借金の返済金の中にいわゆるグレーゾーン金利が適用されていた場合、過払い金返還請求手続きを行うことで払い過ぎたお金を取り戻すことができます。
借金問題解決の大きな助けとなる過払い金請求手続きですが、ここで気になるのが「ブラックリスト」です。
債務整理を行うと原則としてブラックリストに登録され不利益が生じますが、過払い金請求でもやはりブラックリストに載ってしまうのでしょうか?
そもそも「ブラックリスト」とは?
借金を滞納したり債務整理を行ったりすると、信用情報機関に金融事故歴が記録されます。
「ブラックリスト」とは、この信用情報機関の持つ金融事故情報の通称です。実際にブラックリストというリストが存在するわけではありません。
信用情報機関には加盟する会社から個人の金融に関する情報が集められ、会員であれば自由に閲覧できるようになっています。
消費者金融業者やクレジットカード会社は申し込みをしてきた人物に問題がないかを確認するために、信用情報機関の持つ情報を参照します。
このときに金融事故歴が確認されると、借り入れが不適格として審査に落ちる可能性が高くなります。
ブラックリストというリストは実際は存在しませんが、信用情報機関の持つ個人情報がブラックリストと呼ばれるものの役目を果たしているというわけです。
ブラックリストに登録されるデメリット
いわゆる「ブラックリストに登録された状態」になると、いくつかデメリットが生じます。
金融事故歴がある人物に融資する業者はほとんどいないので、新規の借り入れは原則として不可能になります。
ブラックリストは業者間で共有されているので、前回とは別の業者に申し込んでも融資を断られてしまいます。
クレジットカードを新たに発行することも原則として不可能です。クレジットカードはカード会社が代金を立て替える一種の借金であり、金融上の信用を失った人にカードを新規発行することは原則としてありません。
すでに発行済のカードも強制的に利用が停止されることがあります。
カード以外の分割払いも原則として不可能になるので、携帯電話等も一括購入でないと買うことができなくなる可能性が高くなります。
ブラックリストはいつ解除される?
一度ブラックリストに登録されると最低でも5年間は情報が登録されているので、その期間はデメリットを受け入れるしかありません。
その代わりブラックリストの情報が消えてしまえば、過去にさかのぼって不利益を被ることはありません。
以降は再び金融サービスを利用することができます。
過払い金請求はブラックリストに登録されるのか?
任意整理や再生、自己破産を行うとブラックリストに登録されますが、過払い金請求のみを行い、債務の減額や将来利息のカットなどその他の債務整理が行われなければブラックリストには登録されません。
以前は過払い金請求もブラックリスト入りの対象でしたが、過払い金は払い過ぎたお金を返してもらうだけの手続きなので、本来返済すべき債務額にはまったく影響を与えません。
正当な権利があるお金を取り戻しただけなのに金融事故と同様に扱うのはふさわしくないという声の高まりとともに運用が見直され、過払い金請求をしてもブラックリストには登録されなくなったのです。
ブラックリスト登録が気になって過払い金請求をすべきか迷っていたという方はご安心ください。