クレジットカードなどでお金を借りると、返済の際には金利分も合わせて支払うことになります。
金利には利息制限法という法律によって上限が定められており、現在は元本が10万円未満の場合は20%まで、100万円未満の場合は18%まで、100万円以上になる場合は15%までと定められています。
ところが、出資法という別の法律ではかつて29.2%という上限が定められており、消費者金融などでは出資法に基づく金利が貸出金利として設定されていました。
この差分が「グレーゾーン金利」と呼ばれ、過払金を返還請求する対象となっています。
クレジットカードは信用情報が重要
では、過払い金請求をするとクレジットカードが作れなくなるのでしょうか。
クレジットカード会社は、新規申込者の入会を認めるかどうかを判断するために信用情報機関のデータを参考にします。
信用情報機関は加盟している各会社から集めた個々人の信用情報を蓄積しています。
信用情報には個人の氏名生年月日のほか、住所や電話番号、運転免許証番号といったパーソナルな情報が集積されています。
さらに氏名や住所などから紐付けられた、加盟している各企業から提供される支払情報を組み合わせています。
また、これとは別に官報に載っている破産や個人再生などの公告も集約しています。
加盟している企業から提供されているのはその個人に対して供与している貸与枠の総額と支払状況、契約している商品の内容、契約状況となります。
逆に言えば、これら以外の情報は集約されていません。
ここかキーポイントとなります。
過払い金請求はどこまで情報が出るのか
それでは過払い金請求を行うとどこまで情報が提供されるのでしょうか?
まず、信用情報機関への情報提供ですが、これは契約の状況しか提供されません。
かつては契約見直しといった項目が掲載されることもありましたが、現在は契約が終了したかどうかしか載らなくなっています。
そのため、過払い金を請求した会社は契約が終了した「完了」としか載りません。
それでは、官報はどうでしょうか。官報に掲載されるのはあくまで法的な債務整理が行われる場合だけとなります。
過払い金の請求は私的なものであり、両者の同意を元に実施されるものです。
私的整理は官報には公告されませんので、信用情報機関が官報から情報を入手することもありません。
もちろん、過払い金請求をした会社にはその事実が取引の記録として残ります。
その会社が発行するクレジットカードを作れなくなる可能性はありますが、過払い金請求を行ったとしても請求したクレジットカード会社以外にはその事実が明らかになることはないのです。
過払い金の請求がすべて完了したのちに別の会社のクレジットカードを作る場合には、一般的なカードの審査と同じ過程が取られます。
過払い金請求を行ったことを理由に拒絶されることはありません。
したがって、過払い金請求をするのに信用情報を気にする必要はないということになります。