「自己破産」とは、なんらかの理由で借金(債務)を抱え、返済することができなくなってしまった人が、必要最低限の財産を残して返済することで残りの返済義務を免除とするための手続きのことを言います。
自己破産を決意した場合、どのような手続きを行う必要があるのでしょうか?
おおまかな流れをご紹介します。
(1)自己破産の申し立て
破産申し立ては債権者が行うこともできますが、債務者が申し立てを行うものを「自己破産」と呼びます。
自己破産手続きに必要な書類を揃え、裁判所に提出して申し立てを行います。
原則として債務者の住所または居所を管轄する地方裁判所に対して申し立てることになります。
以前は破産手続きと免責手続きの申し立てをそれぞれ別々に行う必要がありましたが、現行の破産法では破産手続き開始の申し立てがあれば免責許可の申し立てもあったものとみなされます。
(2)破産手続開始決定
申し立ての後、「破産の審尋」が行われます。免責不許可事由に該当しないかなどの質問を裁判官から受けるものです。
通常は申し立てから1~2ヵ月後に行われますが、弁護士を代理人としている場合、東京地方裁判所など一部の裁判所では即日もしくは3日以内に面接となります。
審尋により裁判所が「債務者は支払い不能である」と判断すると、数日以内に「破産手続開始決定」が下ります。
債務者に一定の財産があれば、破産管財人が選任され破産手続きが進められますが、換価する財産がない場合は「同時廃止」となり、破産手続きを終えて免責許可の決定手続きに移行します。
個人の場合はほとんどが同時廃止となります。
(3)免責許可の決定
破産手続開始決定が下りた後、免責(借金の帳消し)が妥当であるかについて裁判所で審尋が行われます。
破産手続開始決定が下りた場合、およそ9割は免責許可の決定が下りているのが実情です。
同時廃止の場合は、破産申し立てから3ヵ月~半年ほどで免責許可の決定が下りるのが一般的です。
ただし、破産の原因が免責不許可事由に該当すると裁判所が判断した場合には、免責は認められません。
自己破産の申し立てから借金がゼロになるまでの大まかな流れをご説明しました。
専門的な言葉が多いため難しく感じるかもしれませんが、手続き自体はそれほど難しいものではありません。
一般的には弁護士に手続きを依頼することになるかと思いますが、ご自身でも手続きの大まかな流れを理解しておくことをおすすめします。