方は多いでしょう。実際には「ブラックリスト」という名簿が存在するわけではなく、信用情報機関に返済状況や債務整理に関する情報が登録されることを一般にそのように呼んでいます。正しい仕組みを知ることで、必要以上に不安を感じずに対策を考えやすくなるはずです。
クレジットカードが使えなくなる影響と代替手段
任意整理の対象にしたクレジットカードは、原則としてその後利用できなくなります。また、整理の対象から外した他社のカードについても、更新時や途上与信などのタイミングで信用情報を確認され、利用停止や更新不可となる可能性があります。
ただし、すべてのカードが必ず同時に使えなくなるわけではありません。実際の対応はカード会社や契約状況によって異なります。
クレジットカードが利用できなくなった場合は、次のような代替手段を検討するとよいでしょう。
・デビットカード:利用代金が原則として銀行口座から即時に引き落とされます。
・プリペイドカード・電子マネー:事前にチャージした金額の範囲内で利用できます。
・口座振替:公共料金や通信費などを銀行口座から直接支払う方法です。
これらを活用すれば、日常的な支払いの多くに対応できます。クレジットカードを使えない期間を、収入と支出を見直し、無理のない家計管理へ切り替える機会と捉えることもできるでしょう。
信用情報に登録される期間とローン審査への影響
任意整理を行うと、信用情報機関に債務整理や返済状況に関する情報が一定期間登録されることが予想されます。その期間中は、新たなクレジットカードの発行や住宅ローン、自動車ローンなどの審査に影響する可能性があり、注意が必要です。
スマートフォン本体を分割払いで購入する場合も、割賦契約として審査が行われるため、契約できないかもしれません。その場合は、一括購入や比較的安価な端末を選ぶなどの対応が考えられます。
信用情報の登録期間は、信用情報機関や契約内容、登録される情報の種類によって異なります。そのため、「任意整理から必ず5年」「完済から必ず5年」と一律にはいえません。現在の登録状況が気になる場合は、CICやJICCなどの信用情報機関へ本人開示を申し込む方法があります。
また、信用情報から該当情報が削除された後でも、カードやローンの審査に必ず通るわけではありません。審査では、現在の収入や勤務状況、借入状況なども含めて総合的に判断されます。登録期間中は無理に借入れを増やさず、家計の立て直しや貯蓄を優先するとよいでしょう。
任意整理と個人再生・自己破産の違い
債務整理には、任意整理のほかに「個人再生」や「自己破産」といった方法があります。それぞれ効果や条件が異なるため、ご自身の収入や借金額、保有財産などを踏まえて選ぶことが重要です。
| 項目 | 任意整理 | 個人再生 | 自己破産 |
| 裁判所の利用 | 原則利用しない | 利用する | 利用する |
| 借金への効果 | 将来利息のカットや分割条件の見直しを目指す | 法律上の基準に従って債務を大幅に減額できる可能性がある | 免責が認められれば対象債務の支払義務が原則として免除される |
| 財産への影響 | 原則として処分を求められない | 清算価値保障の原則などの影響を受ける。住宅資金特別条項を利用できる場合もある | 一定の財産は処分・換価の対象となることがある |
| 返済の必要性 | 和解条件に従って返済 | 原則3年、特別の事情がある場合は最長5年で返済 | 免責された債務は原則返済不要 |
自己破産や個人再生との違いと選択基準
どの手続きが適しているかは、借金の総額、安定した収入があるか、保有している財産、保証人の有無などによって変わります。
任意整理は、安定した収入があり、将来利息などの負担を軽減すれば残元金を継続して返済できる場合に検討しやすい方法です。また、交渉対象とする債権者を選べる場合があるため、保証人付きの借金などへの影響を避けたいケースでも選択肢となります。
個人再生は、任意整理では返済しきれないほど借金額が大きいものの、一定の継続収入があり、減額後の債務を返済できる場合に検討されます。住宅資金特別条項の要件を満たせば、住宅ローンを支払いながら自宅を維持できる可能性もあります。
自己破産は、収入や財産の状況から返済を続けることが難しい場合に検討される手続きです。ただし、税金や養育費など、免責されない債務もあります。
「任意整理しかない」と決めつけず、家計や借金全体の状況を整理したうえで、個人再生や自己破産も含めて専門家と比較検討することが大切です。
任意整理の手続きを進める具体的な流れ
任意整理を決めた後、どのような流れで手続きが進むのかをあらかじめ把握しておくと安心です。相談から和解、返済開始までには一定の期間がかかるため、全体像を確認しておきましょう。
相談から和解成立までの流れ
任意整理は、一般的に次のような流れで進みます。
1.専門家へ相談する
弁護士や認定司法書士へ、借入先や残高、毎月の返済額、収入・支出などを伝えます。無料相談を実施している事務所もありますが、相談料の有無は事前に確認するとよいでしょう。
2.委任契約を結び、受任通知を送付する
正式に依頼すると、一般的には各債権者へ受任通知が送られます。貸金業者が受任通知を受け取った後は、本人への直接の取立てが原則として制限されます。銀行や個人債権者などは同じ法律上の規制対象ではありませんが、専門家が窓口となることで本人への連絡が止まることが一般的です。
3.取引履歴を確認し、債務額を確定する
債権者から取引履歴を取り寄せ、必要に応じて利息制限法に基づく引き直し計算を行います。過去に高い金利で取引していた場合は、残元金が減ったり過払い金が判明したりすることもあります。
4.債権者と和解交渉を行う
専門家が、返済額や返済期間、将来利息の取扱いなどについて交渉します。ただし、債権者には任意整理の話し合いに応じる義務がないため、希望どおりの条件になるとは限りません。
5.和解成立後に返済を開始する
合意した内容に従い、毎月返済していきます。法テラスでも、利息制限法に基づいて計算した残元金を3〜5年程度で分割返済する内容で合意するケースが多いと案内しています。
依頼から和解成立までの期間は、債権者数や取引履歴の開示状況、交渉内容によって異なります。数か月程度かかることもあるため、余裕を持って進めることが大切です。
任意整理を依頼した後に注意したい行動
専門家へ任意整理を依頼した後は、手続きを円滑に進めるため、自己判断での行動を避けることが重要です。
・新たな借入れやカード利用を控える
任意整理中に新しい借入れを重ねると、家計の立て直しが難しくなり、和解後の返済計画にも影響するおそれがあります。
・対象債権者への返済は専門家の指示に従う
任意整理では、受任後に対象となる債権者への返済をいったん停止することがあります。どの債権者へいつ支払うかは自己判断せず、担当の専門家へ確認しましょう。
・収入や住所などに変化があれば報告する
転職、収入減少、引っ越しなどがあった場合は、和解条件や返済計画へ影響する可能性があります。状況が変わったときは早めに担当者へ伝えることが大切です。
和解後に返済を継続できるよう、手続き中から固定費や生活費を見直し、無理のない家計へ整えておくとよいでしょう。
任意整理にかかる専門家費用と支払い方法
「任意整理を依頼したいけれど、弁護士や司法書士への費用を払えるか不安」と感じる方もいるでしょう。費用体系は事務所によって異なるため、依頼前に総額と支払い方法を確認することが重要です。
弁護士・司法書士へ支払う費用の内訳
任意整理の費用には、一般的に次のような項目があります。
・着手金:依頼時に支払う費用
・実費:郵送費や通信費など、手続きのために実際にかかる費用
・解決報酬・基本報酬など:和解成立時などに発生することがある費用
・減額報酬:債務額が減った場合、その減額分に応じて設定されることがある報酬
・過払い金報酬:過払い金を回収できた場合に発生することがある報酬
名称や金額、報酬が発生する条件は事務所によって異なります。一例として、法テラスの任意整理費用では、債権者数に応じた着手金・実費が設定され、原則として報酬金は発生せず、過払い金を回収できた場合に報酬金が生じる仕組みです。
そのため、「着手金・解決報酬・減額報酬が必ずすべてかかる」と考える必要はありません。相談時には、何にいくらかかるのか、追加費用が発生する条件も含めて見積もりを確認しましょう。
なお、認定司法書士が代理人として任意整理の交渉を行える範囲には制限があります。一般に、簡易裁判所の事物管轄に属する範囲、つまり1社ごとの元本額が140万円以下の債務などが対象となります。140万円を超える債権がある場合は、弁護士への相談を検討するとよいでしょう。
分割払いや費用積立に対応する事務所もある
専門家費用を一括で用意できない場合でも、事務所によっては分割払いに対応していることがあります。また、一定の条件を満たせば、法テラスの民事法律扶助制度を利用して弁護士・司法書士費用などを立て替えてもらい、後から分割で返済する方法もあります。
任意整理では、専門家の受任後に対象債権者への返済をいったん停止し、その期間に専門家費用を積み立てる運用を行う事務所もあります。ただし、すべての事務所が同じ方法を採用しているわけではありません。
また、返済を停止している期間について、契約内容や債権者との和解条件によっては利息や遅延損害金が問題になることがあります。そのため、「返済が止まった分を自由に使える」と考えるのは避けましょう。
依頼前には、専門家費用だけでなく、和解後の返済額まで含めて家計を確認することが大切です。無理のない支払い計画を立てられるか、相談時に専門家と一緒に確認することをおすすめします。
任意整理を検討するタイミングの判断基準
「まだ毎月なんとか返済できているから大丈夫」と思っていても、返済状況によっては早めに見直した方がよい場合があります。特に、リボ残高がなかなか減らない、返済のために別の借入れを利用しているといった状況は注意が必要です。
以下のようなケースに当てはまる場合は、家計を整理したうえで、弁護士や司法書士などの専門家への相談を検討するとよいでしょう。
毎月返済してもリボ残高がほとんど減らない場合
数か月から1年以上にわたって返済を続けているにもかかわらず、利用残高がほとんど減っていないと感じる場合は、返済計画を見直すサインの一つです。
リボ払いでは、利用残高に応じて手数料が発生します。支払方式によっては、毎月の支払額のうち一定部分が手数料に充てられるため、元金の減少が遅くなることがあります。また、返済途中で新たにカードを利用している場合は、返済した分だけ残高が減るとは限りません。
まずは利用明細を確認し、「現在の残高」「毎月の元金返済額」「手数料額」を把握してみましょう。毎月返済しても元金がほとんど減らず、このままでは完済まで長期間かかると考えられる場合には、任意整理を含めた返済方法の見直しを検討する余地があります。
ただし、任意整理をすれば将来利息が必ず全額カットされるわけではありません。債権者との交渉によって条件が決まるため、実際にどの程度負担を軽減できるかは専門家に確認することが大切です。
返済のために別のカードや借入れを利用している場合
リボ払いの返済資金を用意するために、別のカードローンやキャッシングを利用している場合は、借入れが増えやすい状態にあるため注意が必要です。
借金を返すために新たな借入れを繰り返すと、複数の債務について利息や手数料を負担することになり、総返済額が膨らむ可能性があります。また、借入先が増えるほど返済日や支払額の管理も複雑になり、家計への負担が大きくなりやすいでしょう。
返済のための借入れが続いている場合は、まず家計の収支を整理し、借金を増やさずに毎月の返済を続けられるか確認することが重要です。それでも返済の見通しが立たない場合には、さらに借り入れをする、その前に弁護士や司法書士へ相談するとよいでしょう。
任意整理に詳しい専門家の選び方と相談先
任意整理を検討する際は、債務整理の取扱経験があり、現在の収入や借金額を踏まえて適切な手続きを提案してくれる専門家を選ぶことが重要です。
任意整理だけを勧めるのではなく、状況によっては個人再生や自己破産なども含めて比較してくれるかを確認するとよいでしょう。
無料相談や減額診断を利用する際の注意点
インターネット上では、「匿名減額診断」や「借金減額シミュレーター」などを見かけることがあります。手軽に利用できる反面、表示される結果はあくまで概算であり、実際に減額できる金額や和解条件を保証するものではありません。
任意整理によって返済条件をどの程度見直せるかは、主に次のような情報によって変わります。
・借入先とそれぞれの残高
・適用されている金利や手数料率
・取引期間や過去の返済状況
・毎月の収入・生活費などの家計状況
・滞納や裁判手続きの有無
そのため、診断結果だけで任意整理を決めるのではなく、実際の契約内容や利用明細をもとに専門家へ相談することが大切です。
無料相談を実施している事務所もありますが、相談料や対応時間、相談方法は事務所ごとに異なります。予約前に費用や相談範囲を確認しておくと安心でしょう。
任意整理に詳しい弁護士・司法書士を選ぶポイント
相談先を探す際は、任意整理の実績だけでなく、費用や説明内容、他の債務整理手続きへの対応も確認するとよいでしょう。
例えば、次のような点が判断材料になります。
・債務整理を継続的に取り扱っているか
・着手金や報酬、追加費用などの料金体系が明確か
・信用情報への影響など、デメリットも説明してくれるか
・和解後に無理なく返済できる金額を一緒に検討してくれるか
・任意整理が適さない場合に、個人再生や自己破産なども案内してくれるか
また、弁護士と司法書士では対応できる業務の範囲が異なります。認定司法書士が代理人として任意整理の交渉を行えるのは、簡易裁判所の事物管轄に属する範囲、つまり原則として1社ごとの元本額が140万円以下の債務など一定の条件を満たす場合です。140万円を超える債権がある場合や、複雑な紛争が予想される場合には、弁護士への相談が適しています。
「費用が安いか」だけで判断せず、現在の借金状況や家計を丁寧に確認し、自分に合った解決策を提案してくれる専門家を選ぶことが大切です。
まとめ
リボ払いは毎月の支払額を一定にしやすい一方、残高が多いほど手数料の負担も大きくなり、元金がなかなか減らないことがあります。返済を続けても残高が減らない場合や、返済のために別の借入れを利用している場合には、任意整理を検討するのも選択肢の一つです。
任意整理では、弁護士や認定司法書士がカード会社と交渉し、将来利息や手数料のカット、返済期間などについて和解を目指します。交渉が成立すれば、毎月の返済負担を抑えながら、完済までの見通しを立てやすくなるでしょう。ただし、元金そのものが必ず減額されるわけではなく、希望する条件で和解できるとは限りません。
信用情報への影響などのデメリットも確認する
任意整理をすると、対象となったクレジットカードは原則として利用できなくなります。また、信用情報にも影響するため、一定期間は新たなカードの作成や住宅ローン、自動車ローン、スマートフォン端末の分割払いなどの審査に影響が出る可能性があります。
一方、裁判所を利用せず、整理する債権者を選択できる点は任意整理の特徴です。自己破産や個人再生と比較し、自分の収入や借金額に適した方法を選ぶ必要があります。
返済が苦しくなる前に専門家へ相談する
リボ払いは返済期間が長期化すると、手数料の負担も増えやすくなります。「返済しているのに残高が減らない」と感じた段階で、利用残高や家計を整理することが大切です。
任意整理が適しているかは、借入額や収入、取引期間などによって異なります。返済のために新たな借入れを重ねる前に、弁護士や司法書士へ相談し、自分に合った解決方法を検討しましょう。
くすの木総合法務事務所は、借金問題の専門家として電話やメール、LINEでのご相談を無料で受付しております。電話相談は24時間可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。












