消費者金融などに支払った返済金の中に出資法の金利が適用された利息分が含まれている場合、過払い金請求手続きをすることで利息制限法との差分を取り戻すことができます。
ただし注意しなければいけないのは、過払い金には時効が存在することです。
時効を過ぎれば請求権は失われ、請求手続きをしてもお金を取り戻すことができません。
消費者金融やカードローンで借金をした経験がある方は、早めに過払い金の有無を確認しましょう。
過払い金には時効が存在する
過払い金は本来支払う義務のないお金であり、返還請求は正当な手続きとして認められています。
過払い金が存在すれば誰でも返還請求してお金を取り戻すことができますが、返還請求には時効が設けられています。
過払い金は法律的には「不当利得」として扱われ、不当利得返還請求の権利は民法167条において10年と定められています。
10年間返還請求をしないと権利を喪失してしまい、過払い金は取り戻せなくなります。
時効はいつからカウントする?
過払い金請求の時効は10年とお伝えしました。ではこの10年というのは、いつからカウントするのでしょうか?
過払い金請求の時効は「最終取引日から10年」です。
例えば借り入れから完済まで5年かかった場合、借り入れから数えて15年経過すると過払い金請求の時効になります。
取引が継続している場合、時効のカウントはスタートしません。返済継続中の借金の中に過払い金が含まれている場合は、時効を気にせず返還請求することが可能です。
また、借金を完済した後に再び同じ業者からお金を借りた場合は多くの場合、「取引が継続している」とみなされます。
そのため初回の借金に含まれていた過払い金の請求時効は、初回の完済日からではなく新たに借り入れた借金の完済日からカウントがスタートします。
新たに借り入れた借金の返済が継続していれば、時効のカウントはスタートしません。
一度完済した後で新たに借り入れをしたケースに関しては取引が継続しているとみなされるのか、それとも別々の取引として扱うのかは判断が分かれるところです。
借金の目的や取引の状況、間にどのくらいの期間が空いているのかなどを総合的に見て判断する必要があるため、空白期間がある過払い金請求をする場合はまず司法書士や弁護士などの専門家に相談しておくと安心です。
完済済みの借金でも過払い金を請求できる
過払い金請求は、今現在返済を継続している人だけの権利ではありません。
過払い金請求の時効は最終取引日から10年なので、すでに借金を完済した人でも出資法の金利が適用されていた時期にお金を借りていた場合は過払い金請求でお金を取り戻すことが可能です。
以前借金をした経験があり約10年前に完済している人は、過払い金請求の権利が時効で消滅してしまう可能性があります。
返済金に過払い金が含まれているかどうかは業者に連絡して取引履歴を照会すれば確認することができます。
覚えのある人は業者に連絡するか司法書士や弁護士を代理人に立てて過払い金の有無を確認し、時効前の過払い金があればすみやかに返還請求手続きをしてください。