ローンを組んだり、借金をしたりすると「債務」と「債権」の言葉を聞く機会が増えるかと思います。
さて、この債務と債権は、似ている様で意味が異なります。
このページでは債務と債権の違いについて、詳しく解説していきます。
債務とは?債権とは?
債務とは、簡単に言えば「○○しなければならない」、「○○を提供しないといけない」といった義務です。
例えば労働契約が結ばれている雇い主と雇用者であれば、雇用者は、雇い主に対して労働を提供しないといけない債務が発生します。
なおこの場合、雇用者は”債務者”として扱われます。
債権とは、簡単に言えば「○○してもらえる」、「○○を提供してもらえる」といった権利です。
なおこの場合、雇用主は”債権者”として扱われます。
例えば労働契約が結ばれている雇い主と雇用者であれば、雇い主は雇用者から労働を提供してもらえる債権が発生します。
契約上で発生する、義務と権利のようなものです。
金融契約上の債務と債権
債務と債権は、前述した労働契約のケースを始め、双方の契約がある様々なケースで発生してきます。
ですが一般的には債務と債権は、ローンや借金といった金融契約上の義務、権利として扱われる形が多いです。
金融契約上では、例えばあなたが消費者金融会社から50万円を借入れした場合、「50万円の債務が発生した」といった表現で扱われます。
また消費者金融会社から見れば、「50万円の債権が発生した」といった表現で扱われます。
金融契約上では、債権者はその契約ルールに則り指定の金額を債務者に返済しなければなりません。
債務整理
「債務整理」とは、債務者が債務を負えない場合(返済が困難な場合)、債務の内容を軽減できる、法的な金融措置です。
専門家が債務者、債権者の間に入り、契約ルールを見直し、債務を軽減してくれます。
債務整理にはいくつかの種類があります。代表的なものを紹介します。
① 任意整理
債権者と交渉を行い利息や返済方法を見直す方法です。
法律の専門家に依頼し、月々の返済額や、利息の免除を交渉してもらいます。
この任意整理が債務整理の中では最もポピュラーなものになります。
② 個人再生
借金の一部を三年間で払いきることを条件に、残りの借金を免除してもらう方法です。
メリットは何といっても借金そのものを減額できるところです。
ただ、デメリットとして、すべての借金を手続きの対象にしなければならない(例えば、車のローンは対象から外すなどが不可能です。)
ことや、書類集めや手続きが任意整理に比べて複雑なことです。
③ 自己破産
裁判所へ破産申し立てを行い、借金を免除してもらう債務整理です。
借金が多く返済のメドが立たない場合の最後の手段です。
メリットは何といっても借金がすべて免除になり取り立てなども禁止されるところです。
しかしリスクも大きく、住宅など高額の財産は失うことになりますし、自宅などの高額財産は失ってしまいますし、税理士や弁護士など、一定の職業や資格について制限を受ける可能性があります。
いざ債務整理が必要になったときにどの方法をとるか判断するのは当然自分自身です。
しかし、債務整理を行った結果、自分がどうなるか見通すのは高度な法律の知識が必要です。
専門家に相談し、各々のメリットとデメリットを理解したうえで判断をしましょう。
自分が今必要な債務整理は何か
いかがでしたでしょうか。
この様に、債務と債権は一見似ていますが意味的に異なります。
理解していないと間違いや行き違いが発生することもありますので、特にローンや借金がある方は、この違いをよく理解しておきたい所です。