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銀行系カードローンは任意整理(債務整理)できる?注意点を解説【弁護士・司法書士への借金相談】

Last Updated on 2026年5月17日 by 監修者:司法書士 藤田太

借金の返済が苦しくなった場合、銀行系カードローンでも任意整理の対象にできるのか、不安に感じる方は多いでしょう。

結論からいうと、銀行系カードローンも任意整理の対象にできます。ただし、消費者金融やクレジットカードの任意整理とは異なり、保証会社が関係しているケースが多く、手続き後は保証会社から請求を受ける流れになることがあります。

また、給与振込口座や生活費の引き落とし口座と同じ銀行のカードローンを任意整理すると、口座凍結や預金との相殺が起きる可能性もあるため注意が必要です。

この記事では、銀行系カードローンを任意整理できる仕組み、保証会社との関係、口座凍結や信用情報への影響、弁護士・司法書士へ相談する前に確認しておきたいポイントについて解説します。

銀行ローンは任意整理できる?対象と仕組み

「銀行からの借り入れは整理できないのでは」と不安に感じる方もいますが、銀行からの借入であっても、銀行系カードローンやフリーローンも、任意整理の対象として、債権者との交渉によって返済条件の見直しを目指すことは可能です。

ただし、銀行ローンの任意整理では、保証会社の代位弁済や銀行口座の凍結、預金との相殺などが問題になることがあります。そのため、消費者金融やクレジットカードの任意整理と同じ感覚で進めるのではなく、事前に口座状況や保証会社の有無を確認しておくことが重要です。

弁護士や司法書士に依頼すると、債権者との交渉によって将来利息のカットや返済期間の見直しを実現できる可能性があります。ただし、任意整理は裁判所を通さない交渉手続きであり、債権者が必ず希望どおりの条件に応じるとは理解しておきましょう。

まずは借入先、残高、返済状況、給与振込口座や引き落とし口座の有無を整理し、正しい手順で進めることが大切です。

整理可能な銀行系カードローンとフリーローン

銀行が提供する個人向けローンの中には、任意整理の対象として検討できるものがあります。

代表的なものは以下のとおりです。

・銀行系カードローン
・フリーローン
・目的別ローン

ただし、住宅ローンやマイカーローンなど、担保や所有権留保が関係するローンは注意が必要です。たとえば、住宅ローンを任意整理の対象にすると自宅を失うリスクがあります。また、マイカーローンでは車の所有権が信販会社や金融機関に留保されている場合、支払いを止めることで車の引き上げが問題になることがあります。

そのため、どの借金を任意整理の対象にするかは、生活への影響も含めて慎重に判断する必要があります。

銀行系ローンと消費者金融系ローンの違い

銀行系ローンと消費者金融系ローンには、審査や保証会社の有無などに違いがあります。

以下の表で整理します。

比較項目銀行系ローン消費者金融系ローン
金利の傾向消費者金融より低めに設定されていることが多い銀行系ローンより高めに設定されていることが多い
審査の特徴保証会社の審査が行われることが多い。銀行カードローンでは、反社会的勢力排除のため警察庁データベース照会も行われる各社の基準で審査される。即日融資に対応する商品もある
保証会社の有無系列の消費者金融や信販会社などが保証会社になっていることが多い一般的には自社で与信・回収を行うことが多い
任意整理時の注意点銀行口座の凍結、預金との相殺、保証会社による代位弁済が問題になることがある口座凍結の問題は起きにくいが、信用情報への登録や将来利息の交渉が問題になる

銀行ローンは任意整理の対象にできますが、銀行口座の凍結や保証会社の代位弁済など、銀行特有の注意点があります。給与振込口座や公共料金の引き落とし口座として利用している銀行のカードローンを整理する場合は、事前に別口座へ変更するなどの対策が必要になるかもしれません。

また、司法書士に依頼する場合は、認定司法書士であっても代理できる範囲に制限があります。借入額や内容によっては弁護士への相談が必要になるため、依頼前に対応範囲を確認しておきましょう。

銀行ローンと消費者金融系ローンの手続きにおける違い

銀行ローンの任意整理が消費者金融と大きく異なる点は、保証会社が関係しているケースが多いことです。

銀行系カードローンでは、銀行が融資を行い、保証会社が返済不能時の保証を担う仕組みになっています。返済が滞ったり、任意整理の手続きが始まったりすると、保証会社が銀行に残債務を立て替えて支払う「代位弁済」が行われる流れになることが多いと考えておきましょう。代位弁済が行われると、債務者は銀行ではなく、保証会社に対して返済義務を負うことになります。

その後の返済交渉も、保証会社との間で進めるケースが一般的です。

銀行ローンの基本的な流れは、次のとおりです。

1.銀行
融資を実行し、返済が難しくなった場合には保証会社から代位弁済を受けることがあります。
2.保証会社
銀行へ残債務を代位弁済した後、債務者に対して求償権に基づく請求を行います。3.債務者
代位弁済後は、保証会社を相手に返済条件の交渉を行うことがあります。

消費者金融からの借入は、借入先である消費者金融と直接交渉するケースが多いです。一方、銀行ローンでは、銀行とは別に保証会社が関係していることがあります。保証会社には、銀行と同じグループの消費者金融や信販会社が指定されているケースも少なくありません。

たとえば、三菱UFJ銀行のカードローン「バンクイック」では、アコム株式会社(通称:アコム)が保証会社とされています。銀行カードローンを任意整理する場合、代位弁済後は、このような保証会社が交渉相手になることがあります。

そのため、銀行ローンを任意整理する際は、銀行名だけでなく、どの保証会社が付いているかも確認しておくことが重要です。

特に注意したいのは、同じ保証会社が関係する別のクレジットカードやローンを利用している場合です。銀行ローンを任意整理した影響が、他の契約に及ぶ可能性があります。

ただし、どの契約にどのような影響が出るかは、保証会社、契約内容、利用状況によって異なります。必ず他の契約も解約されるとは限らないため、事前に弁護士や司法書士へ確認しておきましょう。

銀行ローンを整理する場合は、以下の情報を整理しておくと相談がスムーズです。

・保証会社の有無
・給与振込口座として利用しているか
・同じ銀行に預金残高があるか
・同じ保証会社が関係する他の借入があるか

事前に影響範囲を把握しておくことで、口座凍結や他の契約への影響に備えることができるはずです。

保証会社による代位弁済の仕組み

代位弁済とは、返済が難しくなった債務者に代わって、保証会社が銀行へ残債務を支払う仕組みです。銀行カードローンや一部の銀行ローンでは、保証会社が付いていることが多く、債務者が返済できなくなった場合に、保証会社が銀行へ弁済します。

ただし、代位弁済が行われても借金がなくなるわけではありません。銀行に対して債務者であるあなたの代わりに支払った保証会社が、今度は債務者に対して返済を求める立場になります。

つまり、返済先や交渉相手が銀行から保証会社へ変わるということです。

銀行から保証会社へ債権が移る代位弁済のプロセス

銀行ローンを任意整理する場合、受任通知の送付後、保証会社による代位弁済を経て、交渉相手が銀行から保証会社へ移ることがあります。ただし、具体的な流れや時期は、銀行や保証会社、契約内容によって異なります。

銀行ローンを任意整理する場合、一般的には以下のような流れで進みます。

・1段階目:専門家から銀行へ受任通知を送る
弁護士や司法書士が銀行へ受任通知を送ります。
通知が届くと、本人への直接の督促が制限さます。
・2段階目:銀行が保証会社へ代位弁済を求める
銀行が保証会社に対して、残っている借金の支払いを求めます。
この段階で、対象銀行の口座が一時的に凍結される可能性があります。
・3段階目:保証会社が銀行へ残債務を支払う
保証会社が銀行に残債務を支払います。
これにより、返済先は銀行ではなく保証会社へ移ることになります。
・4段階目:保証会社と返済条件を交渉する
代位弁済後は、保証会社から債務者へ請求が行われます。
その後、保証会社と分割払いの条件や返済期間について交渉することがあります。

つまり、代位弁済が行われると、借金がなくなるわけではなく、返済先が銀行から保証会社に変わるということです。代位弁済が行われるタイミングで、銀行や保証会社から通知が届くのが一般的です。

代位弁済は、借金を帳消しにする手続きではありません。銀行への債務が、保証会社に対する返済義務へ変わる点には注意が必要です。

銀行ローンに保証会社がついている理由とは?

銀行ローンに保証会社・保証協会がついている理由は、銀行が貸し倒れリスクを抑えるためです。

利用者が返済できなくなった場合、保証会社が銀行に残債務を支払う「代位弁済」を行い、その後は保証会社が利用者に返済を求める流れになります。銀行カードローンでは、保証会社が返済不能時に銀行へ返済する役割を担うと説明されています。
わかりやすくいうと、次のような仕組みです。

立場役割
銀行利用者にお金を貸す
保証会社・保証協会利用者が返済できない場合に銀行へ立て替えて支払う
利用者代位弁済後は、銀行ではなく保証会社・保証協会へ返済する

銀行にとっては、保証会社がついていることで「返済不能になっても回収できる可能性が高い」というメリットがあります。

一方、利用者にとっては、銀行の審査だけでなく保証会社の審査も受けることになります。そのため、銀行ローンでは「保証会社の保証を受けられること」が借入条件になっているケースが多いです。

なお、個人向けカードローンでは「保証会社」と呼ばれることが多く、事業者向け融資では「信用保証協会」が関係するケースがあります。信用保証協会は、中小企業金融を支える公的性格のある保証機関です。

つまり、銀行ローンに保証がついているのは、銀行が安心して融資するための仕組みであり、返済できなくなった場合に借金が消える制度ではありません。

任意整理で保証会社と交渉する際のポイント

銀行ローンでは保証会社が関係していることが多いため、代位弁済後は保証会社と返済条件を話し合うことになります。

実務上の交渉では、主に以下のような点を確認・相談します。

・将来利息の扱い
今後発生する利息のカットや軽減を交渉します。
・返済期間の再設定
3〜5年程度を目安に、分割返済の条件を調整します。
・月々の返済額
収入や家計状況を踏まえて、無理のない返済額を相談します。

ただし、将来利息のカットや返済期間の延長は、必ず認められるわけではありません。保証会社の方針、これまでの返済状況、滞納の有無、借入残高等によって、提示される条件は変わります。

また、銀行ローンでは、口座凍結や預金との相殺や、同じ保証会社が関係する他の契約への影響にも注意が必要です。

銀行ローンを任意整理する場合は、保証会社の有無、預金口座の利用状況、他の借入状況を整理したうえで、弁護士や司法書士に相談するとよいでしょう。

任意整理で期待できる3つのメリット

銀行ローンを任意整理することで、返済の負担を見直すきっかけとなるかもしれません。任意整理は、裁判所を通さずに債権者と交渉し、今後の返済条件を調整する手続きです。

ただし、債権者が必ず希望どおりの条件に応じるとは限らないため、効果を正しく理解したうえで進めることが大切です。

任意整理で期待できる主なメリットは、以下の3つです。

1.将来利息のカットを交渉できる
2.受任通知により本人への直接督促が止まる可能性がある
3.家計を見直すための時間を確保できる

将来利息のカットと返済期間の見直しによる負担軽減

任意整理の大きなメリットは、和解成立後の将来利息について、利息のカットや軽減の交渉できることです。交渉がまとまれば、今後は利息を抑え、残った元本を3〜5年程度で分割返済していく計画となります。

たとえば、金利15%で長期間借り入れている場合でも、将来利息を抑えられれば、総支払額や毎月の返済負担を軽減できるかもしれません。

ただし、将来利息のカットは法律上当然に認められるものではなく、債権者との交渉によって決まります。そのため、取引状況、返済実績、滞納の有無、債権者の方針によっては、希望どおりの条件にならないことも理解しておきましょう。

金利15%で長期間借り入れている場合を例に、実際のシミュレーションを見てみましょう。以下のシミュレーションはあくまで一例であり、実際の返済額は債権者との和解内容によって異なります。

借入総額そのまま返済した場合の総額例任意整理で5年返済した場合の例
250万円約356万円
毎月約6.0万円
250万円
毎月約4.1万円
350万円約499万円
毎月約8.3万円
350万円
毎月約5.8万円

このように、将来利息をカットできた場合は、返済総額や月々の負担を抑えられる可能性があります。シミュレーションはあくまで一例であり、実際の返済額は債権者との和解内容によって異なります。

また、任意整理後も元本の返済は続くため、家計に無理のない返済計画を立てることが重要です。

受任通知による督促停止と生活の立て直し

弁護士や認定司法書士に任意整理を依頼すると、各金融機関へ受任通知が送付されます。これによって貸金業者は、受任通知を受け取った後、正当な理由なく本人へ直接取立てを行うことが制限されます。

そのため、電話や督促状による精神的な負担が軽くなり、落ち着いて家計を見直す時間を持てることになるはずです。

ただし、督促が止まるのは、受任通知が相手方に届いた後です。

和解交渉がまとまるまでの期間は、依頼先の方針にもよりますが、返済を一時的に止め、弁護士費用や司法書士費用の積立や、家計の立て直しを行うことになるでしょう。

また、銀行ローンでは、保証会社による代位弁済や口座凍結、預金との相殺など、銀行特有の注意点が生じることがあります。給与振込口座や公共料金の引き落とし口座として利用している銀行のローンを整理する場合は、事前に口座変更や預金残高の確認をしておくことが大切です。

専門家に依頼することで、債権者との対応や手続きを代行してもらえることになり、返済計画を冷静に見直すための時間ができることがメリットといえます。

なお、司法書士に依頼する場合は、認定司法書士であっても代理できる範囲に制限があります。借入額や債権者数によっては弁護士への相談が必要になるため、事前に対応範囲を確認しておきましょう。

銀行ローンを任意整理する場合|特有のデメリットと注意点

銀行ローンを任意整理する際は、銀行口座への影響に注意が必要です。

対象となる銀行に預金口座を持っている場合、弁護士や司法書士から受任通知が届いた後、口座の入出金が一時的に制限される可能性があります。

これは、銀行が預金残高とローン残高を相殺したり、保証会社による代位弁済の手続きを進めたりするためです。ただし、口座凍結の有無や期間は、銀行、預金残高、ローンの契約内容によって異なります。

給与振込口座や公共料金の引き落とし口座として使っている銀行のローンを任意整理する場合は、事前に給与振込先や引き落とし口座を変更しておくことが大切です。生活費を引き出せなくなるリスクに備え、対象銀行に残している預金額も確認しておきましょう。

銀行系保証会社による他契約への影響と注意点

銀行ローンを任意整理する場合、「その銀行ローンだけの問題」と考えるのは危険です。

銀行系カードローンやフリーローンでは、保証会社が付いていることが多く、任意整理後に保証会社が銀行へ代位弁済を行う場合があります。

前述のとおり、代位弁済後は、銀行ではなく保証会社が返済交渉の相手になることがあります。また、同じ保証会社が関係する別のローンやクレジットカードを利用している場合、任意整理の影響が他の契約に及ぶ可能性もあります。

銀行ローンを整理する前には、どの保証会社が付いているか、同じ保証会社が関係する他の契約がないかを整理しておきましょう。

なお、口座凍結は、保証会社による代位弁済が完了した後に解除されることが多いとされています。期間は銀行によって異なりますが、1〜3か月程度かかる事例もあります。

手続き前に給与振込先の変更、公共料金の引き落とし口座の変更、生活費の確保を済ませておくと安心です。

信用情報機関への登録による借り入れへの影響

銀行ローンを任意整理すると、信用情報機関に事故情報として登録される可能性があります。

いわゆる「ブラックリスト」と呼ばれる状態ですが、実際にそのような名簿が存在するわけではなく、信用情報に延滞や債務整理に関する情報が登録されることを指す俗称です。

信用情報に事故情報が登録されている間は、次のような審査で不利になる可能性があります。

・住宅ローンやマイカーローンなどの新規借入
・クレジットカードの新規発行や更新
・スマートフォン端末代金の分割払い
・保証会社を利用する賃貸契約

登録期間は信用情報機関や登録内容によって異なります。

一般的には、契約終了後や完済後から5年程度が一つの目安とされますが、「必ず完済から5年で消える」とは限りません。正確な登録状況を確認したい場合は、CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターなどへ本人開示を行うことをおすすめします。

事故情報が登録されている間は、デビットカード、プリペイドカード、口座振替、現金払いなど、審査を必要としない支払い方法を活用するのが現実的です。なお、家族カードは本会員である家族の審査に基づいて発行されるものですが、発行可否はカード会社の判断によります。

「必ず審査に通る」とは言い切れないものの、信用情報の登録期間が過ぎれば、新たなローンやクレジットカードを申し込める可能性はあります。収入、勤務状況、他の借入状況、過去の取引履歴なども審査で確認されるため、生活再建を優先し、無理な借入を避けることが大切です。

預金口座凍結への対策と準備の手順

銀行ローンを任意整理する場合、対象となる銀行の預金口座が一時的に凍結される可能性があります。口座が凍結されると、生活費を引き出せなくなったり、給与や年金の入金後にすぐ使えなかったりするおそれがあり、注意が必要です。

また、同じ銀行に預金残高がある場合は、借入残高と相殺される可能性もあります。そのため、弁護士や司法書士に依頼する前に、給与振込先や公共料金の引き落とし口座を確認し、生活に支障が出ないよう準備しておくことが大切です。

受任通知の送付前に確認すべき口座変更

銀行ローンを任意整理する場合、弁護士や司法書士から銀行へ受任通知が送られると、その銀行の口座が一時的に使えなくなる可能性があります。

凍結の有無や期間は銀行や契約内容によって異なりますが、給与振込口座や生活費の管理口座として使っている場合は、事前の対策が必要です。

まずは、以下の点を確認しましょう。

・給与振込先
対象銀行以外の口座へ変更できるか、勤務先に確認します。
・預金残高
生活費として必要な金額を、別口座で管理できるようにします。
・公共料金・通信費
引き落とし口座を別口座に変更するか、払込票払いに切り替えます。
・クレジットカード払い
対象銀行口座からの引き落としになっていないか確認します。

「受任通知の何日前までに変更すれば必ず安全」とは言い切れません。勤務先や各事業者の処理には時間がかかるため、任意整理を依頼する前に、できるだけ早めに口座変更を進めておくことが重要です。しかし、給与振込先を変更する場合、勤務先へ任意整理の事実を伝える必要は通常ありません。

「家計管理のためにメイン口座を変更したい」「利用している銀行をまとめたい」など、事実に反しない範囲で手続きをすれば十分です。虚偽の説明をしたり、必要以上に詳しい事情を話したりする必要はありません。

公共料金や通信費の支払い方法の切り替え手順

口座凍結によって公共料金や通信費の引き落としができなくなると、電気・ガス・水道・携帯電話などの支払いに遅れが出る可能性があります。そのため、任意整理の対象となる銀行口座を引き落としに使っている場合は、早めに支払い方法を切り替えておきましょう。

具体的には、以下のような流れになります。

1.現在の引き落とし状況を整理する
現在の引き落とし先、引き落とし日、金額を一覧にしましょう。
2.支払い先を確認する
電気・ガス・水道・携帯電話・保険料など、毎月支払いが発生するものを確認します。
3.支払い方法を変更する
引き落とし口座を別口座へ変更する、または払込票払いに切り替えます。
4.変更完了まで旧口座の請求を確認する
変更が完了するまでは、旧口座に請求がかからないか確認しましょう。
5.払込票が届いたら期日までに支払う
払込票が届いた場合は、期日までにコンビニや金融機関で支払いましょう。

支払い方法の変更には、数週間程度かかることがあります。切り替えが完了するまでは、請求書や払込票が届いていないか確認し、支払い漏れを防ぎましょう。

万が一、支払いが遅れそうな場合は放置せず、各事業者へ連絡して支払い予定日を伝えることが大切です。

銀行ローンを任意整理する際は、口座凍結そのものを完全に避けられるとは限りません。しかし、給与振込先の変更、生活費の確保、公共料金の支払い方法の変更を事前に行うことで、生活への影響を最小限に抑えることができます。

依頼前に、対象銀行の口座状況を弁護士や司法書士へ共有し、どのタイミングで受任通知を送るか相談しておきましょう。

住宅ローンや他のローンへの影響

任意整理をすると、住宅ローンやマイカーローンなど、他の大切なローンにまで影響が出るのではないかと不安に感じる方は多いでしょう。

任意整理は、自己破産や個人再生のように裁判所を通じてすべての債務を整理する手続きとは異なり、整理する借入先を選んで交渉できる点が特徴です。

そのため、住宅ローンや車のローンを任意整理の対象から外し、返済を続けながら、カードローンやクレジットカードの借入だけを整理することも検討できます。

ただし、対象から外したローンにまったく影響が出ないとは限りません。

任意整理をすると信用情報に事故情報が登録される可能性があるため、新規借入、借換え、クレジットカードの更新、ローンの追加利用などに影響することがあります。

また、銀行ローンを整理する場合は、口座凍結や預金との相殺、保証会社による代位弁済などにも注意が必要です。

住宅ローンを残しながら銀行カードローンを整理する方法

任意整理では、整理する対象を選べるため、住宅ローンを対象から外して返済を続けることができます。

住宅ローンを継続して支払い続けられる場合、自宅を維持しながら、負担の大きいカードローンやクレジットカードの返済条件を見直せる可能性があります。ただし、住宅ローンを対象から外せば、必ず自宅に影響が出ないというわけではありません。

住宅ローンの返済が遅れれば、当然ながら自宅を失うリスクがあります。

また、住宅ローンと同じ銀行のカードローンを任意整理する場合、その銀行の預金口座が凍結されたり、預金残高とカードローン残高が相殺されたりするかもしれません。

給与振込口座や住宅ローンの返済口座として同じ銀行を利用している場合は、特に注意が必要です。

生活基盤を維持しながら任意整理を進めるためには、以下の点を確認しておきましょう。

・住宅ローンは任意整理の対象から外し、これまで通り返済を続ける
・住宅ローンと同じ銀行のカードローンを整理する場合は、口座凍結や相殺の可能性を確認する
・給与振込先や公共料金の引き落とし口座が対象銀行になっていないか確認する
・住宅ローンの借換えや追加融資を予定している場合は、信用情報への影響を考慮する

なお、同じ銀行のカードローンを任意整理した場合でも、住宅ローンにどのような影響が出るかは、銀行、保証会社、契約内容、返済状況によって異なります。

そのため、自己判断で進めず、弁護士や司法書士に事前に相談することが重要です。

任意整理後にクレジットカードや新規ローンを利用できる時期

任意整理後しばらくは、新しいクレジットカードを作ったり、新規ローンを組んだりするのが難しくなります。

任意整理をすると、信用情報機関に事故情報や債務整理に関する情報が登録される可能性があり、審査で不利になりやすいためです。再びローンやクレジットカードを利用できるようになる時期は、信用情報機関や登録内容によって異なります。

一般的には、契約終了後や完済後から5年程度が一つの目安とされますが、「必ず完済から5年で消える」とは断言できません。

正確に確認したい場合は、CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターなどに本人開示を行い、事故情報が残っているかを確認しましょう。

信用情報に事故情報が登録されている間は、以下のような審査で不利になる可能性があります。

・住宅ローンやマイカーローンなどの新規借入
・クレジットカードの新規発行や更新
・スマートフォン端末代金の分割払い
・保証会社を利用する賃貸契約

また、信用情報から事故情報が削除された後でも、過去に任意整理の対象にした金融機関では、社内情報により審査が不利になる可能性があります。

このような状態は一般に「社内ブラック」と呼ばれることがありますが、法律上の正式な用語ではなく、各社の情報保有期間や審査基準も公表されていません。「過去に整理した会社では必ず審査に通らない」とは断定できませんが、新たにカードやローンを申し込む場合は、過去に任意整理の対象にしていない金融機関を検討するのも一つの方法です。

信用情報が回復するまでの間は、デビットカード、プリペイドカード、口座振替、現金払いなど、審査を必要としない支払い方法を活用しましょう。

失敗しないための専門家選びと相談

銀行ローンの任意整理を安全に進めるには、弁護士や司法書士などの専門家に相談するのが安心です。

個人で交渉することも不可能ではありませんが、手続きの流れや影響範囲を正確に把握しないまま進めると、生活口座や他の契約に影響が出るおそれがあります。

弁護士や司法書士への相談と選び方

専門家に依頼すれば必ず希望どおりに解決できる、というわけではありません。

任意整理は債権者との交渉によって返済条件を見直す手続きであり、保証会社の方針、借入残高、滞納状況、これまでの返済実績によって結果が変わります。

そのため、銀行ローンや保証会社が関係する債務整理に対応した経験がある事務所を選ぶことが大切です。

事務所を選ぶ際は、以下の点を確認しましょう。

・銀行ローンや保証会社が関係する任意整理の対応経験があるか
・口座凍結や預金相殺への事前対策を説明してくれるか
・費用の総額、分割払いの可否、支払い時期を明確に説明してくれるか
・弁護士または司法書士が直接状況を確認してくれるか
・任意整理だけでなく、個人再生や自己破産も含めて提案してくれるか

特に、給与振込口座や生活費の引き落とし口座として銀行を利用している場合は、口座凍結への備えが重要です。

相談時には、借入先、残高、保証会社、利用中の銀行口座、給与振込先、他のローンやクレジットカードの状況を整理しておくと、より具体的なアドバイスを受けやすくなります。

初回相談を無料で実施している事務所もありますが、費用体系は事務所によって異なるため、事前に確認しておくことが重要です。複数の事務所に相談する場合は、費用の安さだけでなく、説明の分かりやすさ、対応範囲、銀行ローン特有のリスクに対する知識も比較しましょう。

まとめ

銀行系カードローンの返済が苦しくなった場合、「銀行からの借入は任意整理できるのか」と不安に感じる方もいるでしょう。結論からいうと、銀行系カードローンも任意整理の対象にできる場合があります。任意整理では、弁護士や司法書士が債権者と交渉し、将来利息のカットや返済期間の見直しを目指します。ただし、銀行系カードローンには消費者金融とは異なる注意点があります。

多くの銀行系カードローンには保証会社が付いており、任意整理を始めると保証会社が銀行へ残債務を支払う「代位弁済」が行われることがあります。その後は、銀行ではなく保証会社と返済条件を話し合う流れになるのが一般的です。また、借入先の銀行に預金口座を持っている場合、受任通知の到着後に口座が一時的に凍結されたり、預金と借入残高が相殺されたりする可能性もあります。給与振込や公共料金の引き落としに使っている口座であれば、事前の準備が重要です。

さらに、任意整理をすると信用情報に事故情報が登録される可能性があり、一定期間は新規ローンやクレジットカード、スマホの分割払いなどの審査で不利になりやすくなります。銀行系カードローンを任意整理する際は、保証会社の有無、口座凍結のリスク、他の契約への影響を確認したうえで、弁護士や司法書士へ早めに相談しましょう。

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債務整理実績1万5821(2019年4月調べ)

その実績が認められ、日経産業新聞に掲載されました。(2012年4月27日)

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