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任意整理は離婚に影響する?借金・慰謝料・債務整理の問題と相談を解説

Last Updated on 2026年5月30日 by 監修者:司法書士 藤田太

任意整理を検討している方の中には、「離婚に影響するのではないか」「慰謝料や養育費の支払いはどうなるのか」と不安に感じる方もいるでしょう。任意整理は、借金の返済条件を見直すための債務整理の手続きであり、離婚そのものができなくなるわけではありません。ただし、夫婦の共有財産や慰謝料、養育費、家計への影響など、状況によって注意すべき点は異なります。この記事では、任意整理が離婚に与える影響や、借金・慰謝料との関係、トラブルを避けるための相談先についてわかりやすく解説します。

現状に照らし合わせて最適な解決策を見つけていきましょう。

債務整理と離婚の基本知識

借金と離婚の問題は、返済、生活費、財産分与、養育費、慰謝料などが関係するため、慎重に整理する必要があります。特に、債務整理の方法によっては、離婚後の生活設計や財産分与の対象となる財産に影響が出る場合があります。まずは債務整理の基本的な仕組みを理解し、離婚協議にどのような影響があるのかを確認しておきましょう。

任意整理が離婚手続きに与える影響と注意点

任意整理とは、弁護士や司法書士が債権者と交渉し、将来利息のカットや返済期間の見直しなどを目的とする手続きです。一般的には、3〜5年程度での分割返済を前提に和解を目指しますが、必ず元本だけの返済になるとは限らず、債権者や借入状況によって結果は異なります。

任意整理によって毎月の返済負担が軽くなれば、離婚後の生活費や養育費の支払いについて、現実的な計画を立てやすくなる可能性があります。ただし、任意整理をしたからといって、養育費や慰謝料の支払義務そのものが免除されるわけではありません。

・返済額の見直し:毎月の返済負担が軽減されれば、生活費や養育費の原資を確保しやすくなる可能性がある
・手続きの非公開性:裁判所を通さない手続きのため、自己破産や個人再生に比べて周囲に知られにくい傾向がある
・財産への影響:原則として財産を処分する手続きではないため、家や車などを維持しながら進められる場合がある
・督促の停止:専門家が受任通知を送ることで、貸金業者からの直接の督促が止まるのが一般的
・信用情報への影響:一定期間、新たなローン契約やクレジットカードの作成が難しくなる

任意整理は、毎月の返済額や返済期間を見直し、家計の負担を軽くするための手続きです。返済の見通しが立つことで、離婚時にも養育費や生活費をどのように支払っていくか、現実的な話し合いがしやすくなります。

自己破産や個人再生が離婚後の生活に及ぼす影響

自己破産や個人再生は、借金を大きく減額・免除できる可能性がある一方で、財産や信用情報、離婚後の生活設計に影響する場合があります。任意整理よりも効果が大きい反面、裁判所を利用する手続きであるため、事前に専門家へ相談し、自分の状況に合った方法を選ぶことが大切です。

比較項目自己破産個人再生
借金の減免免責許可を受けることで、多くの借金の支払義務が免除される可能性がある再生計画に基づいて一定額を返済し、残りの借金の免除を受けられる可能性がある
財産への影響一定以上の価値がある財産は、処分対象になる場合がある原則として財産を処分する手続きではないが、清算価値以上の返済が必要になる
住宅への影響住宅ローンが残る自宅は、維持が難しくなる場合がある住宅資金特別条項を利用できれば、マイホームを維持できる可能性がある
官報への掲載住所・氏名が官報に掲載される自己破産と同様に、住所・氏名が官報に掲載される
職業への影響手続き中、一部の資格・職業に制限が生じる場合がある原則として資格制限はない
信用情報への影響一定期間、新たな借入れやクレジットカードの利用が難しくなる自己破産と同様に、一定期間は審査に影響する

自己破産では、債務者名義の不動産や高価な車などが処分対象となる場合があり、財産分与の対象となる資産が減少する可能性があります。一方で、個人再生では住宅を維持できる可能性がありますが、継続的な収入が必要であり、再生計画に沿った返済を続けなければなりません。

離婚と債務整理を同時に検討する場合は、借金の名義、財産の所有者、住宅ローンの有無、養育費や慰謝料の支払い見込みなどを総合的に確認する必要があります。判断を誤ると、離婚後の生活に大きな影響が出る可能性があるため、早めに弁護士や司法書士へ相談することが重要です。

離婚と債務整理の優先順位

配偶者の借金問題と離婚手続きのどちらを先に進めるべきかは、家計の状況、借金の名義、夫婦の共有財産の有無、相手に返済や生活改善の意思があるかによって異なります。

借金は原則として借りた本人が返済するものですが、生活費のための借入れや連帯保証がある場合には、配偶者にも影響が及ぶ可能性があります。そのため、離婚と債務整理を同時に検討している場合は、どちらか一方を急いで決めるのではなく、現在の家計状況と今後の生活設計を整理したうえで判断することが大切です。

たとえば、以下のように状況に応じて進め方を検討するとよいでしょう。

・配偶者が浪費を繰り返し、話し合いができない場合→離婚手続きや別居を先に検討する
・夫婦の貯金や子どものための資金が使い込まれるおそれがある場合→財産の保全や離婚協議を優先して相談する
・配偶者に借金を解決する意思があり、専門家への相談にも応じる場合→債務整理を先に検討する
・借金返済が家計を圧迫し、養育費や生活費の確保が難しい場合→債務整理による返済計画の見直しを検討する

離婚を先に検討すべき具体的なケース

配偶者の借金癖が深刻で、家計の改善が見込めない場合は、離婚手続きや別居を先に検討した方がよいケースがあります。借金がさらに増える前に、生活費や子どものための資金を守るための対応が必要になることもあります。

具体的には、以下のようなケースです。
・ギャンブルや浪費をやめず、借金が増え続けている
・夫婦の共有貯金や子どもの学資保険を勝手に使われるおそれがある
・督促や請求が自宅に届き、子どもや家族の生活に悪影響が出ている
・配偶者が借金問題の重大さを理解せず、専門家への相談を拒否している
・共有財産が残っており、財産が減る前に財産分与について話し合いたい

このような場合は、離婚協議や別居を進めることで、今後の生活費や財産の管理を分けやすくなる可能性があります。ただし、夫婦の一方が負った借金でも、生活費など日常家事に関する債務や連帯保証がある場合には、配偶者に支払義務が及ぶかもしれません。そのため、自己判断で進めるのではなく、弁護士などの専門家に相談しながら対応することが重要です。

債務整理を優先して家計を立て直すべきケース

一方で、配偶者が借金問題を反省し、返済や生活改善に向けて真剣に取り組む意思がある場合は、債務整理を先に検討することで、家計の立て直しにつながる可能性があります。

具体的には、以下のようなケースです。
・毎月の返済負担を見直すことで、生活費や養育費の原資を確保しやすくなる
・専門家に相談することで、借金の総額や債権者の数を整理できる
・借金の全体像がわかることで、財産分与や離婚後の生活設計を考えやすくなる
・住宅ローンがある場合、自宅を残せる方法がないか検討できる
・専門家が間に入ることで、督促への対応や債権者との交渉を任せられる

債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産などの方法があります。任意整理では、債権者と交渉して将来利息のカットや返済期間の見直しを目的とします。個人再生では、継続的な収入がある場合に、裁判所を通じて借金を大幅に減額し、原則3年程度で返済する計画を立てます。自己破産では、免責許可を受けることで多くの借金の支払義務が免除される可能性があります。

ただし、自己破産をしても、養育費など一定の支払義務は免除されません。養育費は子どもの生活を支えるための重要なお金であり、債務整理とは別に考える必要があります。一方で、支払義務が残るとしても、相手の収入や生活状況によって実際に支払える金額は変わるため、無理のない金額を取り決めることが大切です。

離婚と債務整理のどちらを先に進めるべきかは、借金の内容や家計状況によって異なります。配偶者の浪費が続いている場合は生活を守る対応を優先し、返済計画を見直せば家計を立て直せる場合は債務整理を先に検討するなど、状況に応じた判断が必要です。早い段階で弁護士や司法書士に相談し、離婚後の生活に支障が出ない方法を確認しましょう。

夫から養育費を受け取りやすくする方法

離婚後の生活を安定させるためには、養育費の金額を決めるだけでなく、未払いが起きたときに対応できるよう準備しておくことが大切です。養育費は子どもの生活や教育を支えるためのお金であり、夫が債務整理をした場合でも、原則として支払義務がなくなるわけではありません。ただし、相手に十分な収入や財産がなければ、実際の回収が難しくなることもあります。そのため、離婚前の段階で支払条件を書面化し、勤務先や振込口座などの情報を整理しておくことが重要です。

債務整理後も養育費の支払い義務が残る法的根拠

夫が債務整理や自己破産をした場合でも、養育費の支払義務は原則として残ります。養育費は、「非減免債権」と呼ばれるもので、子どもの生活や教育に必要な費用であり、一般的な借金とは性質が異なるためです。

養育費が重要とされる理由は、主に以下のとおりです。
・子どもの生活、教育、医療などに必要な費用である
・親である以上、離婚後も子どもを扶養する義務がある
・自己破産をしても、養育費など一定の支払義務は免除されない
・債務整理とは別に、子どもの生活を守るための費用として扱われる

ただし、養育費の支払義務が残ることと、実際に十分な金額を回収できることは別問題です。相手の収入が減った場合や無職になった場合には、支払いが滞る可能性もあります。そのため、養育費の取り決めは口約束で済ませず、公正証書や調停調書など、強制執行につながる形で残しておくことが大切です。

公正証書だけでは不十分な場合もある|未払いに備えるための対策

養育費について、強制執行認諾文言付きの公正証書を作成しておけば、未払いが発生した場合に給与や預貯金などを差し押さえられる可能性があります。ただし、相手に収入や財産がない場合には、強制執行をしても十分に回収できないこともあり、対策が必要です。

そのため、公正証書を作成するだけでなく、支払いが滞った場合に備えて、次のような情報や対策を準備しておきましょう。

・離婚前に、夫の勤務先、給与振込口座、利用している金融機関などを把握しておく
・養育費の金額、支払日、支払方法、支払期間を具体的に決めておく
・合意内容は口約束ではなく、強制執行認諾文言付きの公正証書に残す
・話し合いが難しい場合は、家庭裁判所の調停を利用する
・未払いが生じた場合に備え、自治体の養育費相談や弁護士への相談先を確認しておく
・必要に応じて、民間の養育費保証サービスの利用も検討する
・祖父母など親族に協力を求める場合は、あくまで任意の協力であり、当然に支払義務があるわけではない点に注意する

養育費は、取り決めた内容をきちんと書面に残し、未払い時の対応まで想定しておくことが重要です。相手が支払えなくなる可能性も踏まえ、離婚前から情報を整理し、専門家に相談しながら準備を進めることが、子どもの生活を守ることにつながります。

財産分与と借金の取り扱い

離婚時の財産分与では、預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、住宅ローンや生活費のための借入れなど、マイナスの財産も問題になります。ただし、すべての借金が夫婦で分担すべきものになるわけではありません。借金の名義、使い道、夫婦生活との関係を整理し、どの借金を財産分与の計算に含めるべきかを確認することが大切です。

夫の浪費による借金を背負わないために集めておきたい証拠

夫の個人的な浪費による借金は、夫婦共同の負債とは扱われない可能性もあります。そのため、借金の使い道を説明できる客観的な資料を残しておくことが重要です。

ステップ1: クレジットカードの利用明細や督促状のコピー・画像
ステップ2: パチンコ店付近のATMでの頻繁な引き出しがわかる通帳記録
ステップ3: ギャンブルサイトや浪費に関する利用履歴など、合法的に確認できる資料
ステップ4: 借金の原因が浪費であることを認めたLINE、メール、録音データ

証拠集めは、違法な方法や無断でのログインを避け、同居中に確認できる範囲の資料を整理しておくことが大切です。

夫婦共有財産から借金を差し引く場合の計算のルール

財産分与では、共有財産から夫婦生活のために生じた借金を差し引いて、分割額を計算することがあります。ただし、借金の目的に応じて扱いは異なります。

借金の性質具体的な理由財産分与における扱い
夫婦共同の借金住宅ローン、教育ローン、生活費の補填プラスの財産から差し引いて計算する場合がある
個人的な借金ギャンブル、浪費、個人的な趣味のための借入れ原則として借りた本人が負担する方向で整理されやすい

【夫婦共同の借金として扱われる場合の計算例】

夫の預貯金400万円、妻の預貯金100万円、共同の借金200万円の場合。

総資産500万円から借金200万円を差し引くと、財産分与の対象額は300万円です。これを2分の1ずつ分けると、妻の取り分は150万円になります。妻がすでに100万円を持っている場合、差額の50万円を夫から受け取る形になります。

連帯保証人になっている場合のリスク

離婚時に特に注意したいのが、住宅ローンや事業資金などで連帯保証人になっているケースです。連帯保証は、夫婦関係とは別に金融機関などと結んだ契約であるため、離婚しただけで責任がなくなるわけではありません。相手が返済できなくなった場合、自分に請求が来る可能性があるため、離婚前に確認しておく必要があります。

離婚しても連帯保証人から自動的に外れるわけではない

離婚が成立しても、住宅ローンなどの連帯保証人から自動的に外れるわけではありません。離婚は夫婦関係を解消する手続きですが、連帯保証は金融機関との契約であり、別の問題として扱われるためです。

連帯保証人のままだと、次のようなリスクがあります。
・夫が債務整理をした場合、残った借金の支払いを求められる可能性がある
・夫が返済を滞納した場合、妻に督促が届いたり、財産に対して法的手続きが取られたりする可能性がある
・連帯保証人として支払いができないと、自分の信用情報に影響する可能性がある

連帯保証人は、借りた本人とほぼ同じように返済責任を負う立場です。そのため、離婚前に契約内容を確認し、保証人から外れる方法や借り換え、売却などの対応策を検討しておくことが大切です。

保証人としての返済責任を軽くするためにできること

一度連帯保証人になると、離婚しただけでは簡単に外れることはできません。
ただし、状況によっては次のような方法で対処できる場合があります。

・夫の親族など、収入や資産がある人に代わりの保証人になってもらう
・夫だけの名義でローンを借り換え、今の借金を完済する
・住宅ローンの場合は、不動産を売却したり、任意売却を行ったりして借金を整理する

ただし、これらの方法を進めるには、金融機関の審査や同意が必要です。自分たちだけで交渉するのが難しい場合もあるため、離婚届を出す前に弁護士などの専門家へ相談し、現実的に取れる方法を確認しておきましょう。

借金と子供の親権・将来への影響

親に借金や債務整理の経験があると、子供の進学や就職、親権に悪影響が出るのではないかと不安に感じる方もいるでしょう。しかし、親に借金があるだけで、直ちに子供の将来や親権に不利益が出るわけではありません。大切なのは、子供の生活環境を安定させ、必要な費用を確保できる見通しを立てることです。

親の債務整理は、子供の進学や就職に影響する?

親が債務整理をして、いわゆるブラックリストに載ったとしても、その情報が子供の信用情報に登録されるわけではありません。そのため、親の借金や債務整理が、子供の進学や就職に直接影響することは基本的にはありません。

たとえば、次のような場面では、原則として子供本人の情報が重視されます。
・奨学金の利用:子供本人名義の奨学金であれば、親の信用情報だけで利用できなくなるとは限らない
・カード作成:子供が成人してクレジットカードを作る場合、基本的には本人の信用情報が審査される
・就職活動:企業が応募者の親の信用情報を通常確認することはできない
・進学や入学審査:親の借金だけを理由に、入学を断られる可能性は低い

ただし、親名義で教育ローンを組む場合や、親が保証人になる必要がある場合は、親の信用情報が審査に影響する可能性があります。その場合は、子供本人の奨学金や、保証人を立てずに利用できる機関保証制度なども検討しましょう。

借金があると親権は取れない?

借金があるからといって、必ず親権を失うわけではありません。
親権を決めるときに重視されるのは、「子供が安心して生活できる環境を用意できるかどうか」です。

主に、次のような点が見られます。
・これまで誰が主に子供の世話をしてきたか
・子供を育てる意思や愛情があるか
・親自身の健康状態や生活環境が安定しているか
・収入、養育費、公的支援などで生活を続けられる見込みがあるか

借金があっても、家計を整理し、子供を育てられる環境を整えられるのであれば、親権者になれる可能性はあります。まずは生活費や住まい、子供の通園・通学環境などを整え、不安がある場合は弁護士などに相談しましょう。

住宅ローンが残る場合の離婚手続き

離婚時に住宅ローンが残っている場合は、家の名義、ローン名義、連帯保証の有無、現在の不動産価値を確認することが重要です。家を売るのか、どちらかが住み続けるのかによって、離婚後の生活や返済リスクが大きく変わります。まずはローン残高と売却査定額を比較し、無理のない方法を検討しましょう。

任意売却を検討すべきタイミングと残債処理

住宅ローンの残高が家の売却査定額を上回る「オーバーローン」の場合、通常売却が難しく、任意売却を検討した方が良いことも考えられます。

・アンダーローンの場合: 通常の売却手続きでローンを完済し、残った利益を財産分与の対象として分ける
・オーバーローンの場合: 金融機関と相談し、任意売却を行ったうえで、残った借金の返済方法を再検討する。返済が難しい場合は債務整理も選択肢になる

任意売却は、競売より高値で売れる可能性があるため、離婚後の残債負担を軽減できるかもしれません。

家を売るか住み続けるかの判断基準と注意点

家を売却して清算するか、一方が住み続けるかは、離婚後も無理なく返済を続けられるかで判断します。

・夫婦のどちらにも、ローンを単独で支払い続ける十分な収入がない場合は売却を検討する
・夫名義のローンを妻名義へ借り換えるには、妻自身の安定収入や信用力が必要になる
・夫が返済を続ける約束をしても、滞納が続けば家を失うリスクがある

自分と子どもの生活基盤を守るためには、無理に家を残すのではなく、売却して新居へ移る選択が現実的な場合もあります。

借金を理由とした慰謝料請求の条件

配偶者に借金があるだけで、必ず慰謝料を請求できるわけではありません。慰謝料が問題になるのは、借金の原因や使い道が悪質で、夫婦関係を壊した原因といえる場合です。借金額だけでなく、浪費の内容、生活費への影響、隠し事の有無などを整理しておきましょう。

借金が離婚理由として問題になりやすい具体例

単に借金があるというだけでは、慰謝料が認められにくいのが現実です。裁判で問題にするには、借金によって婚姻関係が破綻したことを説明できる事情が必要です。

・ギャンブルや風俗など、個人の遊興費を目的とした多額の借金
・生活費を家に入れず、自分の娯楽のために無断で繰り返した借入れ
・妻のクレジットカードや夫婦の共有財産を勝手に使って作った借金

単純な借金額以上に、「借金によって夫婦の信頼関係がどれほど壊れたか」が重要な判断材料になります。

借金単体で慰謝料が認められにくい現実と対策

慰謝料請求を検討するには、夫の身勝手な借金が原因で婚姻関係が破綻したことを示す資料が重要です。

・キャッシング履歴や利用明細を確認し、個人の浪費である事実を整理する
・生活費を渡されなかった期間の家計簿や、妻の財産から補填した記録を残す
・夫が自らの浪費と借金を認めたLINEのやり取りや音声録音を保存する
・借金トラブルによるストレスで心身に不調が出た場合、診断書を取得する

客観的な証拠をそろえておくことで、夫の借金や浪費が夫婦関係に与えた影響を具体的に示すことができるようになります。

婚姻費用と生活費の分担ルール

離婚前に別居する場合でも、夫婦には生活費を分担する義務があります。別居中の生活費や子どもの費用は「婚姻費用」と呼ばれ、収入の多い側が少ない側へ支払う形になるのが一般的です。別居後の生活に困らないよう、早めに金額や請求方法を確認しておきましょう。

調停を待たない|別居前に生活費を確保する手順

離婚を前提に別居を開始すると、夫が生活費の送金を止める可能性があります。当面の生活困窮を防ぐため、家を出る前に準備を進めましょう。

手順1: 別居日までに共有財産となる預貯金残高を記帳し、証拠として残す
手順2: 生活費の引き落とし先を、自身が管理できる口座へ変更する
手順3: 必要な生活費を確保する場合も、過度な引き出しは避ける
手順4: 持ち出した現金や移動した金額の記録を残し、後の清算に備える

過度な引き出しはトラブルの原因となるため、必要最小限の確保にとどめてください。

別居中の生活費を確保する婚姻費用分担請求

別居中の生活費である婚姻費用は、夫婦や子どもの生活を守るために重要な費用です。支払いを受けるための手順は以下の通りです。

STEP1: 算定表を参考に、妥当な請求金額を確認する
STEP2: 内容証明郵便などを利用し、夫へ婚姻費用を書面で請求する
STEP3: 支払いに応じない場合、速やかに家庭裁判所へ調停を申し立てる

婚姻費用は、請求した時点以降の分が考慮されることが多いため、別居を始めたら早めに請求の意思を形に残しましょう。

弁護士や司法書士に相談するメリット

離婚と借金の問題が重なると、財産分与、住宅ローン、養育費、婚姻費用、債務整理を同時に考える必要があります。自分だけで判断すると、後から不利な条件に気づくこともあります。借金と離婚条件の両方を整理するためにも、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

専門家に依頼すると督促が止まり、落ち着いて対応しやすくなる

弁護士や司法書士に債務整理を依頼すると、専門家から貸金業者などへ「受任通知」が送られます。これにより、貸金業者から本人への直接の督促や取り立ては、原則として止まります。

督促が止まると、次のようなメリットがあります。
・電話や郵便による取り立ての不安が軽くなる
・落ち着いて家計や返済計画を見直しやすくなる
・当面の生活費を確保しやすくなる
・精神的な負担が減り、離婚について冷静に考えやすくなる

借金の督促に追われている状態では、離婚や生活再建について落ち着いて判断するのが難しくなります。まずは督促への不安を減らし、今後の対応を整理するためにも、早めに専門家に相談しましょう。

無料相談を活用するために準備しておきたいこと

無料相談の時間を有効に使うためには、事前に状況を整理しておくことが大切です。
次のような情報を、わかる範囲でメモしておきましょう。
・借入先、借金の残高、毎月の返済額
・夫婦それぞれの手取り収入と毎月の生活費
・預貯金、保険、自宅の価値などの共有財産
・親権、養育費、住まいなど、離婚で希望する条件

すべての資料を完璧にそろえる必要はありません。現時点でわかる情報を書き出しておくだけでも、専門家に状況を伝えやすくなります。まずは相談を通じて、借金と離婚の問題をどの順番で解決すべきか確認しましょう。

まとめ

任意整理を検討している方の中には、「離婚に不利になるのではないか」「慰謝料や養育費の支払いに影響するのではないか」と不安に感じる方もいるでしょう。任意整理は、債権者と交渉して将来利息のカットや返済期間の見直しを目指す手続きであり、離婚そのものを制限するものではありません。

ただし、借金の内容や家計の状況によっては、離婚協議に影響する場合があります。たとえば、夫婦の生活費のために作った借金なのか、ギャンブルや浪費など個人的な理由による借金なのかによって、財産分与での扱いが変わる可能性があります。また、住宅ローンや連帯保証がある場合は、離婚後も返済責任が残ることがあるため注意が必要です。

一方で、任意整理によって毎月の返済負担を軽くできれば、離婚後の生活費や養育費について現実的な話し合いをしやすくなることもあります。ただし、任意整理をしても養育費や一部の慰謝料の支払義務が当然になくなるわけではありません。

離婚と借金の問題は、財産分与、養育費、慰謝料、住宅ローンなど複数の問題が関係します。自己判断で進めると、後から不利な条件に気づくこともあるため、早めに弁護士や司法書士へ相談し、自分に合った解決方法を確認することが大切です。

くすの木総合法務事務所では、借金問題の専門家として電話やメール、LINEでのご相談を無料で受付中です。電話相談は24時間可能ですので、まずはお気軽にご相談いただきたいと思います。

債務整理実績1万5821(2019年4月調べ)

その実績が認められ、日経産業新聞に掲載されました。(2012年4月27日)

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