近頃、広告やCMなどで耳にすることも多い「過払い金」という言葉。
「もしかしたら自分にも戻ってくるお金があるかも?」と気になっているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、過払い金とはどういったものなのかと、返還請求に必要な手続きやかかる期間などについてお伝えします。
過払い金返還請求とは?
借金に対する利息は「利息制限法」および「出資法」という法律によって利率に制限が定められています。
しかしこの2つの法律が定める制限利率には差があり、利息制限法には罰則がないため、消費者金融業者などでは出資法で定められた制限利率の範囲内で利息制限法による上限を上回る利率を設定しているケースが多いのが実情です。
この範囲の利息は「グレーゾーン金利」と呼ばれています。
グレーゾーン金利分を差し引き計算すると、借金がほとんど残っていなかったり、払い過ぎになっているケースも少なくありません。
こうして払い過ぎとなっているお金のことを「過払い金」といい、貸付をした業者に対して返還を求めることができます。
この手続きのことを「過払い金返還請求」と言います。
過払い金返還請求の流れと必要な期間は?
過払い金返還請求からお金が戻ってくるまでの大まかな流れは以下のようになります。
(1)取引履歴開示請求
消費者金融やクレジットカード会社など、貸付業者から取引の履歴を取り寄せます。
(2)過払い金額の算出
法定金利に基づいて差し引き計算を行い、過払い金額を算出します。
(3)過払い金返還請求
貸付業者に対して、過払い金の返還請求を行います。
交渉で和解が成立しない場合、請求訴訟を提起することになります。
交渉する期間は回収する額や対応する業者によってよって変わってきますが、半年から1年程度がかかるのが一般的です。
金額が多い場合、1年以上かかるケースもあります。
(4)過払い金の返還
和解がまとまるか裁判で勝訴すれば過払い金が返還されます。
一般的には和解成立後2ヵ月から4ヵ月程度で返金されることが多いようです。
過払い金返還請求の大まかな流れをご紹介しました。
こうした手続きは個人で行うこともできますが、時間や労力を要する上に、貸付業者に思うように対応してもらえないかもしれません。
また、回収までの期間についても相当長期間かかってしまうことが予想されます。
やはり、多少費用がかかったとしても弁護士や司法書士など法律のプロに任せるのが安心だと言えるでしょう。