任意整理のメリット・デメリット
メリット
- 周囲の人間に知られにくい任意整理は裁判所を通さない手続きですので、裁判所からの通知により家族に借金が発覚することがありません。また、破産や再生と違って官報に載ることもありませんので、周囲の人間には知られにくい方法であるといえます。
- 債権者からの請求が止まる弁護士・司法書士に依頼した場合にはその時点で貸金業者の取立て行為が規制されるため、一番つらい借金の取立て、連絡等が止まります。
- 今ある借金の総額を減らせる場合がある消費者金融など、法定利率以上の利率で利息を取っている場合、利息制限法による金利へ引き直し計算をしてから交渉をするため、このような業者と取引をしている方であれば、債務総額の減額が見込めます。
利息制限法の利率の表を以下に掲載しておきますので、これ以上の利息を設定している債権者から借金をしている場合、借金の総額が減らせる可能性があります。
また、場合によっては減額にとどまらず、払い過ぎの状態(いわゆる過払い)が判明することもあります。
<参考>過払いとは
利息制限法による適正利率
10万円未満 年20%
10万円以上~100万円未満 年18%
100万円以上 年15% - 今後の支払いの総額が減らせる場合があるかなり長期にわたる支払いの滞納があったなどの特別な事情がない限り、その方の事情に応じて利息の減免交渉も行います。したがって通常の返済よりも今後の支払い総額が減ることになります。
- 保証人に迷惑を掛けないですむ可能性がある任意整理では、破産などの裁判所を使った手続きと違い、整理をする債権者を選択することができます。例えば、保証人がいる債権者については通常通り支払い、そうでない債権者を整理すれば、保証人に迷惑をかけずにかつ他の支払いが楽になります。そのため完済の可能性がグッと高まるのです。
デメリット
- 5年から7年程度新たな借金ができなくなる。一度任意整理に着手してしまうと、5年から7年程度信用情報機関に事故情報として残ってしまうため(いわゆるブラックリストに載った状態)、その間は新たな借金ができなくなります。ただし、これは任意整理、自己破産、個人民事再生、特定調停の手続き全てに共通していえるデメリットであり、任意整理固有のデメリットではありません。なお、その期間を経過すれば、通常通り新たな借金も可能です。
- 借金の額があまり減らない場合があるもともとの約定金利が利息制限法の範囲内である場合や、範囲外であっても取引期間が短い場合、借金の額があまり減らないことがあります。ただし、こういった場合であっても無理のない返済計画の組みなおしや、将来の利息についての減免交渉をすることで、最終的には完済の可能性を高めるメリットがあります。