借入金が膨らんで返済に困った場合や、このままでは生活が立ち行かなくなるという時にいくつか取る方法があります。
そのうちの一つが「任意整理」です。
任意整理とは裁判所などは通さず債務者と債権者の間で話し合い、利息や支払い額を圧縮してもらうこと。
簡単に言えば、依頼した専門家に金融業者への支払い額を減らすように交渉してもらうことです。
任意整理をすると借金の金額が減る理由や、専門家に交渉を頼む場合に発生する費用についてご紹介します。
任意整理すると借金を減らせる理由
任意整理は借りた人と貸した人との間で話し合いを行って、毎月の返済額や利息を減らすことです。
「収入はあるから返済はできるけど、今の支払い額では苦しい」という状況にうってつけの方法です。
ではなぜ返済するべき金額を減らせるのでしょうか?
これは「利息制限法」と「出資法」という二つの法律が関係しています。
「利息制限法」は利息の上限を定めた法律で「10万円未満は20%」「100万円未満は18%」「100万円以上は15%」と決まっています。
ですが、出資法では29.2%が利息の上限となっています。
この金利の上限の差をグレーゾーンと呼び、2010年に法律が改正されて以来、出資法でも上限は20%になりました。
法改正より以前、金融業者は出資法の利息率を基準にしていたので、2010年以前に借りた人は、実は払わなくても良いお金まで払っている可能性があります。
任意整理では、こうした払いすぎた利息を返済に当てることによって、今後返していく金額を圧縮するのです。
任意整理のやり方
任意整理を行うためには、まず専門家に相談して下さい。
金融業者の一覧や収入の現状が把握できるものを用意して専門家と面談します。
それを受けて「任意整理が可能かどうか」など交渉内容について決定します。
任意整理は今まで関わった全ての取引に有効です。
その後は専門家から金融業者に向け「受任通知」を発送します。
これは任意整理のため、専門家が介入したと知らせるものです。
任意整理の手続きが始まると、専門家のもとに金融業者から取引履歴が送られてきます。
これを参考にして払いすぎた利息を計算し、借金の残額を決定。
これを「引き直し計算」と言います。
その後は返済額や返済期間といった任意整理の内容を決定して実行します。
依頼後は窓口が専門家になるため、依頼した側は手続きに関わる必要はありません。
任意整理で発生する費用
専門家に手続きや交渉を全てお任せするので、依頼主は専門家に対し費用を払う必要があります。
弁護士か司法書士に依頼をすることになると思いますが、費用面で違いが出てきます。
弁護士の場合は「着手金」と「報酬」、弁護士事務所によっては、「過払成功報酬」などを支払うパターンもあります。
一方司法書士の場合は、『事務手数料』や『和解書作成』などの費用が掛かります。
どちらに頼むべきかはケースバイケースです。
相談無料の所も多いので、いったん両方に相談してみることをお勧めします。
専門家に対し費用を支払っても、任意整理を行った方が返済額は少なくなる場合が多いです。
「返済していても、なかなか元金が減らない」という場合は利息を払い過ぎている可能性があります。
一度専門家に相談し、任意整理が可能かどうか確認されることをお勧めします。