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任意整理(債務整理)中の車ローンはどうなる?審査のポイントと方法を解説

Last Updated on 2026年2月12日 by 監修者:司法書士 藤田太

任意整理をすると、「車のローンはどうなるのか」「これから車を買うことはできるのか」と不安に感じる方は少なくありません。また、借金に悩み、任意整理を検討しているけれど、車のローンがあるためどのような影響があるのか気になる、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。すでにローンを組んでいる場合の影響と、これから新たにローンを申し込む場合とでは、状況は大きく異なります。また、任意整理中は信用情報に登録がされるため、審査は厳しくなるのが一般的です。この記事では、任意整理中の車ローンの扱い、審査に与える影響、そして現実的な対応策について解説します。

任意整理をすると車のローンはどうなる?

任意整理をすると、「今払っている車のローンは続けられるのか」「車を引き上げられてしまうのか」と不安になる方も多いのではないでしょうか。実際、車のローンが任意整理の対象になるかどうかによって、車を維持できるかどうかは大きく変わります。また、任意整理後は信用情報に影響が出るため、新たに車ローンを組むことも難しくなるのが一般的です。ここでは、任意整理による車ローンへの影響や注意点について解説します。

任意整理とは?車のローンへの直接的な影響

任意整理とは、裁判所を通さずに債権者と直接交渉し、返済条件の見直しを行う手続きです。一般的には将来利息の減額やカット、返済期間の延長などを交渉し、元本を3〜5年程度で分割返済する内容で和解を目指します。ただし、利息の扱いは債権者との交渉次第であり、必ずしも全額カットされるとは限りません。

任意整理の大きな特徴は、整理する借金を選択できることです。クレジットカードや消費者金融の借入のみを対象とし、車のローンや住宅ローンを対象外にすることも可能です。

そのため、「任意整理をすると必ず車を失う」というわけではありません。

例えば、複数の借入がある場合に、カード会社のみを任意整理の対象とし、車のローンはこれまでどおり支払いを継続すれば、原則として車を維持できる可能性があります。この柔軟性は任意整理の大きな特徴です。

ただし注意すべきなのは、車ローンの契約内容です。多くの自動車ローンには「所有権留保」が付いており、完済まで車の所有権がローン会社側にある場合があります。その場合、車のローンを任意整理の対象に含めると、引き上げ(返還)を求められる可能性があります。

車を残せるかどうかは、ローンを整理対象にするかどうか、そして契約内容によって左右されます。

既存の車ローンを任意整理に含めるとどうなる?車を手放すリスク

もし車のローンを任意整理の対象に含めると、車を手放さなければならなくなる可能性が高いため注意が必要です。

その理由は、多くの車ローンが「所有権留保(しょゆうけんりゅうほ)」という仕組みで契約されているためです。所有権留保とは、ローンを完済するまで車の所有権がローン会社(信販会社など)に留保され、支払いが滞った場合などに車を引き上げられる可能性がある契約形態を指します。車検証の「所有者」欄にローン会社名が記載されている場合は、所有権留保の契約であることが一般的です。

任意整理は、債務の返済条件を変更する手続きであり、ローン会社からすると「契約どおりの返済が継続できない状態」と判断されることがあります。その結果、契約に基づいて車の返還を求められ、車が引き上げられる可能性があります。

引き上げ後、車は売却され、その売却代金がローン残高に充当されるのが一般的です。例えば、残債が150万円ある車が50万円で売却された場合、差額の100万円が残債として残り、任意整理の返済対象となる可能性があります。

ただし、所有権留保が付いていないローン(車の所有者が本人名義になっている場合など)では、引き上げのリスクが相対的に低くなるケースもあります

車が生活や仕事に欠かせない方にとって、車を失うことは通勤や送迎などに大きな影響を与えるため、慎重な判断が必要です。

そのため、弁護士や司法書士に相談する際は、「車を残したい」という希望を最初に伝えたうえで、どの債務を任意整理の対象にするかを検討することが重要です。

なお、ローンを完済しており、車検証の所有者がご自身になっている場合は、車のローン自体が存在しないため、任意整理によって車が引き上げられることは通常ありません。

信用情報への記録期間と回復の目安

任意整理を行うと、その事実は信用情報機関に登録されます。これが一般に「ブラックリストに載る」と呼ばれる状態です。

信用情報機関は、主に以下の3つがあります。

信用情報機関と加盟先の例

1.CIC(シー・アイ・シー)
主にクレジットカード会社、信販会社など
2.JICC(日本信用情報機構)
主に消費者金融、信販会社など
3.KSC(全国銀行個人信用情報センター)
主に銀行、信用金庫など

任意整理を行うと、信用情報には「契約見直し」や「異動」などの情報が登録され、一定期間保有されます。記録が残る期間は信用情報機関や状況によって差がありますが、一般的には完済からおおむね5年程度が目安とされることが多いです。

たとえば、2023年4月に和解が成立し、2026年4月に完済した場合、完済から約5年後の2031年4月ごろに記録が削除される可能性があります。

信用情報に任意整理の記録が残っている間は、次のような影響が出やすくなります。

・新しい車のローン審査に通りにくくなる
・クレジットカードの新規発行が難しくなる
・携帯電話端末の分割購入ができない場合がある
・賃貸住宅の保証会社審査に影響することがある(特に信販系保証会社の場合)

ただし、注意したいのは、完済から5年が経過すれば必ず審査に通るわけではないということです。信用情報の記録が削除された後も、申込者の収入状況や勤続年数、他社借入、過去に任意整理の対象とした会社の「社内記録」などによって、審査結果は左右されます。

とはいえ、任意整理後に一定期間が経過し、延滞のない生活を続けていれば、信用が回復し、車のローンやクレジットカードの審査に通る可能性は徐々に高まっていきます。信用情報が回復した後は、現在の年収や勤続年数、頭金の有無などが、通常の審査項目として評価されるようになります。

完済から5年程度という期間は決して短くありません。その間に車が必要な場合は、次のような選択肢を検討することになります。

・中古車を現金で購入する
・家族名義でローンを組む(利用者や支払方法には注意が必要)
・自社審査型の中古車販売店やカーリースを検討する

また、「自分の信用情報が現在どうなっているか分からない」という方は、信用情報機関に対して本人開示請求を行うことで、登録内容を確認できます。手数料はおおむね500円〜1,000円程度で、オンライン・郵送・窓口などで対応しています。

任意整理中・後の車ローン審査の現実

任意整理を行うと信用情報機関に債務整理に関する情報が登録され、一定期間はローン審査に大きく影響します。そのため、任意整理中や完済直後は、車ローンの審査に通るのが難しくなるのが一般的です。

ここでは、車ローン審査で金融機関が重視するポイントや、任意整理中と完済後で審査の厳しさの現実的な目安について解説します。

金融機関が見るポイントと審査が厳しい理由

車ローンの審査で最も重視されるのは、毎月きちんと返済を続けられるかという点です。

金融機関は、次のような情報を総合的に見て判断します。

・信用情報
・収入の安定
・現在の借入状況や返済負担
・勤続年数・雇用形態

特に重要なのが、信用情報・収入の安定・返済状況の3つです。

① 信用情報の影響

信用情報とは、クレジットカードやローンの契約・支払状況が記録された情報です。

任意整理を行うと、信用情報機関に債務整理に関する情報が登録され、一定期間はローン審査に影響します。登録期間は状況や機関によって異なりますが、一般的には完済後も数年間残るケースが多いとされています。

この情報が残っている間は、多くの金融機関で「返済リスクがある」と判断されるため、審査上の大きなマイナス要因になります。

② 収入の安定

次に重視されるのが、収入の安定です。

・正社員で継続勤務している
・勤続年数が長い
・毎月の収入が安定している

こうした状況は評価されやすい傾向にあります。

一方で、

・アルバイトや契約社員
・フリーランスなど収入変動が大きい働き方

その場合は、審査が慎重になることが多いかもしれません。任意整理の経験がある場合、金融機関は再び返済が困難な状況になることを警戒するからです。

③ 現在の返済状況

任意整理後に返済をきちんと続けていることは、一定の安心材料にはなります。

しかし、返済中であること自体が「現在も債務がある状態」を意味します。そのため、プラス評価よりも慎重な判断が優先されるケースが多いのが実情です。

なぜここまで審査が厳しくなるのか

金融機関が慎重になるのは、次のような理由によるものです。

・貸し倒れリスクを避けるため
・社内の審査基準・内部規定があるため

特に銀行系マイカーローンでは、信用情報に債務整理の情報が残っている間は、基準上通過が難しい傾向があります。これは担当者の裁量というより、制度上の制約によるものです。

任意整理中・整理後に車ローン審査が厳しくなりやすいのは、

・信用情報の影響
・収入の安定性への評価
・現在の返済負担

といった要素が重なるためです。

ローン通過の可能性を高めるには、時間の経過と、安定した収入・確実な返済実績の積み重ねが何より重要になります。

任意整理中・整理後の審査の違いを解説

任意整理の「中」と「後」では、車ローン審査での見られ方が大きく異なります。この違いを理解することは、申し込みのタイミングを判断するうえで非常に重要です。

■ 任意整理中の審査

・信用情報
任意整理に関する情報が信用情報機関に登録されている状態です。現在も分割返済を続けているため、債務を抱えている状況にあります。

・金融機関の評価
毎月の収入から任意整理の返済を行っているため、新たに車ローンの返済が加わると家計の負担が増えると判断されやすくなります。

・審査結果の傾向
多くの銀行系・信販系ローンでは審査通過は難しい傾向があります。消費者金融系など一部のローンでは審査対象となる場合もありますが、金利が高めに設定されることが一般的です。

■ 任意整理後(完済後)の審査

・信用情報
完済していても、信用情報機関には一定期間、債務整理に関する情報が登録されます。一般的には完済後も数年間は影響が残るケースが多いとされています。

・金融機関の評価
「最後まで完済した」という事実は一定の評価材料になります。ただし、完済直後はまだ慎重に判断されることが多いのが実情です。

・審査結果の傾向
完済から時間が経過し、その間に延滞のない支払い実績(携帯電話の分割払いなど)を積んでいれば、一部の金融機関では審査通過の可能性が出てくる場合があります。

■ 重要なポイント

審査で鍵になるのは、次の2点です。

1.現在も債務を返済中かどうか
2.完済後にどれだけ時間が経過し、安定した支払実績を積んでいるか

つまり、任意整理中と整理後では、
現在進行形の返済負担
完済後の信用回復期間
という2つの軸で評価が大きく変わります。

焦って申し込むよりも、状況を見極めてから動くことが、現実的な選択といえるでしょう。

ローンが通る可能性は低い?現実的な期待値

結論から言えば、任意整理中や整理直後に車ローン審査へ通る可能性は、一般的にかなり低いと考えておくのが現実的です。ただし、すべてのケースで「絶対に不可能」というわけではなく、状況や申込先によっては審査対象となる場合もあります。

たとえば、銀行系のマイカーローンでは、信用情報に債務整理に関する情報が登録されている間は、審査通過が難しい傾向があります。一方で、信販会社や自動車ディーラーが提携しているローンでは、銀行よりも審査基準が柔軟なケースもあります。

また、中古車販売店が提供する「自社ローン」の中には、信用情報機関への照会を行わない形で審査をする商品もあり、こうした場合は任意整理中であっても契約できる可能性が残ることがあります。

ただし、自社ローンには注意点もあります。たとえば、

・実質的な負担が割高になりやすい
・分割手数料が高めに設定される場合がある
・契約内容によっては所有権留保となり、完済まで車の名義が販売店側になることがある

以上のようなポイントは理解しておく必要があります。つまり、「審査に通りやすい=条件が良い」とは限らないわけです。

一方で、任意整理を完済した後に一定期間が経過し、安定した収入があり、支払いの遅れがない生活を続けている場合は、ローン審査に通る可能性が徐々に出てくることがあります。信用情報機関の記録が消えるタイミングや、その後の信用履歴の積み重ねが重要になります。

現実的な目安としては、

・任意整理中:ローン審査は非常に厳しい
・完済直後:審査に通りにくい状態が続きやすい
・完済から数年経過し、安定収入と支払実績がある:可能性が上がる場合がある

という段階的な見方が適切でしょう。

もし今すぐ車が必要な場合は、無理にローンへこだわるのではなく、

・現金で中古車を購入する
・家族名義で契約を検討する
・カーリースやレンタカーを利用する

といった方法も視野に入れることが大切です。焦って高負担のローンを組んでしまうよりも、生活を安定させながら信用を回復させるほうが、結果的に安心できる選択につながります。

任意整理後でも車を手に入れられる?現実的な可能性と具体的な方法

任意整理をすると、信用情報に債務整理の情報が登録されるため、新たな車ローンの審査は一般的に厳しい状況になります。そのため「もう車は持てないのでは」と不安に感じる方も少なくありません。しかし、ローン以外の方法も含めれば、車を確保できる可能性はゼロではありません。

ここでは、任意整理をした、という状況を踏まえたうえで、どのような選択肢があるのか、それぞれのメリット・注意点とともに解説します。

家族名義でローンを組む

任意整理中であっても、信用情報に問題のない家族が契約者となることで、カーローンを組める可能性があります。たとえば、配偶者や親など、安定した収入があり信用情報に傷のない家族がローン契約をする方法です。

メリット

・信用情報に問題のない家族であれば、ローン審査に通る可能性がある。

デメリット

・契約者(家族)が返済義務を負うため、滞納すると家族の信用情報に影響が出る。
・ローン会社によっては「使用者が誰か」を重視し、審査が厳しくなることがある。
・家族間のトラブルにつながるリスクがある。

ただし、この方法を選ぶ場合、ローン契約上の返済義務は契約者である家族に生じますそのため、実際の返済を誰がどのように行うのか、家族間で十分に話し合い、合意を得ておくことが不可欠です。軽い気持ちで「名義だけ借りる」という形にしてしまうと、後々大きなトラブルにつながる可能性があります。

また、金融機関やローン会社によっては、契約者と実際の使用者が異なる場合に、審査が慎重になることもあります。申込み時に「主な使用者」を確認されるケースもあり、虚偽の申告をすると契約違反となるおそれがあるため注意が必要です。

この方法を検討する際は、家族の生活に負担が出ない借入額に抑え、返済計画を明確にしておくことが重要です。特に滞納が発生すると、家族の信用情報に傷がつく可能性があるため、慎重に判断しましょう。

自社ローン対応の中古車店を活用する

もうひとつの選択肢として、自社ローンを提供している中古車販売店を利用する方法があります。自社ローンとは、銀行や信販会社を通さず、販売店が独自に分割払い契約を結ぶ仕組みです。

通常のカーローンと異なり、販売店独自の基準で審査を行うため、任意整理中でも契約できる可能性があります。ただし、「信用情報機関を必ず照会しない」とは限らず、販売店によって対応は異なります。

審査では、現在の収入状況や勤務先の安定性、返済能力が重視される傾向があります。そのため、安定収入があれば契約に至るケースもありますが、必ず通るわけではありません。

メリット

・信販会社や銀行を利用しないため、通常のローンとは異なる基準で審査される。
・販売店によっては、現在の収入や勤務状況を重視する傾向があり、任意整理中でも契約できる可能性がある。

デメリット

・実質的な負担が大きくなる場合がある(車両価格に分割手数料が含まれるケースもある)。
・頭金が求められることが多い。
・購入できる車種は中古車が中心。
・契約形態によっては所有権留保となることがある。

注意点として、自社ローンは「金利」という形を取らず、車両本体価格に分割手数料を上乗せする形式を採用している場合があります。その結果、総支払額が高くなることがあります。また、多くのケースで頭金が必要です。

さらに、契約内容によっては完済まで所有権が販売店側に留保される場合もあり、滞納すると車両を引き上げられる可能性があります。

それでも、「通常のローン審査に通る見込みが低いが、車が必要」という状況では、現実的な選択肢の一つです。
複数の販売店を比較し、総支払額・返済回数・所有権の扱いを十分確認したうえで判断することが重要です。

保証人を立てる

信頼できる第三者に保証人になってもらうことで、ローン審査に通る可能性が高まる場合があります。保証人とは、契約者が返済できなくなった場合に代わって返済義務を負う人を指します。

特に自動車ローンでは、「連帯保証人」を求められることが多く、この場合、金融機関は主債務者に請求せず、いきなり保証人に全額請求することも可能です。つまり、保証人は主債務者とほぼ同等の重い責任を負う立場になります。

そのため、保証人を依頼する際は慎重な判断が必要です。万が一返済が滞れば、保証人が残債を支払う義務を負うため、親族や友人との関係に重大な影響を及ぼす可能性があります。単なる「名義貸し」の感覚で依頼することは極めて危険です。

メリット

・信用力のある保証人がいることで、金融機関の貸し倒れリスクが軽減され、審査に通る可能性が高まる場合がある。

デメリット

・保証人は、主たる債務者が返済できない場合に返済義務を負う。
・契約内容によっては、連帯保証人として主債務者と同等の責任を負うことがある。
・人間関係に深刻な影響を及ぼす可能性がある。
・保証人にも収入基準や信用情報の審査が行われる。

また、金融機関は保証人についても、

・安定収入があるか
・他社借入の状況
・信用情報に事故情報がないか

といった点を審査します。保証人に債務整理歴がある場合や収入が不安定な場合は、保証人として認められないこともあります。

保証人制度を利用する場合は、

・無理のない返済計画を立てる
・万が一に備えたリスクを共有する
・返済状況を定期的に報告する

などの対応が不可欠です。

保証人を立てるということは、自分の信用だけでなく、他人の信用も背負う選択であることを十分に理解しておく必要があります。

任意整理後にローンが通りやすくなるタイミングと条件

信用情報に任意整理の記録が残っている間は、ローン審査は厳しくなるのが現実です。焦って申し込むと、申込情報が信用情報機関に一定期間記録され、次の審査にも影響する可能性があります。

では、いつなら通りやすくなるのでしょうか。ここでは、任意整理後にローンが通りやすくなるタイミングや条件について解説します。

信用情報回復まで待つべき期間と申込タイミング

任意整理を行うと、信用情報機関に「債務整理」などの情報が登録されます。これにより、多くの金融機関では審査の段階で返済リスクが高いと判断されやすくなり、ローンやクレジットカードの審査に通りにくい期間が続きます。

信用情報に登録された任意整理の情報が削除されるまでの目安は、一般的に完済から約5年程度とされています。ただし、これは信用情報機関や契約内容によって扱いが異なる場合があり、必ずしも一律に「5年で消える」と断定できるものではありません。たとえば完済から3年程度の段階では、信用情報上に整理の履歴が残っている可能性が高く、銀行系ローンやクレジットカードの審査は厳しくなるのが現実です。

また、信用情報から事故情報が削除された後も注意が必要です。事故情報が消えたことで、信用情報上の取引履歴がほとんど残っておらず、いわゆる「クレジットヒストリーが薄い状態」になるケースがあります。この状態は「スーパーホワイト」と呼ばれることもあり、年齢や状況によっては金融機関が慎重な判断をする場合があります。

そのため、信用情報が回復した後は、携帯電話端末の分割払いを遅れずに支払うなど、無理のない範囲で支払実績を積み、信用を積み直していくことが重要です。これにより、金融機関から「現在は安定して返済できる状態」と判断される可能性が高まります。

申込みのタイミングとしては、一般的には完済から5年程度が経過し、信用情報が整理されていることを確認したうえで、安定した収入や生活状況が整った段階で検討することをおすすめします。信用情報が残っているうちに申込みを繰り返すと、申込情報が一定期間記録され、審査に影響する可能性もあるため、焦らず準備を整えてから申し込むことが大切です。

年収と返済比率のリアルな基準

信用情報が回復していたとしても、年収や収入の安定性が十分でなければ、ローン審査に通るのは難しいのが現実です。金融機関が最も重視するのは、「この人は毎月きちんと返済を続けられるか」という点です。

そのため、任意整理後にローンを検討する場合は、年収と返済負担のバランス(返済比率)を冷静に見直すことが重要になります。

年収の目安は「最低ライン」ではなく「安定性」

ローン審査では、年収が一定以上あることが求められますが、具体的な基準は金融機関やローンの種類によって異なります。一般的には、年収が低いほど審査は厳しくなりやすく、特に任意整理の履歴がある場合は、同じ年収でも慎重に判断される傾向があります。

また、雇用形態も重要です。

・正社員・公務員:安定性が評価されやすい
・契約社員・派遣社員:勤続年数や更新状況が重視されやすい
・アルバイト・個人事業主:収入の継続性がより厳しく見られる

ただし、アルバイトや契約社員でも、勤続年数が長く、毎月安定した収入がある場合は審査対象になるケースもあります。

返済比率(返済負担率)の目安

次に重要なのが、返済比率(返済負担率)です。これは、年収に対して年間返済額がどの程度の割合かを示す指標で、ローン審査では非常に重視されます。

金融機関によって基準は異なりますが、一般的には

・年収の25%以内:比較的安心
・年収の30〜35%:審査が厳しくなりやすい
・年収の35%超:通りにくい可能性が高い

といった目安で考えられることが多いです。

たとえば年収300万円の場合、返済比率25〜35%なら、

・年間返済:75万〜105万円
・月返済:およそ6万〜9万円

が一つの目安になります。

生活費も含めて「返済余力」を見られる

注意したいのは、審査では返済比率だけでなく、生活費を踏まえた返済余力も見られることです。

たとえば、

・家賃:7万円
・光熱費・通信費:3万円
・食費や日用品:5万円

など固定費が多い場合、ローン返済に回せる余裕は小さくなります。金融機関は、こうした支出も踏まえて「無理なく返せるか」を判断します。

他社借入があると審査は不利になりやすい

すでに他社借入がある状態で新たにローンを申し込むと、審査が厳しくなる傾向があります。特に複数社からの借入がある場合は、返済能力に不安があると判断されやすくなります。

そのため、可能であれば

・既存の借入を完済する
・借入件数を減らす
・借入残高を圧縮する

といった準備をしてから申し込む方が、審査に通りやすくなります。

年収や返済比率は単なる数字ではなく、金融機関にとっては「この人は無理なく返済を続けられるか」という信用の材料です。任意整理後にローンを検討するなら、申込み前に家計を整理し、余裕を持った返済計画を立てることが、結果的に審査通過への近道になります。

頭金はいくら用意すべきか

信用情報や収入条件のほかに、頭金の有無も審査において重要な要素です。特に任意整理後は、金融機関が慎重に判断する傾向があるため、頭金を用意できると審査にプラスに働くことがあります。

一般的なカーローンでは、頭金なし(フルローン)でも契約できる場合はあります。ただし任意整理後の場合は、購入価格の一部を自己資金で負担できる方が有利になりやすいと考えられます。目安としては、購入額の20%前後以上を用意できると、評価が改善するケースもあります。

たとえば100万円の中古車であれば、20万円の頭金を入れることで借入額は80万円に減ります。融資額が小さくなるほど貸し手のリスクは下がるため、審査通過の可能性が高くなるかもしれません。

さらに、頭金を入れることで月々の返済額も軽くなります。借入額が減れば返済負担率も下がり、家計に余裕があることを示しやすくなります。これは審査上の大きなポイントです。

ただし、頭金を用意するために新たな借入をするのは避けるべきです新たな借金は信用情報や返済比率に悪影響を与え、かえって審査が不利になる可能性があります。あくまで自己資金で準備することが前提です。

もし十分な頭金を用意できない場合は、無理に申し込まず、数か月〜1年ほど貯蓄期間を設けるのも現実的な選択です。その間に勤続年数が伸び、信用状況も安定し、結果的に審査通過の可能性が高まることがあります。

頭金は単なる資金準備ではなく、「計画的に返済できる人」であることを示す材料です。焦らず、無理のない範囲で準備することをおすすめします。

ローンが困難な場合|車を入手する現実的な方法

任意整理中や完済直後は、信用情報の影響により車ローンの審査が厳しくなる傾向があります。特に銀行系ローンでは通過が難しいケースも少なくありません。しかし、通勤や通院などで車が欠かせない方にとって、「ローンが難しいから諦める」という選択は現実的ではない場合もあるでしょう。

ここでは、車のローンが難しい場合に、車を入手する方法や注意点について解説します。

カーリースの可否と注意点

カーリースは、毎月一定の料金を支払って車を利用する仕組みです。「所有ではなく利用」という形のため初期費用を抑えやすい一方、任意整理中・直後の方にとっては必ずしも有利とは限りません。

まず押さえておきたいのは、カーリースでも審査が行われるのが一般的だという点です。特に、信販会社が間に入る方式(いわゆるオートリースや残価設定型に近い審査運用を含む)の場合、契約時に信用情報機関を照会することが多く、任意整理の情報が残っている期間は審査に通りにくい傾向があります。

ただし、すべてのリース会社が同一の審査運用というわけではありません。リース会社によっては、信販会社を介さず独自の基準で審査する場合もあり、現在の収入や勤続年数などを重視するケースもあります(ただし通過が保証されるものではありません)。

メリット

・初期費用を抑えて車を利用できる(頭金不要のプランもある)

デメリット

・リース契約でも審査が行われることが多く、任意整理中・直後は通りにくい傾向がある
・月々の支払いが長期間続き、途中解約は原則できない/高額な精算が発生しやすい
・走行距離制限や改造制限など、利用条件がある
・契約満了時に、原状回復や超過走行距離などの精算が発生する場合がある

注意したいのが、契約後の金銭的負担です。カーリースは月額が一定で管理しやすい反面、中途解約は原則不可または、解約できても残り期間分のリース料相当額・精算金などが発生することが一般的です。また、走行距離制限や改造禁止といった条件があり、契約満了時には車両状態(損耗・キズ)や走行距離の超過によって原状回復費用や精算が生じることがあります。

リース契約は「長期の支払い義務」を伴うため、任意整理後の再出発期に家計を圧迫しないかが重要です。仮に審査に通ったとしても、月額、契約期間、中途解約時の精算方法、満了時の条件(返却/買取/再リースの有無)を細かく確認し、無理のない範囲かどうかを慎重に判断しましょう。

中古車を現金で購入する

任意整理中・直後でも、最も確実に車を手に入れる方法のひとつが、中古車を現金で購入することです。ローンやリースと異なり、金融機関の審査が不要なため、信用情報の影響を受けません。

​​メリット

・信用情報の審査が不要で、任意整理中・直後でも購入可能
・名義変更を適切に行えば、自分名義の所有車として自由に売却・譲渡できる
・計画的に資金を準備することで、家計管理の訓練にもなる

デメリット

・まとまった現金が必要
・購入後の修理費や維持費を見込んでおく必要がある

中古車市場には幅広い価格帯の車両があり、年式の古い軽自動車や走行距離の多い車両であれば、30万〜50万円程度で購入できるケースもあります。ただし価格は車種や状態、地域によって大きく異なります。

重要なのは、購入後の費用も含めて総額で考えることです。車両代のほかに以下の費用がかかります。

・自動車税(種別割)
・自賠責保険料(加入は法律上の義務)
・任意保険料
・車検費用
・修理・メンテナンス費

特に価格の安い中古車は、購入後すぐに修理が必要になる場合もあります。購入前に整備記録簿を確認し、可能であれば第三者機関による車両検査(インスペクション)を利用すると安心です。

また、購入後は必ず名義変更(移転登録)を行うことが必要です名義が前所有者のままでは法的なトラブルの原因になります。現金購入であっても、登録手続きが完了して初めて法的に自分の車となります。現金購入は、「借りない選択」をするという意味でも大きな意義があるかもしれません。

親族から譲渡を受ける際の注意点

親や兄弟、親戚から車を譲り受ける方法は、任意整理中・直後でも現実的な選択肢のひとつです。買い替えのタイミングが合えば、無償または安価で取得できる場合があります。

メリット

・金銭的な負担を大幅に抑えられる可能性がある
・整備履歴や車の状態を把握しやすい

デメリット

・名義変更や税金・保険の手続きが必須
・贈与税が発生する可能性がある
・書面化しないとトラブルになることがある

しかし、親族間であっても法的な手続きは必ず必要です。

① 名義変更(移転登録)

名義変更を行わないと、

・自動車税(種別割)の納付書が旧所有者に届く
・事故や違反時の責任関係が複雑になる

といった問題が生じます。

普通車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会で手続きを行います。必要書類(車検証、譲渡証明書、印鑑証明書など)を揃えれば、ご自身でも手続き可能です。難しい場合は行政書士に依頼することができます。

② 保険の手続き

名義変更後は、任意保険・自賠責保険の契約内容も確認しましょう。

・契約者・記名被保険者の変更
・車両情報の変更

を行わないと、事故時に補償範囲が限定されたり、手続きが煩雑になる場合があります。

等級の引き継ぎが可能なケース(同居の親族間など)もあるため、保険会社へ事前確認すると安心です。

③ 贈与税の注意点

親族から無償で車を受け取った場合、その年に受けた贈与の合計額が110万円を超えると贈与税の課税対象になります。重要なのは「車の価格単体」ではなく、年間の贈与総額で判断される点です。

中古車の場合は時価が基準となるため、実際には110万円を超えないケースも多いですが、念のため市場価格を確認しておくと安心です。不安があれば税務署や税理士に相談しましょう。

④ 書面を残す

親族間でも、

・譲渡証明書
・贈与契約書

などを作成しておくことで、後日のトラブルを防ぐことができます。

特に任意整理中・直後は、家計の透明性を保つことが重要です。形式を整えておくことは、将来の信用回復にもつながります。

まとめ

任意整理(債務整理)中に「車のローンは組めるのか」「今あるローンはどうなるのか」と不安に感じることもあるかもしれません。結論から言えば、任意整理中は信用情報に債務整理の履歴が登録されるため、新たに車ローンの審査に通る可能性は非常に低いのが現実です。これは任意整理だけでなく、個人再生や自己破産の場合も同様で、金融機関は返済のリスクを慎重に判断します。

一方で、すでに契約している車ローンについては、任意整理の対象に含めなければ、引き続き支払いを継続できるケースがあります。ただし、車ローンが「所有権留保」の契約になっている場合、返済が滞ったり、任意整理の対象に含めたりすると、車を引き上げられる可能性が高まるため注意が必要です。

任意整理中に車が必要な場合は、ローン以外の方法も検討しましょう。例えば、中古車を現金で購入する、家族名義で契約する、親族から譲渡を受けるなどが現実的です。また、カーリースや自社ローンは利用できる場合もありますが、金利や契約条件が厳しいことも多いため慎重な判断が必要です。

車を残したい場合は、弁護士や司法書士に早めに相談し、任意整理の対象に含めるべき借金を適切に選ぶことが重要です。状況によっては、個人再生や自己破産も含めた選択肢の比較が必要になるため、専門家と一緒に最適な方法を検討することをおすすめします。

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債務整理実績1万5821(2019年4月調べ)

その実績が認められ、日経産業新聞に掲載されました。(2012年4月27日)

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債務整理とは、債務者が多額の借金を抱えた場合、多重債務に陥ってしまった場合に、借金を確実に返済することです。債務整理とひとくちに言っても、任意整理・個人民事再生・自己破産・過払い請求・特定調停と、その方法は様々。お客様の借金の総額や取引年数、現在の収入資産などに応じて最適な解決方法をご提案いたします。

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