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任意整理(債務整理)の追加介入とは?和解後の借金の滞納や支払えない場合の対処法を解説

任意整理で和解した後でも、収入の減少や急な出費などにより、返済が難しくなるケースは少なくありません。支払いを滞納したまま放置すると、一括請求や遅延損害金、場合によっては差押えなどのリスクが生じる可能性があります。こうした状況で検討されるのが、弁護士や司法書士が再度債権者と交渉する「追加介入」です。

この記事では、任意整理後の追加介入とは何か、和解後に借金を滞納した場合のリスク、支払えないときに取るべき対処法について解説します。

任意整理中に追加介入や再和解はできる?手続きの違いと対処法

任意整理を進めている途中や和解後に、別の借金が見つかったり、返済が難しくなったりすることがあります。このような場合でも、状況によっては「追加介入」や「再和解」によって対応できる可能性があります。一般的に、まだ任意整理の対象にしていない借金へ新たに対応する場合は追加介入、すでに和解した借金の返済条件を見直す場合は再和解と呼ばれます。ここでは、追加介入と再和解の違い、利用できるケース、支払えないときに取るべき対処法についてわかりやすく解説します。

追加介入と再和解の決定的な違いを比較表で解説

任意整理における「追加介入」とは、当初の任意整理で対象にしなかった借入先を、後から手続きに加える方法です。たとえば、一部の借金を任意整理から除外していたものの、返済が厳しくなった場合に、その借入先も新たに整理対象へ加えるケースが該当します。

一方で「再和解」とは、すでに任意整理で和解した借金について、返済が難しくなった場合に、あらためて債権者と交渉し、返済条件の見直しを目指す手続きです。ただし、再和解は債権者が必ず応じてくれるものではなく、条件が厳しくなることもあります。

特に、すでに滞納が発生している場合は、放置すると残額の一括請求や遅延損害金の発生、差押えなどにつながるおそれがあります。そのため、返済が難しいと感じた時点で、早めに弁護士や司法書士へ相談することが重要です。

それぞれの違いは以下の通りです。

項目追加介入再和解
対象当初の任意整理から除外していた借金や、後から整理対象に加える借入先すでに任意整理で和解した借金
目的整理対象を追加し、借金全体の返済計画を見直す滞納などで継続が難しくなった現在の返済計画を組み直す
難易度通常の任意整理と同様、債権者の同意や家計の返済余力が必要一度和解した内容を変更するため、債権者の同意を得るのが難しい場合がある

手続き後でも新たな借金を整理できる理由

任意整理の後に、当初は対象にしていなかった借金を追加で整理することは可能です。任意整理は、裁判所を通さず、債権者と債務者が返済条件について話し合う私的な交渉であり、法律上「一度しかできない」といった回数制限や期間制限が設けられているわけではないためです。実際に、任意整理後に再度交渉すること自体に法律上の制限はないとされています。

手続きの性質について、以下のポイントを押さえておきましょう。

・法律上、任意整理の回数や期間に明確な制限はない
・新たな借金を整理対象に加えるには、債権者との合意が必要
・返済能力が不十分と判断された場合、交渉が成立しない可能性がある

個人再生や自己破産のように、裁判所を通じて法律に基づいて進める手続きとは異なり、任意整理はあくまで債権者との任意の交渉です。そのため、家計を見直したうえで現実的な返済計画を提示できれば、追加で整理できる可能性があります。

ただし、債権者が必ず交渉に応じるわけではありません。特に、すでに一度和解した後に支払いが滞っている場合は、債権者との信頼関係が損なわれており、再度の和解は難しくなることがあります。

債権者が追加の交渉に応じるかを判断するポイント

債権者が追加介入や再和解の交渉に応じるかどうかは、債務者に継続的な返済能力があるか、現実的な返済計画を提示できるかによって左右されます。貸金業者などの債権者は、再び返済が滞る可能性が高いと判断した場合、交渉に応じないこともあるかもしれません。

交渉の成否を分ける主なポイントは、以下の通りです。

・毎月一定額を継続して返済できる安定した収入があるか
・家計を見直し、無理のない返済原資を確保できているか
・借金総額をおおむね3〜5年程度の分割払いで完済できる見込みがあるか
・過去の和解後に、一定期間きちんと返済してきた実績があるか
・再和解の場合、滞納の理由や今後の返済見込みを具体的に説明できるか

これらの事情が不十分な場合、債権者が交渉を拒否する可能性は高くなります。特に再和解は、一度成立した和解内容を再度見直す交渉であるため、通常の任意整理よりも難しくなる傾向であることは覚えておきましょう。また、債権者によっては、交渉に応じる条件として頭金の支払いを求める場合もあります。

任意整理で追加介入が必要になる主なケース

任意整理では、すべての借金を必ず整理対象にする必要はなく、一部の借入先を除外して手続きを進めることも可能です。しかし、手続き後に返済状況や家計が変化し、当初は対象にしていなかった借金の返済が難しくなることがあります。このような場合には、追加介入によって新たな借入先を整理対象に加え、返済計画を見直す必要が出てくることがあります。

任意整理から除外した借金の返済が苦しい場合の対処法

任意整理から除外した借金の返済が家計を圧迫している場合は、追加介入によって返済計画を見直す必要が出てくることがあります。ただし、除外した借金を新たに整理対象に加えるかどうかは、借金の種類や保証人の有無、担保の有無などを踏まえて慎重に判断することが重要です。

たとえば、以下のようなケースでは、追加介入を検討する必要があります。

・整理対象外にした車のローン返済が残り、月々の支出が想定より大きくなっている
・保証人への影響を避けるために除外した借金が、家計を慢性的に圧迫している
・返済額が手取り収入に対して大きく、生活費の確保が難しくなっている

このような場合は、弁護士や司法書士に相談し、除外していた債権者も整理対象に含めるべきかを検討しましょう。ただし、車のローンを整理対象に加えると、契約内容によっては車両を引き上げられる可能性があります。また、保証人付きの借金を整理対象にした場合、保証人に対して請求が行われるおそれがあります。

そのため、追加介入を行う際は、月々の返済負担を下げるメリットだけでなく、車両の引き上げや保証人への請求といったリスクも踏まえて判断することが大切です。

手続き開始後に別の借金が発覚した場合の対応

任意整理の手続き開始後に、当初申告していなかった借金が発覚した場合は、まず担当の弁護士や司法書士へ速やかに報告することが重要です。追加介入とは、最初の任意整理で対象にしなかった借入先を、後から整理対象に加える対応を指します。

家族に内緒の借金や、申告漏れの借入れが後から出てきた場合は、以下の手順で対応しましょう。

1.発覚した借金の借入先、残高、月々の返済額、滞納の有無を整理する
2.担当の弁護士や司法書士へ速やかに連絡し、事実を隠さず伝える
3.家族への影響をできるだけ抑えたい場合は、その希望も含めて今後の対応を相談する
4.追加介入で対応できるのか、再和解や個人再生・自己破産など別の手続きが必要なのかを確認する

申告漏れや新たな借金を放置すると、返済計画が成り立たなくなるおそれがあります。また、専門家との信頼関係が損なわれると、対応が難しくなる場合もあります。特に、弁護士が辞任した場合には債権者からの督促が再開し、一括請求を受ける可能性があるとされています。

そのため、借金が後から発覚した場合は、自己判断で返済を続けたり隠したりせず、早めに専門家へ相談し、新たな借金を含めた返済計画を見直すことが大切です。

収入減や急な出費で返済計画の維持が難しくなった場合

収入の減少や予想外の出費によって返済が難しくなった場合は、債権者との再和解を検討する方法があります。

返済計画の維持が難しくなる典型的なケースとしては、以下が挙げられます。

・病気やケガによる休職で、継続的な収入が減少した
・会社の業績悪化により、ボーナスカットや基本給の減額があった
・冠婚葬祭や医療費など、想定外の高額な出費が重なった

このような状況では、返済期間の延長や月々の返済額の減額を求めて、再和解の交渉を行うことが考えられます。ただし、債権者が必ず応じてくれるわけではなく、これまでの返済状況や今後の返済見込みによっては、交渉が難しくなる場合もあります。

滞納が長期化すると、一括請求や遅延損害金の発生、差押えなどにつながるおそれがあります。そのため、返済が難しいと感じた時点で、早めに弁護士や司法書士へ相談し、債権者へ事情を説明したうえで、再和解・追加介入・個人再生・自己破産などの選択肢を検討することが大切です。

クレジットカードのキャッシング利用に注意すべき理由

任意整理中に、利用枠が残っているクレジットカードでキャッシングを利用すると、返済計画が崩れ、多重債務の状態に戻ってしまうおそれがあります。また、新たな借入れによって家計状況や債務額が変わるため、任意整理の交渉や和解後の返済に悪影響を及ぼす可能性があります。任意整理中の新たな借入れは、専門家との信頼関係を損ない、手続きが進めにくくなる原因にもなります。

キャッシングに頼らず生活を立て直すためには、以下のような対応を試してみましょう。

・手元に利用可能なクレジットカードがある場合は、使用をやめて保管方法を見直す
・すでに新たな借入れをしてしまった場合は、担当の弁護士や司法書士へ速やかに申告する
・追加介入で対応できるのか、再和解や個人再生・自己破産など別の手続きが必要なのかを確認する
・家計簿アプリなどを活用し、現金やデビットカード中心の生活に切り替える

任意整理の対象となったクレジットカードは、原則として解約され、信用情報にも登録されるため、手続き後はクレジットカードの利用が難しくなるのが一般的です。 ただし、手元に利用できるカードが残っている場合でも、キャッシングで目先の支払いを補うと、返済総額が増え、生活再建がさらに難しくなる可能性があります。

新たな借入れが直ちにすべてのケースで「和解契約違反」になるとは限りませんが、債権者や専門家から返済能力に疑問を持たれ、交渉が難しくなるおそれがあります。また、和解後に返済を滞納した場合には、契約内容によって一括請求を受ける可能性もあります。そのため、キャッシングに頼る前に、早めに専門家へ相談し、返済計画の見直しや別の債務整理手続きを検討することが大切です。

追加介入で得られるメリットと生活への影響

追加介入を行うと、任意整理の対象から外していた借金も整理対象に加えられるため、月々の返済負担を見直せる可能性があります。一方で、車のローンや保証人付きの借金を対象にする場合は、車両の引き上げや保証人への請求など、生活に影響が出ることもあります。追加介入を検討する際は、返済負担を軽くできるメリットだけでなく、日常生活や家族に生じるリスクも理解しておくことが大切です。

月々の返済負担を軽減できる可能性がある

追加介入を行うメリットは、当初の任意整理で対象にしていなかった借金も整理対象に加えることで、月々の返済負担を見直せる可能性がある点です。返済が苦しい状況を放置せず、早めに専門家へ相談して債権者と交渉することで、家計を立て直すきっかけになることが考えられます。

たとえば、月々の支払いが10万円から6万円に減額できた場合のシミュレーションは、以下の通りです。

・介入前の負担:既存の和解分5万円+追加で整理する借入分5万円=毎月10万円
・介入後の変化:追加の借入先も整理対象に加え、返済期間や月々の支払額について交渉する
・得られる効果:毎月の返済額が6万円になれば、月4万円の余裕が生まれ、生活費や急な出費に備えやすくなる

ただし、追加介入をしても、必ず返済額が下がるとは限りません。任意整理は債権者との合意によって成立する手続きであり、債権者が交渉に応じない場合や、希望する条件で和解できない場合もあります。任意整理では、将来利息のカットや返済期間の見直しによって負担軽減を目指すのが一般的ですが、大幅な借金の減額ができる手続きではありません。

また、任意整理後の返済期間は3〜5年程度が目安とされることが多いものの、実際の条件は債権者や返済状況によって異なります。 新たな返済計画で合意できれば、毎月の支払いに対する不安を軽減し、生活再建に向けて前向きに取り組むことが可能となるはずです。

将来利息のカットにより総返済額を抑えられる可能性がある

追加介入によって任意整理の対象を広げると、これまで整理対象にしていなかった借金についても、将来利息のカットや返済期間の見直しを交渉できる可能性があります。債権者との合意が成立すれば、返済したお金を元本の返済に充てやすくなり、完済までの見通しを立てやすくなります。

任意整理で期待できる主な効果は、以下の通りです。

・利息制限法に基づく引き直し計算:過去に利息制限法の上限を超える利息を支払っていた場合、払いすぎた利息を元本に充当し、借金額が減る可能性がある
・将来利息のカット:和解成立後から完済までに発生する利息について、免除または軽減を交渉できる場合がある
・総返済額の軽減:将来利息がカットされれば、利息分の負担が減り、結果として最終的な支払総額を抑えられる可能性がある

ただし、将来利息が必ず全額カットされるわけではありません。任意整理は債権者との合意によって成立する手続きであり、取引期間が短い場合や、すでに滞納している場合、債権者の方針によっては、希望どおりの条件で和解できないこともあります。任意整理では将来利息のカットを目指せる一方、すべてのケースで利息が必ずカットされるわけではないとされています。

また、近年の借入れは利息制限法の範囲内で契約されていることが多いため、引き直し計算をしても元本が大きく減らないケースもあります。そのため、リボ払いやキャッシングで利息負担が重くなっている場合は、早めに弁護士や司法書士へ相談し、追加介入で対応できるのか、再和解や個人再生・自己破産など別の手続きも含めて検討することをおすすめします。

複数の借入先への返済管理をしやすくする方法

新たな借入先が増えると、返済日や返済額がそれぞれ異なり、残高不足や振込忘れによって滞納するリスクが高くなってしまいます。追加介入によって整理対象を広げることで、複数の借入先について返済条件を見直し、家計管理をしやすくできる可能性があります。

また、弁護士や司法書士によっては、任意整理後の返済を代行する「返済代行」に対応している場合があります。返済代行を利用すると、債務者が専門家の指定口座へ毎月まとめて入金し、専門家が各債権者へ振り分けて支払う形になるため、支払い管理の負担を軽減できるかもしれません。任意整理後の返済代行は、各債権者への返済を弁護士や司法書士が代わりに行うサービスとされています。

具体的なメリットは以下の通りです。

・返済管理の手間を減らせる:複数の返済日や振込先を個別に管理する負担を減らせる
・支払い漏れを防ぎやすい:毎月の入金日と金額を把握しやすくなり、振込忘れのリスクを抑えやすい
・家計の見通しを立てやすい:毎月の返済額を固定化できれば、生活費や貯蓄の計画を立てやすくなる

ただし、任意整理はおまとめローンのように借金そのものを一本化する手続きではありません。各債権者と個別に和解し、それぞれの返済条件に従って支払うのが基本です。また、返済代行を利用する場合は、専門家への手数料や振込手数料がかかることもあるため、費用面も必ず確認しておきましょう。

自己破産を避けて生活への影響を抑えられる可能性がある

返済が難しくなった場合でも、直ちに自己破産しか選べなくなるわけではありません。追加介入によって整理対象を広げ、債権者との間で新たな返済条件に合意できれば、任意整理を継続しながら生活再建を目指せる可能性があります。

任意整理を継続できた場合、生活への影響を抑えやすい点として、以下が挙げられます。

・財産への影響を抑えやすい:任意整理は裁判所を通さない私的な交渉であり、整理対象を選べるため、住宅ローンや車のローンを対象から外せる場合がある
・職業制限を受けない:自己破産では、手続き中に警備員や保険募集人など一部の職業・資格に制限がかかる場合があるが、任意整理では原則としてそのような職業制限はない
・家族や周囲に知られるリスクを抑えやすい:自己破産では官報に氏名や住所が掲載される一方、任意整理では官報に掲載されないため、周囲に知られる可能性を抑えやすい
・保証人への影響を避けられる場合がある:保証人付きの借金を任意整理の対象から外せば、保証人への請求を避けられる可能性がある

ただし、任意整理を継続できるかどうかは、債権者の同意や本人の返済能力によって左右されます。また、住宅ローンや車のローンを対象から外したとしても、その返済を継続できなければ、自宅や車を維持できない可能性があります。

自己破産は、裁判所を通じて財産を換価し、債権者へ配当する手続きです。免責が認められれば借金の支払義務が免除される可能性がある一方、一定の財産処分や官報掲載、手続き中の職業制限などの影響が生じる場合があります。

追加介入のデメリットと事前に確認すべき注意点

追加介入を検討する際は、メリットだけでなく、想定されるデメリットや注意点を事前に把握しておくことが大切です。

弁護士や司法書士への追加費用が発生する場合がある

任意整理の手続き中に追加介入を依頼する場合、追加で整理する債権者の数や事案の内容に応じて、弁護士・司法書士への費用が発生することがあります。追加介入は、当初の依頼内容に含まれていない債権者を新たに整理対象へ加える対応であるため、事務所によっては1社ごとに着手金や報酬金が必要になる場合があります。

具体的な費用の目安は、以下の通りです。

・着手金の目安:債権者1社につき2万円〜5万円程度
・解決報酬金の目安:債権者1社につき2万円程度まで
・減額報酬金の目安:減額できた金額の10%程度まで
・支払い方法:事務所によっては、分割払いや後払いに対応している場合がある

弁護士報酬は、原則として弁護士ごとの報酬基準に基づき、依頼者との協議で決まります。ただし、債務整理事件については日弁連の規程があり、たとえば非事業者等の任意整理事件では、解決報酬金は原則1社あたり2万円以下、減額報酬金は減額分の10%以下とされています。

再和解では返済条件が厳しくなる場合がある

追加介入とあわせて、すでに和解済みの借金について再和解を申し入れる場合、1回目の任意整理よりも交渉が難しくなることがあります。債権者から見ると、一度合意した返済計画を見直すことになるため、これまでの返済状況や滞納理由、今後の返済見込みを慎重に確認される可能性があります。

再和解で問題になりやすい条件は、以下の通りです。

・返済期間:通常より短い期間での返済を求められる場合がある
・遅延損害金:滞納期間中の遅延損害金を請求される場合がある
・頭金の用意:返済意思や返済能力を示すため、一定額の支払いを求められる場合がある

ただし、「2回目の和解は必ず3年以内」「頭金が必須」といった法律上の決まりがあるわけではありません。条件は債権者の方針や滞納状況、返済原資によって異なるため、事前に専門家へ確認することが大切です。

債権者が再度の交渉に応じない可能性もある

専門家を通じて再和解を申し入れても、すべての債権者が交渉に応じるとは限りません。債権者によっては、再和解に消極的な方針を取っている場合や、過去の滞納状況を理由に、希望する条件での和解に応じない場合があります。

再交渉が難しくなりやすい事情としては、以下が挙げられます。

・前回の和解後、短期間で滞納している
・返済できなくなった理由や今後の返済見込みを十分に説明できない
・返済原資が少なく、現実的な返済計画を提示できない
・債権者の社内方針として、再和解に厳しい対応を取っている

どうしても合意できない場合は、個人再生や自己破産など、裁判所を通じた手続きへの移行を検討することになります。ただし、強制執行を必ず防げるとは限らないため、滞納が長期化する前に早めに相談することが重要です。

信用情報への影響が長引く可能性がある

任意整理の追加介入を行うと、新たに整理対象とした借入先についても、信用情報機関に事故情報(いわゆる「ブラックリスト」)として登録される可能性があります。その結果、クレジットカードや各種ローン、分割払いの審査に影響が出る期間が長くなる場合があります。

信用情報への主な影響は、以下の通りです。

・クレジットカード:利用中のカードも、途上与信などで利用停止や更新不可となる可能性がある
・新規ローン:住宅ローンや車のローンなどの審査に通りにくくなる可能性がある
・スマートフォンの分割払い:端末代金の分割契約の審査に影響する可能性がある

信用情報の登録期間は、信用情報機関や登録内容によって異なります。たとえばJICCでは、契約継続中および契約終了後5年以内とされています。 また、CICも信用情報の種類ごとに保有期間を定め、期間経過後に抹消すると説明しています。 そのため、「必ず5年間だけ」「追加介入で必ず登録期間が更新される」とは断定せず、登録内容や契約状況によって変わる可能性があると考えておきましょう。

追加介入の手続きを進める具体的な流れ

追加介入では、対象に加える債権者の確認、受任通知の送付、債権額の調査、返済条件の交渉、和解後の返済開始といった流れで進むのが一般的です。手続きを進める前に、大まかな流れを確認しておきましょう。

専門家への相談から受任通知の送付までの流れ

追加介入を検討する場合は、まず現在の借入状況や返済状況、家計の収支を弁護士や司法書士に相談します。正式に依頼契約を結ぶと、専門家から追加対象となる債権者へ受任通知が送付されるのが一般的です。

貸金業者や債権回収会社は、弁護士・司法書士から受任通知を受け取った後、正当な理由なく債務者本人へ直接督促することが制限されます。そのため、受任通知の送付後は、電話や郵便による直接の督促が止まる可能性があります。

受任通知の送付までの流れは、以下の通りです。

1.依頼者が専門家へ、現在の借入先・残高・返済状況・家計収支を詳しく伝える
2.追加介入の必要性や、任意整理で対応できるかを専門家が確認する
3.正式に依頼契約を結んだ後、専門家が対象債権者へ受任通知を送付する
4.債権者が受任通知を受け取った後、本人への直接督促が止まる可能性がある

ただし、受任通知によって止まるのは、主に貸金業者などから本人への直接の取立てです。返済義務そのものがなくなるわけではなく、受任通知後も債務は残ります。また、すべての債権者に対して必ず同じ効果が生じるとは限らないため、対象となる借入先については専門家に確認することが大切です。

追加対象の債権者との交渉と合意

追加介入では基本的に、専門家が追加対象の債権者に対して、現在の家計状況や返済可能額をもとに、返済条件の見直しを交渉します。交渉では、なぜ現在の返済が難しくなっているのか、今後どの程度であれば継続的に返済できるのかを具体的に説明することが重要です。

債権者との合意のためには、主に以下のようなポイントを確認します。

・追加で任意整理を行う必要性があるか
・現在の家計収支に基づき、無理なく継続して返済できる金額はいくらか
・他の債権者への返済状況と比べて、著しく不公平な返済計画になっていないか
・返済期間や将来利息の扱いについて、債権者が合意できる条件か

なお、「月収20万円以上」などの一律の基準が法律で定められているわけではありません。重要なのは、収入額そのものよりも、家計の収支を踏まえて、毎月の返済原資を安定して確保できるかどうかです。収入があっても支出が多ければ交渉が難しくなることがあり、反対に収入が高くなくても、無理のない返済計画を示せれば交渉の余地がある場合もあります。

新たな返済計画の策定と支払いの再開

再和解や追加介入を進める際は、現実的に継続できる返済計画を立てることが重要です。生活費を過度に切り詰めた計画では、途中で再び支払いが難しくなるおそれがあります。そのため、毎月の固定費や必要な生活費、突発的な出費も考慮したうえで、無理のない返済可能額を算出する必要があります。

返済計画を作る際は、以下の点を確認しましょう。

・家賃、水道光熱費、通信費、保険料など、毎月発生する固定費を把握しているか
・食費、交通費、医療費など、生活に必要な支出を過度に削っていないか
・冠婚葬祭費や医療費など、突発的な出費に備える余裕を少しでも確保できているか
・手取り収入から生活費を差し引いたうえで、継続して支払える金額を返済可能額として設定しているか

債権者との間で新たな返済条件に合意できた場合は、和解内容に従って支払いを再開します。支払い開始時期は、和解成立の時期や債権者との合意内容によって異なりますが、翌月または翌々月から開始されることもあります。

追加介入が困難な場合の代替案と判断基準

追加介入を希望しても、債権者が交渉に応じない場合や、返済原資が不足している場合は、任意整理だけで解決するのが難しいことがあります。そのような場合は、個人再生・自己破産など、状況に応じた他の債務整理の手続きを検討する必要があります。どの方法が適しているかは、借金総額、収入の安定性、財産の有無、保証人への影響、今後も返済を続けられる見込みなどを踏まえて判断することが大切です。

個人再生で借金元本を減額できる可能性がある理由

追加介入や再和解では、主に将来利息のカットや返済期間の見直しを交渉しますが、借金の元本自体を大きく減らすことは難しいのが一般的です。そのため、返済総額が大きく、任意整理では完済の見通しが立たない場合は、個人再生を検討する方法があります。

個人再生は、裁判所を通じて借金を減額し、原則3年間で分割返済していく手続きです。裁判所も、再生計画が認可され、その計画どおりに返済した場合、残りの債務の免除を受けられると説明しています。

個人再生の特徴内容
元本を減額できる可能性がある借金総額や財産状況によっては、任意整理よりも大きく返済総額を減らせる場合がある
原則3年間で分割返済する減額後の借金を、原則3年間で分割して返済する
住宅を残せる可能性がある住宅ローン特則を利用できる場合、住宅ローンを支払い続けながら自宅を維持できる可能性がある
継続的な収入が必要将来にわたり継続的に収入を得る見込みがあることが必要

たとえば、借金総額が500万円の場合、個人再生によって返済額が100万円程度まで減額される可能性があります。ただし、必ず5分の1になるわけではありません。最低弁済額は借金総額だけでなく、保有財産の価値や手続きの種類によって変わります。裁判所も、返済総額は債務者が財産を処分した場合の額、いわゆる清算価値を上回る必要があることを説明しています。

また、住宅ローン特則を使えば、住宅ローンの残る自宅を維持できる可能性がありますが、利用には要件があります。住宅ローン以外の担保が付いている場合など、状況によっては利用できないこともあるため、事前に専門家へ確認することが大切です。

自己破産を検討すべきかの判断基準

自己破産を選ぶべきかどうかは、借金総額の大きさだけでなく、現在の収入・家計状況・財産の有無・今後の返済見込みなどを総合的に見て判断します。任意整理や個人再生では返済を継続する必要があるため、今後も安定した返済原資を確保できるかが重要なポイントになります。

判断基準のポイント具体的な状況
返済負担が収入に対して重すぎる月々の返済額が手取り収入に対して大きく、生活費の確保が難しい
完済の見通しが立たない任意整理で一般的な3〜5年程度の分割返済では、完済が難しい
収入回復の見込みが乏しい失業、病気、ケガなどにより、今後も安定した返済原資を確保するのが難しい
財産を処分しても返済が困難預貯金や保有財産を考慮しても、借金全体を返済する見通しが立たない

自己破産は、裁判所を通じて借金の支払い義務の免除を目指す手続きです。免責が認められれば、多くの借金について支払い義務が免除されます。ただし、税金、社会保険料、養育費、一定の損害賠償債務など、免責されない債務もあります。法テラスも、免責許可決定が確定してもすべての債権が免責されるわけではないと説明しています。

また、自己破産をした場合でも、すべての財産が処分されるわけではありません。生活に必要な一定の財産は手元に残せる場合がありますが、高額な財産や換価価値のある財産は処分対象になる可能性があります。具体的にどの財産を残せるかは、裁判所の運用や財産の内容によって異なるため、事前に専門家へ確認することが大切です。

家計の見直しによる返済継続の可能性を探る

法的手続きへの移行を検討する前に、まずは家計を見直し、現在の返済を継続できる余地がないか確認することも大切です。ただし、すでに返済が遅れている場合や、見直しをしても返済原資を確保できない場合は、無理に自力で解決しようとせず、早めに弁護士や司法書士へ相談しましょう。

見直しの項目 具体的な対策
固定費の削減格安SIMへの乗り換え、
不要なサブスクの解約、保険内容の見直しなどを行う
 収入の増加 本業に支障のない範囲で副業や短時間のアルバイトを検討する
 資産の売却 維持費のかかる車や不要品を売却し、返済原資や生活費に充てる

これらの対策を行っても毎月の返済資金が不足する場合は、お早めに専門家へご相談されることをおすすめします。。

滞納が長期化する前にすべき対処法と注意点

任意整理の和解契約では、支払いが遅れた場合に「期限の利益」を失い、残額を一括請求される条項が定められていることがあります。特に、2か月分の支払いを滞納すると一括請求のリスクが高まるとされるため、支払いが難しいと分かった時点で早めに対応することが重要です。

見直しの項目具体的な対策
固定費の削減格安SIMへの乗り換え、不要なサブスクの解約、保険内容の見直しなどを行う
収入の増加本業に支障のない範囲で副業や短時間のアルバイトを検討する
資産の売却維持費のかかる車や不要品を売却し、返済原資や生活費に充てる

これらの対策を行っても毎月の返済資金が不足する場合は、追加介入・再和解・個人再生・自己破産など、別の方法を検討する必要があります。

滞納が長期化する前にすべき対処法と注意点

任意整理の和解契約では、支払いが遅れた場合に「期限の利益」を失い、残額を一括請求される条項が定められていることがあります。特に、2か月分の支払いを滞納すると一括請求のリスクが高まるとされるため、支払いが難しいと分かった時点で早めに対応することが重要です。

滞納状況リスクと対処法
1回滞納すぐに担当の専門家や債権者へ連絡し、次回にまとめて支払えるか、支払い猶予を受けられるか相談する
2回滞納和解内容によっては期限の利益を失い、残額を一括請求される可能性が高まる
3回以上滞納一括請求、遅延損害金の請求、訴訟・強制執行などにつながるおそれがある

一括請求を受けた後も放置すると、債権者から訴訟を起こされ、判決などの債務名義を取得されたうえで、給与や預金口座などを差し押さえられる可能性があります。返済が遅れると分かった時点で放置せず、担当の弁護士・司法書士へ早めに状況を報告しましょう。

追加介入で後悔しないための専門家選びと相談のコツ

追加介入や再和解を検討する際は、任意整理の経験が豊富な弁護士や司法書士に相談することが大切です。債権者との交渉方針や費用体系、追加介入に対応できる範囲は事務所によって異なるため、依頼前に実績や説明の分かりやすさ、費用の明確さを確認しておきましょう。また、相談時には借入先・残高・返済状況・家計収支をできるだけ正確に伝えることで、手続きや相談をスムーズに進めることができるようになります。

現在の依頼先に報告したうえで、必要に応じて他の専門家にも相談する

任意整理中に新たな借金や滞納が発生した場合は、まず現在の依頼先である弁護士や司法書士へ速やかに報告することが重要です。報告が遅れると、現在の返済計画が実際の状況と合わなくなり、追加介入や再和解の判断が遅れるおそれがあります。

ただし、現在の依頼先が追加介入や再和解に対応できない場合や、説明に不安がある場合は、別の法律事務所へセカンドオピニオンを求めることも選択肢の一つです。弁護士が辞任した場合には、債権者からの督促が再開し、一括請求を受ける可能性があるため、対応を放置しないことが大切です。

相談前に整理しておきたい内容は、以下の通りです。

・現在の借入先、残高、月々の返済額、滞納の有無を一覧にする
・新たな借入れがある場合は、借入日・借入額・借入理由を整理する
・現在の依頼先に報告し、追加介入や再和解で対応できるか確認する
・不安が残る場合は、別の法律事務所へセカンドオピニオンを相談する

別の事務所へ相談・変更する際の注意点と手順

別の専門家へ相談することで、現在の返済計画を見直せる可能性があります。ただし、現在の依頼先へ何も伝えずに事後報告だけで進めると、連絡の行き違いや債権者対応の空白期間が生じるおそれがあります。

別の事務所への変更を検討する場合は、以下の流れで進めるとよいでしょう。

1.現在の依頼先に、新たな借金や滞納の状況を正直に伝える
2.現在の依頼先で追加介入や再和解に対応できるか確認する
3.対応が難しい場合や不安がある場合は、別の事務所へ相談する
4.新しい事務所に依頼する場合は、旧事務所との委任契約の解除方法や、債権者への受任通知の送付時期を確認する
5.新旧の事務所間で対応に空白が出ないよう、債権者への連絡方法を確認する

なお、別の事務所へ相談したからといって、必ず現在より有利な条件で和解できるとは限りません。再和解や追加介入は、債権者の同意、滞納状況、返済原資、過去の返済実績などによって結果が変わります。

無料相談で確認すべき項目チェックリスト

専門家との無料相談を有効活用するには、事前に質問事項を整理しておくことが大切です。相談時には、以下の点を確認しましょう。

・任意整理中の追加介入や再和解に対応した経験があるか
・現在の滞納状況でも交渉の余地があるか
・追加介入、再和解、個人再生、自己破産のうち、どの手続きが現実的か
・着手金、報酬金、返済代行費用などの費用総額はいくらか
・費用の分割払いに対応しているか
・債権者が交渉に応じない場合の代替案を提示してもらえるか

債務整理事件の弁護士報酬については、日弁連が一定のルールを定めています。任意整理では、解決報酬金や減額報酬金について上限が定められているため、相談時には費用の内訳を確認しておくと安心です。

まとめ

任意整理の追加介入とは、当初の任意整理で対象にしなかった借入先を、後から新たに整理対象へ加える対応のことです。たとえば、車のローンや保証人付きの借金、家族に知られたくない借入れなどを一度は除外したものの、返済が苦しくなり、家計全体の返済計画を見直す必要が出た場合に検討します。

任意整理は裁判所を通さない債権者との交渉であるため、法律上「一度しかできない」といった明確な回数制限はありません。ただし、追加介入をしても必ず返済額が減るわけではなく、債権者の同意や本人の返済能力が必要です。また、すでに和解した借金を滞納している場合は、再和解によって返済条件の見直しを交渉することになりますが、一度合意した内容を変更するため、通常の任意整理より難しくなる傾向があります。

和解後の支払いが難しい場合や、追加の借金が発覚した場合は、放置せず早めに弁護士や司法書士へ相談することが大切です。滞納が続くと、期限利益の喪失による残額の一括請求や遅延損害金の発生、訴訟・差押えにつながるおそれがあります。追加介入や再和解で対応できない場合でも、個人再生や自己破産など別の手段を選択できる可能性があります。返済が苦しいと感じた時点で、現在の借入状況や家計収支を整理し、専門家に相談しましょう。

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債務整理実績1万5821(2019年4月調べ)

その実績が認められ、日経産業新聞に掲載されました。(2012年4月27日)

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