個人民事再生のメリット・デメリット
メリット
- 債務の大幅な減額が可能原則として、引き直し後の債務は支払わなければならない任意整理と異なり、個人民事再生では上記の通り債務の大幅な減額が可能です。
- 債権者からの請求が止まる弁護士・司法書士に依頼した場合にはその時点で貸金業者の取立て行為が規制されるため、一番つらい借金の取立て、連絡等が止まります。
- マイホームなどの財産を失う心配がない自己破産と違い、マイホームなどの財産は手元に残しておくことが可能です。ただし、住宅ローンについては従来どおり支払わなければなりませんし、その他の財産価値が高い場合、その金額以下には債務の額を減らせません。
- 借金の理由を問われない自己破産の場合、借金の理由によっては免責が許可されず、申し立てが失敗に終わる可能性があります。(免責不許可事由)しかし、個人民事再生の場合借金の理由は問われず、たとえギャンブルによる借金等であっても原則として制度の利用が可能です。
- 資格制限がない自己破産の場合、いくつかの資格制限がありますが、個人民事再生の場合この制限がありません。(自己破産)
デメリット
- 5年から7年程度新たな借金ができなくなる一度債務整理に着手してしまうと、5年から7年程度信用情報機関に事故情報として残ってしまうため(いわゆるブラックリストに載った状態)、その間は新たな借金ができなくなります。ただし、これは任意整理、自己破産、個人民事再生、特定調停の手続き全てに共通していえるデメリットであり、個人民事再生固有のデメリットではありません。なお、その期間を経過すれば、通常通り新たな借金も可能です。
- 官報に名前が載ってしまう個人民事再生をすると、官報に氏名等が掲載されてしまいます。しかし、官報は一般の人の目に触れる機会はあまりないため、さほど恐れる必要はありません。ただし、闇金などはこの官報をチェックしてダイレクトメールなどを送ってくる可能性があります。その誘惑に乗らない覚悟が必要です。
- 費用がかかる個人民事再生を申し立てる場合、最初に裁判所に5万円~25万円程度の予納金を納めなければなりません。したがって、他の手続きに比べ費用面で高くなります。しかし、個人民事再生の場合債務の総額が減額されますので、最終的に支払う総額は任意整理より少なくなります。