Last Updated on 2026年3月20日 by 監修者:司法書士 藤田太
「任意整理をすると引っ越しなんて無理かも…」
そんな不安を抱えていませんか?
債務整理の中でも、日々の生活への影響を考えながら進めることができるのが任意整理です。しかし、その最中に引っ越しの必要が出てくると、賃貸の入居審査に落ちないか心配になるものです。
この記事では、任意整理中の引っ越しに関する具体的な悩みを解消し、安心して新生活をスタートさせるための方法を解説します。
結論から言うと、任意整理中でも引っ越しは可能です。
ただし、誰でも簡単に審査に通るわけではなく、いくつかのコツがあります。特に重要なのは、どの保証会社を利用するか、そしてどんな物件を選ぶかということです。
この記事を読めば、賃貸審査の仕組みから、審査に通りやすくなる具体的な物件の探し方、手続き上の注意点までが順番にわかります。正しい知識を身につけ、不安を解消していきましょう。
任意整理中でも引っ越しは可能
任意整理中であっても、引っ越し自体が法律で制限されることはありません。そのため、条件さえ整えば賃貸契約を結び、新しい住まいへ移ることは可能です。ただし、実際には「審査に通るかどうか」が大きなハードルになります。特に家賃保証会社の種類や過去の信用情報によって結果が左右されるため、事前の対策が重要です。
任意整理中でも賃貸契約は可能
まず知っておいていただきたいのは、任意整理をしたからといって、法律で賃貸契約が禁止されるわけではないということです。部屋を借りる権利がなくなるわけではありません。
しかし、現実には入居審査で不利になってしまうケースがあるのも事実です。これは、任意整理という事実そのものよりも、審査の過程で「家賃の支払い能力」をどう判断されるかによります。
審査のポイントと対策を知れば、可能性は大きく広がります。適切な対策をとり、新しいお部屋を見つけましょう。
任意整理中の引っ越しで重要なのは「審査の仕組み」を知ること
引っ越しができるかどうか、その分かれ道は「賃貸審査の仕組み」を理解しているかどうかにかかっています。仕組みを知らずに手当たり次第申し込んでしまうと、審査落ちを繰り返してしまうかもしれません。
そこで、引き続きこの記事では以下のポイントについて順番に解説します。
1.審査の仕組み:誰が何を基準に判断しているのか
2.通りにくいケース:どんな物件や保証会社が不利になりやすいか
3.通りやすくする方法:具体的な物件の探し方と伝え方のコツ
4.手続き上の注意点:弁護士や債権者への連絡はどうするか
一つひとつ整理していけば、必要以上に不安になることはありません。
賃貸審査の仕組み
任意整理中に引っ越しを検討する際、最も重要になるのが「賃貸審査の仕組み」を正しく理解することです。賃貸契約の可否は、単に収入だけでなく、家賃保証会社による審査や信用情報の確認によって判断されます。特に、どの保証会社が利用されるかによって審査の難易度が大きく変わる点は見落とせません。ここでは、任意整理が賃貸審査にどのように影響するのか、その具体的な仕組みを分かりやすく解説します。
賃貸審査の流れ
まずは、物件に申し込んでから契約するまでの一般的な流れを見てみましょう。誰がどのタイミングで関わってくるのかが分かると、対策が立てやすくなります。
1.物件への申込み:気に入った物件が見つかったら、不動産会社を通じて入居申込書を提出。
2.入居者情報の提出:申込書には、年収や勤務先、勤続年数、同居人の情報などを記入する。
3.保証会社の審査:提出された情報をもとに、家賃保証会社が支払い能力などを審査する。ここが最初の大きな関門。
4.大家・管理会社の確認:保証会社の審査に通ると、次に大家さんや管理会社が最終的な入居承諾を決定する。
5.契約締結:すべての審査・確認が終われば、賃貸借契約を結び、初期費用を支払って鍵の受け取りへ。
信用情報は誰が確認するのか
「任意整理の情報は、大家さんに全部知られてしまうの?」と心配になるかもしれませんが、そうではありません。
賃貸契約に関わるのは「入居希望者」「不動産会社」「大家さん」「保証会社」です。この中で、信用情報機関に登録された情報(いわゆる事故情報)を照会する可能性があるのは、主に保証会社です。
大家さんや不動産会社が、あなたの信用情報を直接見ることは基本的にありません。ですから、どの保証会社が審査を行うかが、結果を大きく左右するのです。
審査の中心は保証会社
現在の賃貸契約では、連帯保証人の代わりに、あるいは連帯保証人とあわせて家賃保証会社の利用を必須とする物件がほとんどです。
この保証会社が、実質的な入居審査の中心的な役割を担っています。もしあなたが家賃を滞納した場合、保証会社が大家さんに家賃を立て替え払いし、その後、あなたに請求する仕組みです。
そのため、保証会社は「この人は滞納せず家賃を払い続けてくれるか」を厳しくチェックします。そして、任意整理の影響を受けやすいかどうかは、この保証会社の種類によって大きく変わるのです。
任意整理が審査に影響する理由
任意整理をすると引っ越しの審査に通りにくくなると言われますが、それには明確な理由があります。賃貸契約では、入居者が家賃を継続して払えるかどうかが重視され、その判断材料として信用情報がチェックされることがあるためです。任意整理を行うと、この信用情報に一定期間記録が残るため、保証会社や管理会社の評価に影響を与える可能性があります。
任意整理による信用情報への事故情報登録
任意整理の手続きを開始すると、信用情報機関に「事故情報」が登録されます。これが、一般的に「ブラックリストに載る」と言われる状態です。
信用情報は、いわばあなたの経済活動の通信簿のようなものです。クレジットカードやローンの契約内容、支払い状況などが記録されており、任意整理の情報はここに一時的に記録されます。
事故情報が登録されると、一定期間(完済後5年程度が目安)、新たなローンを組んだり、クレジットカードを作ったりすることが難しくなります。この信用情報を一部の保証会社が審査の際に確認するため、任意整理中であることが影響してしまうのです。特に住宅ローンの契約は厳しいことが予想されます。
審査が厳しい「信販系」保証会社
特に審査が厳しくなる傾向があるのが「信販系」と呼ばれる保証会社です。
信販系の保証会社は、クレジットカード会社やその関連会社が運営しています。例えば、オリコ、ジャックス、アプラスなどがこれにあたります。彼らは自社で信用情報を扱うノウハウがあるため、審査の際に信用情報機関へ照会を行うことが一般的。
そのため、信用情報に事故情報が登録されている任意整理中の方は、信販系の保証会社が指定されている物件の審査では、残念ながら不利になりやすいのが実情です。
クレジットカード払い物件が不利になりやすい理由
物件によっては、初期費用や毎月の家賃の支払いが「クレジットカード払い限定」となっているケースがあります。こうした物件も、任意整理中の方にとってはハードルが高くなります。
・クレジットカードが作れない・使えない:任意整理中は、新しいクレジットカードの発行が難しく、既存のカードも利用停止になることがほとんど。
・支払い方法が条件を満たせない:支払い方法がクレジットカードに限定されていると、その時点で申し込みの条件を満たせなくなります。
・信販系保証会社の可能性:そもそもカード払いを導入している物件は、信販系の保証会社と提携していることが多い傾向。
このように「支払い方法」という入り口で、審査に進むことすら難しくなる場合があります。
家賃保証会社の種類と審査難易度
任意整理中に引っ越しを成功させるためには、「どの家賃保証会社を利用するか」が非常に重要なポイントになります。実は、保証会社にはいくつかの種類があり、それぞれ審査基準や信用情報の扱いが異なります。そのため、同じ条件でも保証会社によって「通る・通らない」が大きく変わることもあります。ここでは、保証会社の種類ごとの特徴と審査難易度の違いを整理し、任意整理中でも通過しやすい選び方を解説します。
家賃保証会社の3つの種類と特徴
具体的にどのような保証会社があるのでしょうか。大きく分けて3種類あり、それぞれ審査の傾向が異なります。この違いを知っておくことが、物件探しの最大のポイントです。
| 種類 | 審査で見られやすい項目 | 信用情報照会の有無・傾向 | 審査難易度(傾向) | 代表的な会社名 |
| 信販系 | 信用情報、過去のクレジット・ローン履歴、年収 | 照会されることが多い | 厳しい | オリコ、ジャックス、アプラス、セディナなど |
| LICC系 | 過去の家賃滞納歴(加盟会社間で共有)、年収 | 信用情報は見ないが、独自の滞納情報を共有 | 中間 | 全保連、日本セーフティー、Casaなど |
| 独立系 | 独自の審査基準、年収、勤務先、勤続年数 | 信用情報もLICC情報も見ないことが多い | 比較的緩やか | フォーシーズ、いえらぶパートナーズなど |
※LICC(全国賃貸保証業協会)に加盟する会社の中には、独立系と重複するものもあります。
通りやすい傾向がある「独立系」保証会社
任意整理中に狙うべきは、審査に通りやすい傾向がある「独立系」の保証会社です。
独立系の保証会社は、信用情報機関やLICCに加盟せず、独自の基準で審査を行うのが特徴。過去のクレジットカードの利用状況を厳しくチェックされる信販系とは異なり、現在の収入や職業を重視します。
代表的な会社には、フォーシーズや日本セーフティー、全保連などがあります。ただし、「独立系なら絶対に大丈夫」というわけではありません。あくまで他の種類に比べて可能性が高い、と理解しておきましょう。
LICC系保証会社はどう見ればよいか
LICC系の保証会社は、信販系と独立系の中間のような存在です。
信用情報機関の情報は見ませんが、LICCに加盟している保証会社間で「過去に家賃を滞納した人の情報」を共有しています。そのため、過去にLICC系の保証会社を利用していて家賃滞納の経験があると、審査が厳しくなる可能性も。
逆に、これまで家賃をきちんと支払ってきた方であれば、独立系と同じように審査に通る可能性は十分にあります。
不動産業界の現場では担当者の動きも結果を左右する
実は、審査結果は保証会社の種類だけで決まるわけではありません。窓口となる不動産会社の担当者の力量や動き方も、意外と影響します。
経験豊富な担当者であれば、あなたの状況を理解した上で、独立系の保証会社を使える物件を優先的に探してくれたり、大家さんに対して「収入は安定しているので支払い能力に問題はありません」と上手く説明してくれたりすることがあります。
信頼できる担当者を見つけることも、物件探しを成功させるための隠れたコツと言えるでしょう。
賃貸契約の更新への影響は?
任意整理を行っている場合でも、現在住んでいる賃貸物件の「更新」に必ずしも影響が出るとは限りません。結論としては、これまで家賃の滞納がなく、契約内容に違反していなければ、更新を認めるケースが多いのが実情です。賃貸契約の更新は、新規契約とは異なり、すでに入居実績があるため、大家や管理会社にとっては「これまで問題なく住んでいたかどうか」が重要な判断基準になります。
一方で、デメリットも理解しておく必要があります。仮に家賃の支払いが滞り「払えない」状態が続くと、契約更新を断られたり、最悪の場合は解約や退去(追い出されるリスク)につながることもあります。
更新時に保証会社の再審査が入る場合や、保証会社の変更を求める要件では、任意整理による信用情報の影響を受ける可能性があります。特に信販系の保証会社が関与する場合は、審査が厳しくなる傾向があるため注意が必要です。
そのため、更新を控えている場合は、事前に管理会社へ確認を行い、更新日の確認と合わせて保証会社の変更有無や審査の有無を把握しておくことが重要です。また、万が一に備えて、別の物件への引っ越しも視野に入れておくと安心です。任意整理後は無理のない金額設定で住み替えを検討することが重要です。銀行口座からの引き落とし管理や、お金の使い方を見直すことも欠かせません。
審査に通りやすい物件の探し方
任意整理中に引っ越しを成功させるためには、「どの物件を選ぶか」が結果を大きく左右します。実際、同じ条件でも物件や保証会社の違いによって、審査の通りやすさは大きく変わります。そのため、やみくもに探すのではなく、審査に通りやすい物件の特徴を理解した上で戦略的に探すことが重要です。
独立系保証会社の物件を優先して探す
物件を探す際は、最初から「独立系の保証会社が使える物件」に絞って探すのが最も効率的です。不動産会社の担当者には、次のように伝えてみましょう。
・NG例:「任意整理中なので、審査に通る物件はありますか?」
・OK例:「クレジットカードが使えないのですが、〇〇(独立系)という保証会社は使えますか?」
いきなり「任意整理中」と伝えてしまうと、担当者によっては「難しいお客さんだ」と敬遠され、紹介される物件が減ってしまう可能性もゼロではありません。条件ベースで伝えることで、担当者は適切な物件を提案しやすくなります。
連帯保証人を立てて契約する
もし、安定した収入のある親族などに連帯保証人になってもらえるなら、審査で有利に働くことがあります。保証会社によっては、連帯保証人を立てることで審査に通りやすくなるプランを用意している場合もあります。
【連帯保証人になれる人の主な条件】
・親や兄弟など、原則として2親等以内の親族であること
・申込者本人以上の安定した収入がある正社員や公務員であること
・現役で働いており、年金生活者や高齢すぎないこと
・すでに誰かの連帯保証人になっていないこと
ただし、これは物件や管理会社の方針によって扱いが異なるため、連帯保証人がいれば必ず通るわけではない点は覚えておきましょう。
保証会社不要の物件を探す方法
数は多くありませんが、中には保証会社が不要な物件も存在します。
これに該当する代表的な例がUR賃貸住宅です。URは国が関わる独立行政法人が運営しており、礼金・仲介手数料・更新料・保証人が不要(保証会社も不要)というメリットがあります。その代わり、入居には一定の収入基準(単身者なら月収が家賃の4倍以上など)を満たす必要があります。
審査がないわけではありませんが、信用情報を見られる保証会社の審査がないため、任意整理中の方にとっては有力な選択肢の一つです。
地域によっては公営住宅のように抽選で入居できる制度もあり、任意整理をしていること自体が必ずしも対象外になるとは限りません。
不動産会社には事情を伝えすぎず、条件ベースで相談する
先ほどの伝え方の例でも触れましたが、不動産会社には「任意整理中です」とストレートに話す必要はありません。正直に話すことが誠実だと感じるかもしれませんが、それが原因で選択肢を狭めてしまうのは避けたいところ。
「クレジットカードが作れない」「信販系の審査は避けたい」など、あくまで物件探しに必要な「条件」として伝えるのが、スムーズに進めるコツです。
任意整理中の引っ越しは、どの物件に申し込むかという「最初の選択」が非常に重要です。一度審査に落ちてしまうと、時間も手間もかかり、精神的な負担も大きくなります。
もし少しでも不安が強い場合は、物件に申し込む前に、あなたの任意整理を担当している弁護士・司法書士へ一度相談してみることをおすすめします。専門家からの客観的なアドバイスが、あなたの背中を押してくれるはずです。
引っ越し費用と生活面の注意点
任意整理中に引っ越しをする際は、審査だけでなく「費用」と「その後の生活設計」も重要なポイントになります。引っ越しには初期費用や家具・家電の購入費などまとまった出費が必要になるため、無理のない資金計画を立てることが欠かせません。また、任意整理後は返済を継続していく必要があるため、家賃とのバランスを誤ると生活が苦しくなるリスクもあります。ここでは、引っ越しにかかる具体的な費用の内訳と、任意整理中だからこそ意識すべき生活面での注意点を分かりやすく解説します。
引っ越し初期費用の目安
新しい生活を始めるには、まとまった初期費用が必要です。一般的に、引っ越しの初期費用は家賃の4〜5か月分が目安と言われています。
【主な内訳】
・敷金:家賃1~2か月分(退去時の原状回復費用などに充当)
・礼金:家賃0~2か月分(大家さんへのお礼)
・仲介手数料:家賃0.5~1か月分+消費税
・前家賃:入居する月の家賃
・火災保険料:1.5万~2万円程度
・鍵交換費用:1.5万~2.5万円程度
例えば家賃7万円の物件なら、28万円〜35万円程度の初期費用がかかる計算になります。
初期費用を抑える現実的な方法
任意整理中は新たな借入れが難しいため、引っ越し費用は自力で用意する必要があります。少しでも負担を減らすために、以下のような物件を探してみましょう。
・敷金・礼金がゼロの物件:初期費用を20万円以上抑えられるケースも。
・フリーレント付きの物件:入居後、一定期間(0.5〜2か月など)の家賃が無料になります。
・仲介手数料が安い、または無料の物件:不動産会社によっては、仲介手数料を家賃の半額や無料にしている場合があります。
これらの条件で探すことで、初期費用を家賃の2〜3か月分程度まで圧縮できる可能性があります。
後払いアプリ・分割払いの利用は慎重に
最近では、引っ越し業者の費用などを後払いや分割払いにできるサービス(BNPL)も増えてきました。一見便利に思えますが、利用は慎重に判断すべきです。
・新たな支払負担になる:任意整理中は、返済計画にない支出が増えることは避けるべき。
・信用情報に影響する可能性:サービスによっては、利用状況が信用情報に登録されるものもあります。
・支払い管理が複雑になる:返済先が増えることで、家計管理が崩れるきっかけになりかねません。
生活再建の途中で安易に新たな借り入れと支払いをするのはリスクが伴います。できる限り、自己資金の範囲でまかなうようにしましょう。
家賃滞納は絶対に避けるべき理由
無事に引っ越しができた後、何よりも気をつけなければならないのが家賃の滞納です。任意整理中に家賃を滞納してしまうと、深刻な事態を招きかねません。
・契約解除・強制退去のリスク:滞納が続けば、大家さんから賃貸契約を解除され、住む場所を失う可能性があります。
・保証会社とのトラブル:保証会社が立て替えた家賃は、必ず請求されます。この支払いも滞ると、法的な手続きに進むことも。
・生活再建への悪影響:任意整理の返済と家賃滞納の督促が重なると、精神的にも経済的にも追い詰められ、生活再建そのものが頓挫しかねません。
任意整理は、決まった返済計画を守ることが大前提です。家賃は生活の基盤であり、最優先で支払うべき費用だと肝に銘じておきましょう。
引っ越し時の手続き上の注意点
任意整理中に引っ越しを行う場合は、通常の引っ越し手続きに加えて「見落としやすい重要な対応」がいくつかあります。特に、債権者や弁護士への住所変更の連絡を怠ると、重要な通知が届かずトラブルにつながる可能性があり、注意が必要です。また、手続きの進行状況によっては、事前に確認しておくべきポイントも存在します。ここでは、任意整理中でも安心して引っ越しを進めるために押さえておくべき手続き上の注意点を解説します。
依頼中の弁護士・司法書士には住所変更を必ず連絡する
任意整理を弁護士や司法書士に依頼している場合、引っ越しが決まったら、必ず担当の専門家へ住所変更の連絡をしてください。これは非常に重要な手続きです。
連絡を怠ると、債権者からの重要な書類が届かず、返済計画に影響が出る可能性があります。和解契約書や返済に関する案内など、大切な書類が新しい住所に届かなくなってしまうため、早めに一報を入れるようにしましょう。
債権者への住所変更連絡が必要かは状況で異なる
「債権者にも直接、住所変更を伝えた方がいいの?」と疑問に思うかもしれません。これは状況によって対応が異なります。
・弁護士・司法書士に依頼中の場合:まずは依頼している専門家に相談してください。通常は専門家が代理で連絡してくれるか、どう対応すべきか指示してくれます。自己判断で債権者に連絡するのは避けましょう。
・自分で任意整理の対応をしている場合:ご自身で各債権者に連絡し、住所変更の手続きを行う必要があります。
いずれにしても、まずは依頼している専門家への確認が最優先です。
個人再生・自己破産では裁判所への届出が必要な場合がある
任意整理と混同されがちな手続きに「個人再生」や「自己破産」があります。これらは裁判所を通して行う手続きのため、引っ越し(住所変更)の際には、裁判所への届出が必要になる場合があります。
一方、任意整理は裁判所を通さない、債権者との私的な交渉です。そのため、裁判所への届出は必要ありません。
この違いを理解しておくと、余計な心配をしなくて済みます。もしご自身の状況がどの手続きにあたるか不確かな場合は、必ず専門家にご確認ください。
不安があるなら専門家へ相談
任意整理中の引っ越しには、審査や手続き、費用面などさまざまな不安がつきものです。「このまま申し込んで大丈夫なのか」「審査に落ちたらどうしよう」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。こうした不安を抱えたまま進めるよりも、専門家に相談することで、状況に合った最適な選択肢を見つけることができます。
弁護士・司法書士に相談してサポートしてもらえること
任意整理中の引っ越しに関して不安があるなら、やはり債務整理の専門家である弁護士・司法書士に相談するのが一番の近道です。相談することで、以下のようなサポートが期待できます。
・現状での引っ越しの妥当性:今の家計状況や返済計画の中で、引っ越しをすることが問題ないか客観的に判断してもらえます。
・手続き上の注意点の整理:住所変更の連絡など、具体的に何をすべきか明確に教えてもらえます。
・債権者への対応:必要に応じて、債権者への連絡を代行してもらえます。
・生活再建へのアドバイス:新しい家賃を踏まえた上で、今後の生活再建の見通しについて助言をもらえます。
一人で悩みを抱え込まず、専門家の知識と経験を借りることが、スムーズな新生活のスタートにつながります。
債務整理に強い専門家の選び方
弁護士・司法書士なら誰でも良いというわけではありません。債務整理に精通した専門家を選ぶことが大切です。
【専門家選びのチェックリスト】
・債務整理の解決実績が豊富か(ホームページなどで具体的な事例を確認)
・無料相談に対応しているか(気軽に相談できる体制があるか)
・費用体系が明確に示されているか(追加費用の有無など)
・専門用語を使わず、わかりやすい言葉で説明してくれるか
・高圧的でなく、親身に話を聞いてくれる姿勢か
いくつかの事務所の無料相談を利用して、比較検討してみるのも良いでしょう。
無料相談で事前に確認しておくべきこと
無料相談の機会を最大限に活用するために、事前に質問したいことをまとめておくとスムーズです。
【無料相談での質問例】
・「現在、任意整理の返済中ですが、このタイミングで引っ越しをしても問題ないでしょうか?」
・「賃貸の入居審査で、特に注意すべき点は何ですか?」
・「引っ越しに伴い、住所変更などで先生にお願いすべき手続きはありますか?」
・「もし引っ越しに関する手続きで、追加の費用が発生する可能性はありますか?」
・「引っ越し後の家賃負担を踏まえて、現在の返済計画を見直す必要はありますか?」
具体的な状況を伝え、的確なアドバイスをもらいましょう。
少しでも不安があるなら申込み前に相談する
任意整理中でも、ポイントを押さえれば引っ越しは可能です。
しかし、物件選びや手続きで一度つまずいてしまうと、時間や費用、そして精神的な負担が大きくなってしまうのも事実。新しい生活をスムーズに始めるためには、事前の準備と正しい知識が欠かせません。
「やっぱり自分一人で進めるのは不安だ…」と感じるなら、どうか無理をせず、物件に申し込む前に一度、専門家へ相談してください。あなたの状況に合わせた最適なアドバイスが、きっと安心材料になるはずです。
まとめ
任意整理とは、借金(債務)を減額するために弁護士や司法書士、法律事務所に依頼して、利息のカットや支払額の調整を目指す手続きです。過払い金の有無や時効の援用なども含めて調査してもらうことで、借金問題そのものがなくなり、引越しの選択肢が広がることもあります。破産や個人再生とは異なり、財産を維持しながら返済を続ける点が特徴ですが、一定期間は信用情報機構に登録され、金融機関や銀行の審査に影響します。
この影響は、引っ越す際の賃貸契約にも関係します。特に家賃の引き落とし口座や保証会社の審査では、信用情報がチェックされるため、任意整理中は審査に通りにくくなるケースがあります。ただし、すべての物件が対象というわけではなく、貸主や保証会社の種類によっては問題なく契約できる場合もあります。例えば、公営住宅や独立系保証会社を使用する物件であれば、影響が少なく住み替えが可能なケースもあります。
・任意整理中でも引っ越しは可能
法律で禁止されているわけではなく、適切な手順を踏めば新しい部屋を借りることはできる。
・審査の鍵は「保証会社の種類」
賃貸審査の中心は保証会社であり、どの会社を選ぶかが結果を左右する。
・信販系やクレジットカード払い物件は不利になりやすい
信用情報を照会される可能性が高いため、審査通過のハードルが上がる。
・独立系保証会社、連帯保証人、保証会社不要物件が有効な対策
信用情報に頼らない審査基準の物件を選ぶことが、審査通過の近道となる。
・弁護士・司法書士への住所変更連絡は必須
手続きをスムーズに進めるため、依頼中の専門家への報告を忘れないこと。
また、家族名義で契約する、家賃を相場より低く設定する等の対処法も有効です。一方で、任意整理中に家賃を支払わない、税金や公共料金の滞納があると、生活に支障が出るだけでなく、最悪の場合は退去を求められるリスクもあります。そのため、契約更新や新規契約の際には、支払い義務をきちんと守ることが重要です。
くすの木総合法務事務所では、電話やLINE、メールでのご相談を無料で受付しております。電話相談は土日を問わず24時間可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。











