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奨学金の返済に困ったら任意整理(債務整理)することはできる?相談先と解決方法を解説

Last Updated on 2025年11月25日 by 藤田 太

任意整理は多くの場合、借金を解決するために効果的な方法ですが、「奨学金」は原則として任意整理の対象になりにくい債務です。その理由は、公的な性質が強い制度であること、そして多くの場合「親などの保証人」がついており、本人だけで返済条件を変更できないためです。一般の借金とは仕組みが異なり、誤った対応をすると返済がさらに厳しくなるかもしれません。

「もう返済が追いつかない…」
「延滞が続いて、どうしていいかわからない」

しかし、そんな状況でも、返済猶予や減額返還など、取れる選択肢は複数あります。

この記事では、奨学金と任意整理の仕組みから、奨学金の返済が厳しいときの対処法や相談先について解説します。

奨学金は任意整理できる?返済と保証人への影響を徹底解説

『奨学金とカードローンの返済で、給料のほとんどが消えていく…』
『親にだけは迷惑をかけたくないのに、もう限界かもしれない…』
そんな状況に一人で悩んでいませんか? その状況を改善するためにも、まずは奨学金と任意整理との関係や仕組みについて理解しておきましょう。

奨学金と通常の借金の任意整理での扱いの違い

奨学金と、一般的な消費者金融やクレジットカードの借金では、任意整理での扱いが大きく異なります。何より大きいのは、奨学金には必ず保証人や連帯保証人が付いているということです。

消費者金融からの借り入れは、多くの場合保証人が不要です。任意整理をしても、借主本人以外に直接的な影響は及びません。しかし奨学金の場合は違います。日本学生支援機構(JASSO)の奨学金では、人的保証制度を選んでいれば連帯保証人と保証人が必要であり、機関保証制度でも保証機関との関係が重要になります。

この保証システムがあるため、奨学金を任意整理に含めると、あなたの返済負担は軽くなるかもしれませんが、しかしその分、保証人には残債務の一括請求が行われるリスクがあります。自分の負担を軽くした結果、親族など身近な人に重い負担をかけてしまう可能性があるのです。

加えて、奨学金は教育を受ける機会を保障するための公的な貸付制度です。そのため、営利目的の貸金業者とは根本的に性質が異なります。この特徴から、奨学金を扱う機関は任意整理での減額交渉に応じにくい傾向が見られます。実際に和解が成立するケースは極めて限定的と言えるでしょう。

奨学金の任意整理が難しい理由とは?

奨学金の任意整理が難しいと言われるのは、奨学金が「教育を支える公共目的の制度」であり、 「保証人が付く仕組みになっていること」 という2つの理由が大きく影響しているためです。

まず、日本学生支援機構(JASSO)は、国の政策として教育支援を行う機関です。税金などを原資に奨学金事業を運営しています。

このような公的な機関が、営利企業のように柔軟に債務の減額に応じてしまうと、どうなるでしょうか。制度の公平さが失われたり、制度自体を続けられなくなるおそれがあります。一部の債務者だけを大幅に減額すれば、真面目に返済を続けている他の利用者との間で不公平が生じ、制度全体への信頼性が損なわれてしまう、そういった懸念があるからです。

次に、保証人制度の存在も大きな壁となります。人的保証を選んでいる場合、あなたが任意整理によって返済条件を変更すると、保証人に対して即座に残債務の一括返済が求められます。例えば、月々3万円程度の返済だったものが、突然200万円、300万円といった残債務全額を一度に支払うよう請求されます。これは、保証人にとって非常に重い負担です。

機関保証制度を利用している場合でも、状況は複雑です。保証機関があなたの代わりに返済(代位弁済)したあと、今度は保証機関からあなた自身へ請求(求償権の行使)が始まります。つまり、債権者が変わるだけで、根本的な債務からは逃れられません。

これらの理由から、奨学金については任意整理ではなく、JASSOが用意している返還期限猶予や減額返還、所得連動返還型無利子奨学金への変更といった救済制度を活用する方が、より現実的な解決策となります。

任意整理で奨学金を外した場合の返済義務と影響

多くの専門家が推奨するのは、奨学金を任意整理の対象から外し、他の借金だけを整理する方法です。この場合、奨学金については今まで通り返済を続けますが、保証人への影響を回避できる大きなメリットがあります。

奨学金を対象外とする任意整理では、消費者金融やクレジットカード、銀行カードローンなどの債務について、利息のカットや返済期間の延長交渉を行います。

例えば、月々の返済額が合計8万円だったとしましょう。奨学金以外の借金が整理されれば、返済額は4万円程度に軽減される可能性があります。もし奨学金の返済額が2万円であれば、全体で月6万円の負担となり、当初から2万円の軽減効果が期待できる計算です。

ただし、奨学金を債務整理の対象から除外しても問題が完全に解決するわけではありません。奨学金の返済義務は依然として残ります。そのため、家計全体のバランスを慎重に検討することが重要です。特に、収入が不安定な場合や、他の借金を整理しても家計が厳しいと感じる場合は、奨学金の返済についても別の対策を講じる必要があります。

そのような状況で役立つのが、奨学金独自の救済制度です。例えば返還期限猶予制度です。失業や病気、経済困窮などの理由があれば、最大10年間(通算)まで返済を猶予してもらえます。また、返済額を3分の1または2分の1に減額できる減額返還制度もあります。これらの制度と任意整理を組み合わせることで、より包括的な解決策を見つけることができるかもしれません。

他の借金だけ任意整理した場合の奨学金への影響

奨学金を除外して他の借金だけを任意整理した場合、奨学金そのものに直接的な法的影響はありません。契約条件や返済スケジュールはそのまま維持され、保証人への請求も発生しないのが一般的です。

しかし、間接的な影響には注意が必要です。任意整理を行うと信用情報機関に事故情報が登録され、いわゆるブラックリスト状態となります。この状態はおよそ5年間続き、その間は新たなクレジットカードの作成や住宅ローンの申し込みなどが難しくなる可能性があります。

奨学金の返済は通常、口座振替での自動引き落としですが、もしもの時に延滞が発生した場合、選択肢が限られるかもしれません。通常なら、緊急時にクレジットカードのキャッシングや銀行カードローンで一時的に資金を調達することも考えられます。しかし、ブラックリスト期間中はそうした選択肢が使えなくなるため、注意が必要です。

一方で、プラスの効果も期待できます。他の借金の返済負担が軽減されることで家計に余裕が生まれ、結果として奨学金の返済を安定的に継続しやすくなるケースが多く見られます。月々の返済総額が大幅に減ることで精神的なストレスも軽くなり、長期的な視点で返済計画を立てやすくなるはずです。

家計にゆとりが出てくれば、奨学金の繰り上げ返済や一括返済も現実的な選択肢になります。奨学金はもともと金利が低めですが、総返済額を減らすには早めに返し終える方が、支払う利息が少なく済みます。先に高金利の借金を整理しておけば、こうした前向きな返済プランも立てやすくなるかもしれません。

奨学金返済が厳しいときの救済制度

奨学金の返済に困ったとき、日本学生支援機構(JASSO)は、複数の救済制度を提供しています。これらの制度を上手に活用することで、延滞による信用情報への影響を避けつつ、返済負担を軽減することが可能です。大切なのは、返済が難しくなった時点で早めに相談することです。以下、詳しく解説していきます。

「減額返還制度」で返済負担を減らせる

減額返還制度は、月々の返済金額を2分の1または3分の1に減らせる制度です。返済総額は変わりませんが、返済期間が延長されることで、当面の家計負担を大きく軽減できます。

【利用条件】

・年収(給与所得者): 325万円以下
・年所得(給与所得以外): 225万円以下
・被扶養者控除: 1人につき38万円が控除されます(例:配偶者と子ども1人を扶養の場合、年収401万円まで利用可能)。

【申請手続き】

・年収を証明する書類(源泉徴収票、確定申告書など)
・減額返還願の提出

【ポイント】

・適用期間は12か月間。継続希望時は再申請が必要。
・通算で15年間まで利用可能です。
・返済期間が延びるため、利息の負担総額はわずかに増加することを覚えておきましょう。

「返還期限猶予制度」で一時的に返済を止める

返還期限猶予制度は、一定期間、奨学金の返済を停止できる制度です。失業や病気、災害などで一時的に収入が途絶えた際に活用できます。この制度の大きな利点は、猶予期間中は返済義務が完全にストップし、信用情報にも影響しないことです。

【利用条件】

・一般猶予の年収(給与所得者): 300万円以下
・一般猶予の年所得(その他): 200万円以下
・被扶養者控除: 減額返還制度と同様に適用され、家族構成によって年収上限が調整されます。
・特別な事情: 失業や傷病など、年収条件に関わらず利用できるケースもあります。

【申請手続き】

・返還期限猶予願
・年収証明書類の提出

【ポイント】

・承認期間は原則12か月間。通算10年間まで利用可能です。
・猶予期間中も奨学金の元本は残り続けます。収入が回復した際には確実に返済を再開できるよう、家計管理を見直すことが大切です。
・猶予期間終了後は元の返済スケジュールに戻るため、その時点での家計の状況が重要です。

「所得連動返還型制度」で収入に応じて調整する

所得連動返還型制度は、平成29年度以降に第一種奨学金(無利子)の貸与を受けた方が利用できる制度です。前年の所得に応じて、毎年の返済額が自動的に調整される仕組みとなっています。年収が300万円を下回る場合、月々の返済額は最低2,000円まで減額される可能性があります。

この制度の大きな特徴は、所得の変動に応じて返済額が柔軟に変わることです。例えば、転職で年収が一時的に下がっても、翌年の返済額が自動調整されるため、家計への圧迫を最小限に抑えることができます。

【制度対象者】

平成29年度以降に第一種奨学金(無利子)の貸与を受けた方

※平成28年度以前に貸与を受けた方や、第二種奨学金(有利子)のみの借受者は対象外です。

【返済額の計算式】

(前年の課税総所得金額-110万円)×9%÷12

【ポイント】

制度利用時には、毎年所得証明書の提出が必要です。所得の申告漏れがないよう注意しましょう。

「返還免除制度」など特別な救済措置

返還免除制度は、死亡や精神・身体の障害により、返済が著しく困難になった場合に、奨学金の返還義務を免除する制度です。他の救済制度が返済負担の軽減であるのに対し、この制度は返済義務そのものを免除する、最終的な救済措置といえます。

【死亡による免除】

相続人が死亡診断書とともに返還免除願を提出します。

【精神・身体の障害による免除】

・医師の診断書に基づき、労働能力の喪失程度が判定されます。
・全部免除または一部免除が決定。障害の程度は、身体障害者手帳の等級や精神科医の診断内容などが総合的に評価されます。

その他にも、災害救助法が適用された地域の被災者に対する特別猶予制度や、海外派遣による返還期限猶予制度など、特別な措置も存在します。災害による特別猶予では、住居の損壊や勤務先の被災で収入が激減した場合、通常の猶予制度とは別枠で返還を猶予できる場合があります。

これらの救済制度は、それぞれ適用条件や手続き方法が異なります。あなたの状況に最も適した制度を選ぶことが大切です。制度の利用にあたっては専門的な知識が必要な場合も多いため、返済に関する不安があれば、弁護士や司法書士などの専門家への相談も検討してみてください。

個人再生・自己破産を選んだ場合の奨学金と保証人への影響

奨学金を含む多重債務で悩んでいる場合、任意整理以外に個人再生や自己破産という方法も選択肢となるかもしれません。ただ、これらの手続きは奨学金や保証人に対して、任意整理とは大きく異なる影響を与えるので、事前にしっかり理解しておくことが重要です。

個人再生で奨学金と保証人はどうなる?

個人再生を利用すると、奨学金も原則として他の借金と同様に減額の対象となります。個人再生は裁判所を通じて借金全体を大幅に減額し、原則3年間で返済していく制度であり、「債権者平等の原則」に従い、特定の債権(たとえば奨学金)を手続きの対象から除外することはできません。​

したがって、奨学金も他の借金同様、減額の対象債務となります。​

一方で、保証人(連帯保証人・保証人)が付いている奨学金の場合、主たる債務者であるあなたの債務が個人再生手続で減額されても、保証人の債務は減額されません。個人再生手続によりあなたの返済義務が減額・変更されると、日本学生支援機構(JASSO)は、減額されなかった債務残額全額について保証人へ請求を行います。例えば、300万円の奨学金が100万円に減額された場合、保証人は減額されなかった200万円について一括請求を受けることになります。​

もし保証人が一括弁済できない場合、保証人自身も分割払いの交渉や法的に債務整理を検討する必要が出てくるかもしれません。こうした連鎖的影響を避けるため、個人再生を申し立てる際には、必ず保証人となっている家族や関係者と事前に十分な話し合いを行うことが重要です。​

また、個人再生では再生計画案の認可後、計画通りの返済を継続することが必要であり、途中で返済が滞った場合には減額効果が取り消されることもあります。安定した収入の見通しがあることが前提となります。​

自己破産時の奨学金と保証人、生活への影響

自己破産は、すべての借金の支払い義務を免除してもらう法的手続きです。申立て本人の経済的な再スタートを目的としますが、奨学金と保証人への影響は個人再生よりも深刻となる場合があります。​

自己破産によって免責許可決定が下りれば、債務者本人の奨学金返済義務は完全に免除されます。一方で、保証人(連帯保証人を含む)が設定されている場合、本人が免責となると奨学金残債全額が保証人に請求されます。たとえば、残債が300万円ならその全額が保証人の責任となります。保証人が返済できない場合、遅延損害金が加算されるほか、信用情報に事故情報が登録されるため、保証人自身の新規借入などにも影響します。​

なお、近年は連帯保証人を不要とする「機関保証制度」も普及しており、この場合は保証人への請求は発生しません。​

自己破産後は、通常5〜10年間は新規クレジットカードや住宅ローンの利用が困難となり、手続き期間中は居住地変更や長期旅行に裁判所の許可が必要です。さらに、弁護士や司法書士等の一定資格者は手続き中に資格制限を受けますが、免責決定後の復権により解除されます。​

自己破産手続きには債務者の生活再建への配慮もあり、最低限必要な「自由財産」は手元に残すことができます。給与や年金等の一部財産も、差押えの対象外です。​

なお、保証人が返済を行い本人に対して求償請求(代わりに支払った人が、本来支払うべき相手に「返してほしい」と請求すること)をしても、本人の免責が認められていれば、奨学金をの返済に困って自己破産をした本人に支払い義務はありません。​

長期的な視点で見れば、経済的に行き詰まった場合に最も確実に生活を再建できる方法とも言えますが、慎重な判断が求められます。​

信用情報(ブラックリスト)と今後の借入への影響

個人再生や自己破産を行うと、信用情報機関に事故情報が登録されます。これはいわゆる「ブラックリスト」状態と呼ばれ、一定期間は新しいローン契約やクレジットカードの発行が困難になります。住宅ローンや自動車ローン、携帯電話の分割払いといったサービスの利用も難しい状況となります。​

【主な登録期間】

・個人再生:再生計画認可決定から5~7年
・自己破産:破産開始決定日から5~10年
・任意整理:完済から5年

自己破産は最も長く影響が残ることがありますが、具体的な期間は信用情報機関や契約内容によって異なります。​

登録期間経過後、信用情報から事故情報は削除されます。ただし、削除直後に必ずしも全ての金融サービスが以前と同じ条件ですぐ利用できるわけではありません。金融機関によっては独自に社内情報を保有していたり、直近の多重債務歴などを慎重に審査する場合があり、信用情報が回復しても新規カード発行やローン利用が却下されるケースも考えられます。​

一方、ブラックリスト期間中も生活に必要な基本サービス(銀行口座開設、給与の受取、公共料金支払い、現金取引等)は問題なく利用できます。デビットカードや家族カード、一部格安SIMなどの代替手段も活用可能です。​

信用情報回復後は、経済基盤をより安定させるための準備を整えておくことをおすすめします。​

任意整理・個人再生・自己破産の比較と選び方

債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産の3つの方法があります。それぞれ特徴が異なり、あなたの状況によって最適な選択肢は変わってきます。まずは、現在の収入と支出、借金の総額、奨学金の残高、そして保証人の状況を整理して検討することが大切です。

ここでは、それぞれの方法を比較してみましょう。

比較観点任意整理個人再生自己破産
奨学金の扱い対象から外せる対象から外せない(減額される)対象から外せない(全額免除される)
保証人への影響原則なし(奨学金を除外した場合)残債務の一括請求残債務の全額請求
借金の減額幅利息のカット、返済期間の延長大幅な元本減額(1/5〜1/10程度)全額免除
メリット・保証人に迷惑をかけずに済む

・家や車を残せる

・住宅を残せる

・職業制限がない

・借金がゼロになる

・精神的負担から解放される

デメリット・元本の減額は基本的にない・保証人への影響が大きい

・信用情報に5年間登録

・保証人への影響が最大

・信用情報に5~10年間登録

・職業制限あり(士業など)

こんな人におすすめ・安定収入がある

・保証人に迷惑をかけたくない

・奨学金以外の借金がメイン

・安定収入がある

・住宅を残したい

・借金が多額だが自己破産は避けたい

・収入がなく返済の見込みがない

・借金が生活を破綻させている

どの方法を選ぶにしても、法的な知識が必要な部分も多いため、まずは専門家へのご相談をおすすめします。

返済に困った時はどうすればいい?

奨学金の返済が困難になった場合、対応するための相談窓口や制度が複数用意されており、あなたの状況に応じた適切な支援を受けられます。

重要なのは、返済が難しくなった時点で早めに行動を起こすことです。滞納が長期化する前に相談することで、あなたに合った解決方法が見つかるはずです。

まずは日本学生支援機構に救済制度の相談を

奨学金の返済に困った時、まず相談すべきは、奨学金を貸与している日本学生支援機構(JASSO)です。JASSOでは、返済が困難になった人のために複数の救済制度を用意しており、状況に応じて返済負担を軽減できる可能性があります。

【主な救済制度】

1.減額返還制度

・毎月の返済額を2分の1または3分の1に減額。
・減額した分だけ返済期間が延長されます。
・災害、傷病、失業、年収減少などで返済が困難な場合に利用できます。
・最長15年間適用可能。月々の負担を抑え、生活を安定させながら返済を続けられるメリットがあります。

2.返還期限猶予制度

・一定期間、返済を停止できる制度です。
・経済状況が改善してから返済を再開できます。
・在学中、失業中、病気療養中、育児休業中などに適用され、最長10年間の猶予が認められます。
・注意点: 猶予期間中も利息は発生し続けるため、総返済額は増加します。

これらの制度を利用するには、JASSOの相談窓口(電話やインターネット)で申し込む必要があります。所得証明書や離職票など、収入状況を証明する書類の提出が求められることが多いので、事前に必要書類を確認しておきましょう。申請には一定の審査期間がかかりますから、返済が困難になりそうだと感じた時点で、早めに相談することが重要です。

家族に相談してサポートを受ける

奨学金返済の問題を一人で抱え込まず、まずはご家族に相談することも大切な選択肢の一つです。特に、ご両親や配偶者が連帯保証人になっている場合、返済状況が悪化すると家族にも影響が及ぶ可能性があり、早期に共有して対策を検討することが重要です。

家族に相談する主なメリットは、経済的な支援を得られる可能性があることです。一時的な収入減少や急な出費で返済が困難になったとき、家族からの短期的な資金援助により返済を継続できることもあります。また、家計を統合して生活費を見直し、奨学金返済に回す資金を確保する方法も考えられます。

さらに、家族に相談することで精神面で支えられるという大きなメリットもあります。返済への不安やストレスを一人で抱えるのは大きな負担ですが、家族と状況を共有し、一緒に解決策を考えることで、前向きに問題と向き合いやすくなります。

ただし、家族に相談する際は、現在の返済状況や月々の収入・支出、今後の見通しなどをできるだけ正確に伝えることが重要です。感情的になりやすい場面でも、数字を交えて冷静に話すことで、より良い対策が見つかりやすくなります。また、家族に金銭的な支援を頼む場合は、返済方法や期間などを明確に決めて、後々の誤解やトラブルを避けるようにしましょう。

法律の専門家(弁護士・司法書士)への無料相談

奨学金の返済が困難になり、他の借金とも複雑に絡んでいる場合や、JASSOの救済制度のみでは解決が難しい場合は、弁護士や司法書士など法律の専門家に相談することをおすすめします。専門家は債務整理に詳しく、あなたの全体的な債務状況を踏まえた最適な解決策を提案してくれます。​

多くの法律事務所では、債務問題について初回無料相談を実施しています。まずは無料相談を活用し、奨学金を含めた全借金状況を整理して、最も適切な解決方法を一緒に検討してもらいましょう。​

奨学金は他の債務と異なり、連帯保証人や保証機関が関わるケースも多いため、専門家による慎重な判断が重要です。たとえば、クレジットカードや消費者金融の多重債務状態なら、任意整理で他の借金の利息を減らし返済額を抑える方法がある一方、奨学金は貸付元によって分割交渉が受け入れられないこともあるため、注意が必要です。​

収入に対して債務が過大な場合は、個人再生により奨学金や他の借金を含めて大幅圧縮する選択肢もあります。​

相談時には、奨学金の借用証書、返済予定表、その他借入に関する資料、家計収支の詳細などを用意しておくと、より具体的なアドバイスを受けやすくなります。債務整理による保証人への影響についても専門家が詳しく説明してくれるため、家族関係の配慮も含めて総合的な判断が可能です。​

一人で悩まず、まずは無料相談を利用してみましょう。不安が軽減され、解決の糸口が見つかるはずです。

まとめ

奨学金は一般の消費者金融やクレジットカードの借金とは仕組みが大きく異なり、基本的には任意整理で大幅に減額することは難しいとされています。理由は、奨学金が「教育を受ける機会を支える公的性質の強い制度」であり、さらに「親や親族が保証人になっているケース」が多いためです。もし本人が滞納すると、保証人に一括請求が行われる仕組みになっているため、本人だけで和解することができません。

とはいえ、「任意整理が全く使えない」というわけではありません。保証会社が間に入っているタイプの奨学金(機関保証)であれば、個別の交渉が可能なケースもあり、返済期間の延長や遅延損害金の減額など、返済負担を軽くする方法が見つかることもあります。また、奨学金自体を任意整理できなくても、他の高金利の借金を任意整理することで家計が安定し、結果として奨学金の返済が続けやすくなるケースも多くみられます。

奨学金の返済が苦しい場合、まず検討すべきは「減額返還制度」「返還期限猶予」「所得連動返還型の変更」など、JASSOが用意している救済制度です。これらの制度は任意整理よりも柔軟で、奨学金の返済を止めたり、収入に合わせて返済額を下げたりできるため、状況によっては最も現実的な選択肢になります。

くすの木総合法務事務所では、債務整理の専門家として24時間、メールや電話でのご相談を無料で受付しております。あなたの家計状況・借金の全体像をふまえた上で、「奨学金以外の借金を整理するべきか」「個人再生や自己破産が適切か」など、より広い視点で解決策をアドバイスすることができます。一人で抱え込まず、専門機関や家族と早めに相談することが大切です。まずはお気軽に、ご相談いただきたいと思います。

よくある質問

 

Q1.親が債務整理した場合、子どもの奨学金はどうなる?

親が任意整理や個人再生、自己破産などの債務整理をしても、基本的に子どもの奨学金には直接影響しません。奨学金の契約は学生本人との間で結ばれるため、親の債務整理は別個の契約として扱われます。

ただし、親が奨学金の連帯保証人である場合は注意が必要です。親が債務整理中だと信用情報に事故情報が登録されるため、JASSOが信用状況を確認し、「機関保証」への切り替えや別の保証人の選任を求めることがあります。

さらに、親の債務整理の種類によっては影響が異なり、任意整理では比較的影響が限定的ですが、個人再生や自己破産の場合は官報掲載等の影響で審査が厳しくなる可能性もあります。特に自己破産では家計を支える能力に疑問を持たれることもあります。

現在奨学金を利用している場合、親の債務整理が理由で奨学金が停止されることは原則ありませんが、継続審査で詳細な確認が行われることもあるため、その際は学校の奨学金担当者やJASSOに早めに相談しましょう。

Q2.任意整理をした後に奨学金はまた借りられる?

任意整理後でも奨学金の借り入れが完全に不可能になるわけではありません。ただし、信用情報機関に任意整理の記録が約5年間残るため、その間は審査に一定の制約が生じる可能性があります。

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金審査では、申請者本人だけでなく連帯保証人や保証人の信用情報も確認されます。したがって、本人や保証人の信用状態が悪い場合は審査が厳しくなることがあります。

ただし、奨学金は教育支援の制度であり、一般のローン審査とは異なる柔軟な審査が行われることも多いです。任意整理後に安定した収入があり返済能力が認められる場合や、学業成績が良好なら審査に有利に働くことがあります。

人的保証(連帯保証人や保証人)が必要な場合は信用情報の影響を受けやすいですが、「機関保証」制度を利用すると保証機関が保証するため、信用情報の影響を軽減できます。ただし機関保証では保証料が発生します。

Q3.奨学金の保証人を変更・外すことはできる?

奨学金の保証人を変更・外すことは制度上可能ですが、一定の条件と手続きが必要です。特に現在の保証人が債務整理を検討または実施している場合は、早めの対応が重要です。

主な保証人変更の理由には、収入悪化や病気・高齢による保証能力低下、債務整理による信用問題などがあります。日本学生支援機構(JASSO)はこれらを踏まえて変更の可否を判断します。

新たな保証人には、地域により異なりますが年収300万円以上の安定収入があり、65歳未満で、学生本人の4親等以内の親族であることが求められます。変更にあたっては新保証人の信用情報も審査され、債務整理歴がある場合は審査が厳しくなることがあります。

保証人を完全に外すには、人的保証から機関保証への変更が必要です。この場合、過去の保証料の一括支払いなど負担が増えることが多く、手続きも複雑です。

手続きは学校の奨学金担当窓口やJASSOに届け出が必要で、必要書類の準備や審査に時間がかかります。債務整理が関わる場合は、弁護士や司法書士など専門家に相談し、学業と家計の両立を目指すことをおすすめします。

中央大学法学部卒。サラリーマン経験を経て司法書士・行政書士試験に合格。埼玉司法書士会所属(登録番号 第1124号)。簡裁訴訟代理等関係業務にも認定(第601564号)。「頼れる街の法律家」を目指し、日々、依頼者の生活再建をサポートしています。

債務整理実績1万5821(2019年4月調べ)

その実績が認められ、日経産業新聞に掲載されました。(2012年4月27日)

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債務整理とは、債務者が多額の借金を抱えた場合、多重債務に陥ってしまった場合に、借金を確実に返済することです。債務整理とひとくちに言っても、任意整理・個人民事再生・自己破産・過払い請求・特定調停と、その方法は様々。お客様の借金の総額や取引年数、現在の収入資産などに応じて最適な解決方法をご提案いたします。

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